見出し画像

いま必要な経営の基礎知識①

①顧客満足と顧客ロイヤリティと顧客エンゲージメントの違い

 これは、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」の作成に支援いただいた田中典生氏が毎日発信されている中で紹介された「いま必要な経営の基礎知識」の一番目です。これについて田中典生氏はつづけて、興味ある視点で発信されています。

お客様エンゲージメントとはお客様と最高の心の絆を結んでお客様にとって
欠かせない存在の組織になることです。
お客様の期待は「いい気分」。
お客様の非常に満足は「いい気分」が大前提。
「いい気分」でなければ非常に満足はしません。

 ポイントの一つは「非常に満足」。
 顧客満足度調査はよく5段階でチェックする方法がとられていますが(例えば、5非常に満足、4満足、3普通、2不満足、1大いに不満足)、このとき、「5非常に満足」と「4満足」をたして、わたしたちの組織の(あるいはこの製品・サービスの)顧客満足度は〇〇%です、としていないでしょうか。
 5段階あって「4」をつけるのは、「5非常に満足」をつけられない理由があるのです。少なからず不満があるのです。それに注目することが大切です。
 ボルドリッジにおいて「改善」はマイナス面をゼロにすること(kaizen)(だけ)でなく、プラスをさらに良くすること(improvement)です。不満足の解消(だけ)でなく、非常に満足とするには足りない何かを付け加えることです。

非常に満足して、本当にいい気分で、喜んでいるお客様は、リピートと口コミで感謝を表現します。お客様は黙って離れることで不満を表現します。

 顧客満足度調査でもう一つ注目したいのは、回答していただけなかったお客様です。いただいた回答のみを集計して、顧客満足度を測っていますが、それだけにしていないでしょうか。回答していただけなかったお客様は、「黙って離れる」不満をもったお客様かもしれません。
 たしかに回答されなかったアンケートを集計することはできないので、それを追求することはできませんが、顧客満足度の数値にはそういう特徴があるということを理解して、数値を評価することは大切です。

 こうした意味から、「4満足」をつけたお客様の「5非常に満足」をつけられなかった理由に着目し、「5非常に満足」のお客様を増やすほうが、組織にとって取り組みやすく効果が高いと言えるかもしれません。

★★

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】は、米国政府のウェブサイトから無料でダウンロードできます。これは、米国が開発した組織経営のガイドです。Baldrige Excellence Builder / NISTのページ下方に、Non-English Versionsとして、Spanishと並んで掲載されています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?