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2021-2022から新しくなったこと(3)ダイバーシティ+エクイティ+インクルージョン

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、高いパフォーマンスを実現するための「証明された」リーダーシップと経営の実践的な方法(プラクティス)を示したものです。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは2年ごとにその時代の最先端の実践を取り入れて改訂されています。最新の2021-2022年版で特に着目したのは次の点です。
・組織の回復力
・イノベーション
・多様性、公平性、および、包括性(diversity, equity, and inclusion)
・デジタル化と第4次産業革命‎

 「多様性、公平性、および、包括性」って何のことでしょうか。これは単純に辞書で言葉を置き換えただけなので、意味が分かりにくいですね。そのまま、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン」とカタカナで使われることも多いようです。

多様性(diversity)は、以前からボルドリッジに登場しています。

多様性(diversity)
労働環境を豊かにする働き手の間の個人差で、雇用層および顧客層を代表するもの。この差異は、人種、宗教、肌の色、性別、国籍、障害、性的指向、年齢や世代、教育、出生地、および、技能の特性、さらには、アイデア、思考、学問分野、観点など、多くの要素によって生じます。
Baldrige Key Terms / NIST より引用、翻訳筆者)

 そして組織の成功には、多様性を受容する文化(a culture of inclusion)が必要であるとしています。

 すなわち、働き手、パートナー、協力者の、多様な背景や特性、知識、スキル、創造性、およびモチベーションが組織に恩恵をもたらします。

 これに2021-2022年版から、公平性と包括性が加わりました。

公平性(equity)を促進するということは、すべての顧客と働き手が公平に(fairly)扱われ、すべての働き手が潜在能力を最大限に発揮できるようにすることを意味します。
同じようにするということではなく、例えばバリアフリー化のように、差異が不利にならないような支援が求められます。

包括性、受容(inclusion)とは、組織への参加を後押しし、帰属意識を高めることを意味します。
一体感を育むよう積極的に支援することが求められています。

 働き手と顧客の多様性と包括性を大切にすることが、組織の高いパフォーマンス、顧客、働き手、および、地域の人々の満足、顧客と働き手のエンゲージメントにつながります。

★★

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは有償ですが、筆者らが翻訳した要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府のウェブサイトから無償でダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。



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