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顧客の期待を理解する

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。
 カテゴリー3.顧客(Customers)では、顧客の声に耳を傾け、顧客の期待に応え、それを超え、顧客関係を構築する方法など、長期的な市場での成功のために顧客との関わり合いをどのように深めるかを尋ねます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、「3.1顧客の期待」(p9)で、顧客の声に耳を傾け、顧客の要望・期待を理解し、それに対応する方法について、尋ねます。

 ここでは、顧客の声を傾聴するためのプロセス、顧客グループや顧客区分を決定するためのプロセスについて尋ねます。また、顧客と市場にサービスを提供する製品を決定し顧客に合わせてカスタマイズするためのプロセスについても尋ねます。
 目的は、顧客の期待を超え、マーケティングを改善するために、意味のある情報を収集することです。

3.1顧客の期待:どのように顧客の声に耳を傾け、顧客の要望を満たす製品やサービスを決定していますか?
(1)活動につながる有益な情報を得るために、どのように顧客に耳を傾け、顧客と交流し、顧客を観察していますか?
(2)活動につながる有益な情報を得るために、潜在的な顧客の声をどのように聞いていますか?
(3)顧客グループと市場区分をどのように決定していますか?
(4)製品・サービスをどのように決定していますか?
(Baldrige Excellence Builder 2021-2022, p9より。翻訳筆者)

 この項目では、最初の質問の「顧客(customers)」に「*(注)」がついています。

*医療機関の場合、「顧客」は、医療サービスのユーザーです(例:患者、家族、保険会社、およびその他の第三者支払人)。
教育機関の場合、「顧客」とは、教育プログラムとサービスのユーザー(学生や保護者など)です。
(Baldrige Excellence Builder 2021-2022, p9より。翻訳筆者)

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、一般企業/非営利組織編、ヘルスケア編、教育機関編の3つに分かれていますが、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは組織の事業区分を問わず使用できます。
 このとき、「製品・サービス」と「顧客」は読み替えて使うよう、注意書きがされています。

 逆に見れば、「製品・サービス」と「顧客」の違いを除けば、組織経営の要諦はどのような事業においても違いはないともとれます。

 なお、上述の通り、ヘルスケア編においては保険会社と第三者支払人が「顧客」に位置付けられていますが、日本では「患者、家族」(まで)を「顧客」として捉えることでよいと思います。

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 筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。



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