適切なスキルセットを備えた適切な数の働き手を確保する
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。
5.1 働き手の環境では、働き手の熟練度と充足度のニーズ、組織の業務を遂行するためにこれらのニーズをどのように応え、支援的な職場環境をどのように確実に実現しているかについて尋ねます。
あなたの組織運営や事業遂行のために、働き手に必要なスキル、コンピタンス、および人員配置レベルをどのように評価しているかを尋ねます。
(1)働き手の熟練度と充足度のニーズをどのように評価していますか。
(Baldrige Excellence Builder 2011-2012より。翻訳筆者)
あなたの組織や事業における働き手に対するニーズを、どのような能力レベルの要員が必要か(働き手の熟練度)、どのくらいの人数必要か(働き手の充足度)に分けて検討します。
働き手の熟練度(Workforce Capability)
人々の知識、スキル、能力、および強みを通じて業務プロセスを遂行する組織の能力。
(Baldrige Key Termsより。翻訳筆者)
働き手の充足度(Workforce Capacity)
季節やその他さまざまな要因で変動する需要レベルに対応する能力を含む、業務プロセスを完了し、製品を顧客に提供するのに十分な人員配置レベルを確保する組織の能力。
(Baldrige Key Termsより。翻訳筆者)
スキル不足を補うために、違うスキルをもつ人を追加したり、達成するためにはより少ないスキルまたは異なるスキルでよいが多くの人を必要とするプロセスに対して、充足度のニーズを満たすことができる高度なスキルを持つ労働者が少ないと捉えてしまったりして、熟練度と充足度の概念を混同してしまうことがよくあります。
適切なスキルセットを備えた(熟練度)適切な数の(充足度)働き手を確保することは、成功するために重要です。これらの将来のニーズを予測することで、適切なトレーニング、採用、配転時間、および、業務システムの変更への準備が可能になります。
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ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。
「働き手の熟練度(Workforce Capability)」「働き手の充足度(Workforce Capacity)」また「働き手(Workforce)」もボルドリッジ特有の用語で、ボルドリッジ主要用語集に定義されています。いわば記号です。
このため、日本語版でも「熟練度」「充足度」「働き手」など、通常のビジネス用語にはない訳語を当て、都度用語の意味を明示して説明しています。
(通常は(例えば、Google翻訳では)、"Workforce"は「労働力」、
”Capability”、”Capacity”はどちらも「能力」と訳されます。)
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