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変化を常態とする習慣づけ

「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、質問を通じて具体的に仕組みに落とし込んでいきます。

 カテゴリー7.環境変化に合わせたイノベーションの実現について見ています。

 最初に、経済産業省のレポートで、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の概要と課題を確認しました。

 改めてDXの定義を確認します。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

 すなわち、カギは「顧客や社会のニーズを基に」すること。
 DX(ITを活用すること、変化すること)が目的にならないよう注意が必要です。

 DXレポート2では、企業の目指すべき方向性を次のように概観しています。

2.4 企業の目指すべき方向性
・変化に迅速に適応し続けること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することがDXの本質であり、企業の目指すべき方向性
・コロナ禍によって人々の固定観念が変化した今こそ企業文化を変革する機会。ビジネスにおける価値創出の中心は急速にデジタルに移行しており、今すぐ企業文化を変革し、ビジネスを変革できない企業は、デジタル競争の敗者に

 ポイントは

DXの本質=ITシステムの変革+企業文化の変革

 コロナ禍の今こそ変革のチャンスです。

 新型コロナによって世界は変わった、というより、新型コロナによってそれまで起こっていた変化が加速したというほうが近い。それは例えば
 ・在宅勤務(テレワーク)
 ・デジタル&ネットワーク化
 ・リモート診療
 ・キャッシュレス化 etc

コロナ禍により表出したことは、
・コロナ禍は一過性の特殊事象ではなく常に起こりうる事業環境の変化
・これまでは疑問を持たなかった企業文化の変革に踏み込むことができたか
が対応の成否を分けた

 「まだ大丈夫」から「いまやらなければ」へと変わりました。

 企業が競争上の優位性を確立するには、常に変化する顧客・社会の課題をとらえ、「素早く」変革「し続ける」能力を身に付けること、その中では、ITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することが重要です。
 すなわち、「素早く」変革「し続ける」能力を身に付けること。

 ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、核となる価値観と概念にある「俊敏性」と「組織学習」です。
 変革(DX)を受け入れるには、変化が当たり前の組織文化をつくること、それには日頃からの改善(=変更)の習慣づけが有効です。

 変わることを当たり前にする。改善も小さな変更です。それを習慣づけします。

 変化にはリスクが伴います。リスクを避けるのではなく、リスクを評価し、挑戦するべきリスク(インテリジェントリスク)はそれを取ります。
 最先端技術・ICTを活用し失敗も糧にするトライアル・アンド・ファインディングを認めることが重要です。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

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 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。




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