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今日の組織が直面している重大な問題

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、パンデミックなど直近の社会の動向を踏まえて、2021-2022年版に改訂されました。

そこで特に焦点を当てたのは
・組織の回復力の必要性に対する組織の認識を高めたり強化したりすること
・多様性、公正さ、包括性のメリット
・組織の運用と管理のほぼすべての側面の継続的なデジタル化
です。

これらも含めて、ボルドリッジが、今日の組織が直面している重大な問題として挙げている項目が、2021-2022 Baldrige Excellence Framework(冊子)の前書きにまとめられているので、振り返っておきます。

イノベーション
ボルドリッジは、組織のイノベーションを最大化するように導きます。
そのため、リーダーに次のことを求めています。
・インテリジェントリスクを取ることおよびイノベーションに取り組むことを促進する
・イノベーションを戦略的計画に組み込む
・イノベーションの優先順位をつけ、イノベーションで使用する情報を共有する
・インテリジェントリスクを取る際に働き手をサポートする
・イノベーションの機会を追求するかどうかを管理し、経営資源を提供し、最終的に決定する

レジリエンス(回復力)
組織の回復力とは、混乱を予測し、準備し、回復し、混乱が発生したときに業務運用のあらゆる側面を保護および強化する能力です。
ボルドリッジのシステムアプローチは、組織、働き手、顧客、および利害関係者の変化するニーズを含む、組織全体を理解することを支援し、回復力の準備をします。

デジタル経済と第4次産業革命
デジタル化とデータ分析の使用、モノのインターネット、人工知能、クラウドオペレーション、大規模なデータセット対応のビジネスとプロセスのモデル化、強化された自動化、およびその他の「スマート」テクノロジーが急速に加速しています。
ボルドリッジは、
・リーダーが技術革新の必要性をどのように考慮しているか
・戦略的計画が新しい技術をどのように考慮しているか
・テクノロジーの変化に対応するために働き手をどのように準備するか
・新しいテクノロジーをどのように組織に組み込むか
を尋ねます。
ボルドリッジはまた、
・破壊的技術が発生した場合の俊敏性の必要性
・顧客プロセスでのデジタルおよびWebベースの技術の使用
・パフォーマンス分析と知識管理でのデジタルデータ分析と人工知能の使用
を重視しています。

サイバーセキュリティ
あらゆる種類の企業や組織にとって、データ、情報、運用システムやその他のシステムに対するサイバーリスクの管理と削減が必要になっています。
ボルドリッジには、重要なインフラストラクチャのサイバーセキュリティを改善するためのNISTのサイバーセキュリティフレームワークの原則が組み込まれています。

社会的責任とグローバルな持続可能性
企業の社会的責任の概念が受け入れられるようになると、パフォーマンスの高い組織は、社会への貢献を自分たちがしなければならないこと以上のものと見なします。それは、顧客エンゲージメントと働き手エンゲージメントのドライバーであり、市場の差別化要因になる可能性があります。
ボルドリッジは、環境保護への貢献、組織周辺の社会的および経済的システムの支援、主要なコミュニティのサポートと強化など、戦略と運用に社会的利益を組み込むことに焦点を当てることにより、社会的責任とグローバルな持続可能性を促進します。

多様性、公平性、包括性
成功する組織は、人々の多様な背景と特性、知識、スキル、創造性、および動機付けを活用し、すべての人々の公平性と包括性を促進します。
その結果、働き手のエンゲージメントが向上するだけでなく、顧客のエンゲージメント、ロイヤルティ、ブランドイメージも向上します。

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、このほか、
ビジネスエコシステムの活用
企業リスクの管理
急速な変化の時代における成功の管理
優秀な働き手の雇用と維持

などを重要な問題として取り組んでいます。

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 ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。



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