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リーダーシップの質問のベースにある価値観

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問から、経営幹部のリーダーシップについて見ていきます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、「1.1経営幹部」(p7)で、経営幹部がどのように組織を導いているかについて、質問します。

 質問の2番目「(2)経営幹部の個人的な行動は、法的行動および倫理的行動に対するコミットメントをどのように示していますか?」は、回りくどい言い回しですが、組織全体に求められる法的行動および倫理的行動をリーダー自らが模範となって体現することを求めています。

 経営幹部は、倫理的な行動の模範となって、働き手に対する期待、すなわちどのように振る舞ってほしいかを明確にする必要があります。

 組織の倫理原則は、組織文化と価値観の基盤です。それは正しいか間違っているかを見分けます。明確に表現された倫理原則は、組織の価値観とともに、人々が効果的な意思決定をすることに力を与え、組織の規範と禁止事項を決定するための境界条件として機能します。

 リーダーの第一の役割は、組織の活動の方向づけです。リーダーはその決断において、短期的な結果を出すことに対する要求と、倫理的風土と誠実を第一とする方針に基づいtて行動することとのバランスをとることが求められます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは、高いパフォーマンスを実現するためのリーダーシップとマネジメントの実践(理論でなく)です。(ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー、p1)
 それは、「核となる価値観と概念」をベースにおいて、質問を通じてそれを経営の仕組みの中に埋め込んでいきます。

 ここで取り上げた質問は、主に次の2つの「核となる価値観」に基づいています。

先見の明のあるリーダーシップ
 組織の経営幹部は、組織のビジョンを設定し、顧客重視を確立し、明確で目に見える組織の価値観と倫理を実証し、働き手に高い期待を設定する必要があります。
倫理と透明性
 組織は、すべての利害関係者の取引とやり取りにおいて、すべての働き手による倫理的行動を強調する必要があります。経営幹部は、透明性を含む倫理的行動の模範である必要があります。これは、リーダーシップと経営の面での率直でオープンなコミュニケーションと、正確な情報の共有を特徴とします。
(ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー、p4より引用)

 少し「固い」テーマですが、「核となる価値観と概念」とそれに続く「質問(集)」との関係の、わかりやすい事例と思いましたので、少し深掘りしてみました。

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 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは日本語で読むことができます。
 「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。
 ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


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