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戦略立案のためにどのように情報を集めていますか

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問から、戦略について見ていきます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、「2.1戦略の策定」(p8)で、戦略を策定する方法について、尋ねます。

 あなたの組織について実際に回答を確認していきましょう。

2.1戦略の策定:戦略をどのように策定していますか?
(3)関連データをどのように収集および分析し、戦略計画プロセスで使用するための情報を生成していますか?

 戦略策定のための情報について尋ねます。

 「関連データ」は原文は”relevant data”。戦略に影響する、戦略を検討するのに必要なデータです。
 「情報の生成」は原文は"develop information"。「データ」そのものには意味がありませんが、データを収集し、分析・加工することで、そこから意味を見出し「情報」として活用します。

 質問は、データを収集、分析して情報を生成するプロセスを尋ねています。
 その前提として、どんなデータを集めるか、何を適切なデータとするか、データの選択についても尋ねられていることがわかります。

 あらゆる情報源からのデータを統合して、戦略に関連する情報を生成することを考慮します。
 関連するデータおよび情報には次のようなものがあります。

・顧客と市場の要求事項、期待、機会、およびリスク
・財務上の、社会の、倫理上の、規制上の、技術上の、セキュリティおよびサイバーセキュリティ上の、およびその他の潜在的な機会とリスク
・自組織のコアコンピタンス
・競合他社および比較可能な組織と比較した、現在および将来の競争環境とパフォーマンス
・製品のライフサイクル
・働き手およびその他の経営資源のニーズ
・多様性を活用し、公平性と包括性を促進する能力
・災害や緊急事態を防止し対応する能力
・経営資源を優先度の高い製品、サービス、または領域に振り向ける機会
・地域経済、国家経済、世界経済の変化
・パートナーとサプライネットワークに対する要求事項およびそれらの長所と短所
・親組織の変更
・組織に固有のその他の要因

 製品やサービス、業務運用に影響する技術的変化やイノベーションにも着目します。
  多くの業界で変化を推進し続けているテクノロジーには、例えば次のようなものがあります。

・頭脳労働の自動化(enhanced automation)
・クラウド運用の採用
・データ解析の使用
・モノのインターネット
・人工知能
・大規模なデータセット対応のビジネスおよびプロセスモデリング

 こうした技術革新に関する情報についても、それにどのように対応するかを戦略に取り入れていきます。

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 質問に答えるために、検討事項が多く出てきましたが、こうしたことを素材にして自組織を振り返ることで、改善のヒントが得られます。

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 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー(Baldrige Excellence Builder)は日本語で読むことができます。「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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