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経営を7つの側面から見てみよう

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、高いパフォーマンスを実現するための「証明された」リーダーシップと経営の実践的な方法を示したものです。

理論でなく実践です。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、それを3つの構成で示しています。

ボルドリッジの構成
 核となる価値観と概念
 質問集(MB賞審査基準、評価基準)
 評価の仕組み

※MB賞は、米国マルコ・ボルドリッジ国家品質賞の略称です。ボルドリッジ賞とも呼ばれます。

 質問集はさらに組織プロフィール7つのカテゴリーに分かれます。
 7つのカテゴリーは、6つのプロセスと1つの結果で構成されています。6つのプロセスのカテゴリーは、経営を6つの側面で見たものです。分かれてはいますが、それぞれは関連しています。(上図を参照ください。)

ボルドリッジの7つのカテゴリー
<プロセス>
1.リーダーシップ(Leadership)
2.戦略(Strategy)
3.顧客(Customers)
4.測定、分析、ナレッジマネジメント
    (Measurement, Analysis, and Knowledge Management)
5.働き手(Workforce)
6.オペレーション(Operations)

<結果>
7.結果(RESULTS)

 6つのプロセスのカテゴリーでは、それぞれの側面に分けて、それらをどのようにマネジメントし実行しているかを尋ねています。カテゴリーごとにそれぞれ2つの大きな質問があります。

1.リーダーシップ
 経営幹部:経営幹部は組織をどのようにリードしているか。
 ガバナンスと社会貢献:組織をどのように管理(統治)しているか。
            組織としてどのように社会貢献しているか。
2.戦略
 戦略の策定:戦略をどのように策定しているか。
 戦略の展開:戦略をどのように展開しているか。
3.顧客
 顧客の期待:顧客の声にどのように耳を傾け、顧客のニーズを満たす
       製品とサービスをどのように決定しているか。
 顧客エンゲージメント:顧客との関係をどのように構築し、満足度と
       エンゲージメントをどのように決定しているか。
4.測定、分析、ナレッジマネジメント
 組織のパフォーマンスの測定、分析、および改善:組織のパフォーマンス
       をどのように測定し、分析し、改善に結びつけているか。
 情報と知識の管理:情報と組織の知識資産をどのように管理しているか。
5.働き手
 働き手の環境:効果的で支援的な労働環境をどのように構築しているか。
 働き手エンゲージメント:定着率向上と高いパフォーマンスのために、
        どのように働き手のエンゲージメントを高めているか。
6.オペレーション
 業務プロセス:主要な製品・サービスと業務プロセスをどのように設計
        し、その運用を管理し、改善しているか。
 運用の有効性:運用を効果的に管理するためにどのようにしているか。

ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】の各カテゴリーから代表する質問を引用。アレンジは筆者)

 結果のカテゴリーでは、組織の成功にとって最も重要な結果を尋ねます。結果を5つに分けて質問しています。

7.結果
 製品・サービスとプロセスに関する結果
 顧客に関する結果
 働き手に関する結果
 リーダーシップとガバナンスに関する結果
 財務、市場、および戦略に関する結果

ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】の結果のカテゴリーから引用。アレンジは筆者)

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは、小問で数えて、組織プロフィールの13の質問、プロセスのカテゴリーの70の質問、結果のカテゴリーの18の質問、計101の質問で構成されています。

 その質問に答えていくことによって、自ら強みと改善のポイントを見出して、強みを活かして改善に取り組むことで、高いパフォーマンスを実現する組織を作っていきます。

(ここで「改善」は improvement の訳語で、悪いところを直す(kaizen)というよりは、より良くする(向上)の意味であることにご注意ください。)

★★★

 このノートでは、主にボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】をテキストに、これまでに核となる価値観と概念について見て来ました。それに続いて、質問集の101の質問を順に確認しています。

 「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府機関NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。

注記:
 タイトル図は Baldrige Excellence Framework 2019-2020, BPEP より引用。翻訳と黄色の囲みは筆者。
















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