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ミッション、ビジョン、バリューを明確にする

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(以下、ボルドリッジ)は、米国において30年以上にわたり、組織がミッションを果たし、結果を改善し、競争力を高めることを可能にしてきた経営フレームワークで、「実証済みの(proven)」リーダーシップとマネジメントの実践(理論でない)を示したものです。

ボルドリッジでは、その冒頭に、組織の基本的な事項や主な特徴を確認する「組織プロフィール」の質問があります。そこでは、組織が提供している製品・サービスに続いて、組織のミッション、ビジョン、価値観、文化を尋ねます。

(2)ミッション、ビジョン、価値観、文化
ミッション、ビジョン、価値観は何ですか?価値観以外に、組織文化を特徴づけるものはありますか?組織のコアコンピタンスは何ですか?また、それはミッションとどんな関係がありますか?

「ミッション、ビジョン、価値観は何ですか?」。この3つは、一組として扱われています。

ミッション(MISSION) 組織の総体的な機能。
ビジョン(VISION) 組織が望む将来の状態。
価値観(VALUES) 組織とその働き手がどのように業務運営することが期待されているかを表現している指導原理と行動。
Baldrige Key Terms より。翻訳筆者)

そして当然のことですが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークを活用した組織変革プログラムに取り組む企業や組織は、この3つを明確にしています。

日本企業では、「ビジョン」として将来の理想的な姿や組織の目的あるいはビジョンとして示されていますが、「ミッション」、「価値観」は、企業理念や経営理念、社是・社訓などがそれに代わるものとして示されていることが多いようです。

日本でボルドリッジを活用してもらうためには、経営理念や企業理念、社是・社訓と、ボルドリッジでいう「ミッション、ビジョン、価値観」との異同を明らかにしておくことが必要かもしれません。

ただ、共通なのは、企業・組織の運営の前提に、ミッション、ビジョン、価値観というようなものを置いている(それがあることを前提にしている)、ということです。

そうしたものがない、あるいは、明確になっていない組織もあります。

商品やサービスを売ること、売上と利益を上げることは今日の、明日の目的としては重要ですが、将来に向けて何を目的とするか。
「ミッション、ビジョン、価値観」あるいは、経営理念や企業理念、社是・社訓が組織運営において必要とされている理由について、改めて確認しておきたいと考えています。

ある人から薦められて、「企業理念」(大和信春著、2004年、博進堂社刊)を読んでみることにしました。アマゾンにはなく(「この本は現在お取り扱いできません。」)、博進堂オンラインストアで見つけて取り寄せたら、2週間ほど待ってようやく届きました。何かヒントが得られれば、ここでも紹介いたします。

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筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。




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