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関係者の知識・知恵の共有

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの5つ目は
5.知の経営の実現
です。

 組織内の関係者間での知識や知恵の共有について確認します。

5.(7)関係者の知識・知恵の共有
 収集された会社業務に関する情報・データ類は、会社内の関係者間で知識や知恵として適切に共有されていますか。

 業務運営に必要な情報やデータは、知識や知恵に変換され、活用されます。
 運用に不可欠な知識を特定し、それを共有するための体系的な仕組みを構築し、組織として知識を活用できるようにします。

 収集された業務運営に関する情報・データ類を分析し、職務ノウハウの標準化とマニュアル化を図るなど、知識と知恵として管理(データベース化)します。
 管理(データベース化)されている知識・知恵に対して、従業員は容易にアクセスできる等知識・知恵の共有化を図ります。

 人や組織の知識は、形式知(事実、図形、データ、および、ドキュメントやその他のレポジトリ)と暗黙知(働き手が個人的に保持している知識)に分けられます。上述のように形式として管理・共有できるものはそれを進めます。

 それに加えて、暗黙知、すなわち、属人化している知識・知恵を収集・整理し、共有する仕組みを構築し、組織知として活用できるようにすることが重要です。

 暗黙知は、形式知に変換するか、あるいは、暗黙知のまま人から人へ伝え共有します。
 知識の変換を通じても高いパフォーマンスが維持されるようにする必要があります。

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 収集された業務運営に関する情報・データ類、分析結果、及び知識と知恵について、漏えいなどの事故に備えることも重要です。
 持ち出しや、利用などのセキュリティルールを明確にし、教育などにより徹底します。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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