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実践 強靭な組織構築の法

 予約していた新刊書が届きました。米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞をベースに日本で創設された日本経営品質賞の審査活動に長く携わっておられる、経営コンサルタントの末松清一氏の本です。

日本経営品質賞受賞企業に学ぶ 実践 強靭な組織構築の法
(末松清一著、2021年7月、同友館)

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 強靭な組織とは、「経営環境の変化、市場や顧客の変化、競争環境の変化、社内の組織構造の変化などに、しなやかで粘り強く対応し、乗り越えていく組織」と定義されています。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークで、2021-2022年版から重要として着目した「レジリエンス」に非常に近い概念と思います。

 この本では、この強靭な組織に求められる要件と、強靭な組織を構築するための方法を提示しています。

 強靭な組織の説明の前に、いまの日本の多くの企業が抱える苦悩、アフターコロナに対応できない組織が抱える問題点を挙げています。そしてそれを乗り越えるために、目指すべき「強靭な組織」の姿を提示しています。

 強靭な組織の作り方の中心となるのが経営トップをリーダーとする経営品質向上プロジェクトです。著者がこれまでに企業の経営革新活動の支援で活用してきた方法であり、プロジェクトの組み方、構成や、進め方を、具体的なイメージで紹介しています。プロジェクト成功のコツもまとめられています。
 その中には、強靭な組織を作るうえで有効なツール・ノウハウも整理して、提示されています。

 ボルドリッジも日本経営品質賞も、具体的な手法やツールは特定せず、組織が組織にあった方法やツールを採用して進めることとしていますが、ここでは、日本経営品質賞受賞組織が実際に活用して有効であったものが一覧されており、実施にプロジェクトを進める際のヒントになります。
 ボルドリッジ・プログラムを進めるにあたっても、参考になります。

 本書の後半は、日本経営品質賞受賞組織の紹介です。公開情報からそれぞれの組織の特徴と強みの紹介に加え、著者の視点で見たコメントもあり、強靭な組織の具体的な実例を見ることができます。

 まだすべてを読み込んだわけではありません。これからボルドリッジをベースとした組織の継続的改善・イノベーションに取り組んでいく際に、参考にしていきたい一冊です。このノートでも、度々参照して紹介していくことになるでしょう。著者・末松清一氏に感謝です。

 

 

 

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