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PDCAとPDSA

PDCA、すなわち、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4つのフェーズを繰り返すことで業務を継続的に改善する手法は、デミング・サイクルとも呼ばれています。品質管理・改善の手法のひとつとしてデミング博士によって紹介されたこの手法は、現在では、プロジェクト管理なども含めた管理の手法として幅広く使われています。

これは、1920年代の統計学の専門家シューハート博士が導入したPDSサイクルを拡張修正したものとされています。それは、次のの3つのフェーズの繰り返しです。
  Plan計画)→Do実行)→See振り返り

PDCAは平面的な図に描かれることが多いですが、A(改善)の次はまたP(計画)に戻るということではなく、A(改善)の成果を踏まえて次により高い次元のP(計画)から始まる、らせん階段のような上昇するイメージで理解するとよいでしょう。こちらは、ジュラン・スパイラルと呼ばれることもあります。

後年、デミング博士は、実行の単なる評価(C)でなく学習(Study、S)が必要として、PDSAサイクルを提唱しています。
  Plan(計画)→ Do(実行)→ Study(学習)→ Act(改善)

しかし、PDCAサイクルでもPDSAサイクルでも、その繰り返しでスパイラルアップはしますが、画期的な成果、イノベーションに至ることはできません。それは別の次元のサイクルを検討する必要があります。

これについては、先日開かれた経済産業マネジメントスクール第1講座で、講師の高梨智弘氏から、PDCAサイクルを包含する新たなマネジメントサイクル、SPDLIサイクルの紹介がありました。

  Strategy(戦略)→Plan(計画)→Do(実行)
          →Learning(学習)→Innovation(革新)

PDSは業務レベルのサイクル
PDCAは管理レベルのサイクル
SPDLI は経営レベルのサイクル
とい位置づけです。

高梨講師からは、図も自由に使ってよいとの話があり、本稿に掲載させていただきました。

図は、ボルドリッジの継続的改善とイノベーションの関係を表しているようにも見えます。

イノベーションと漸進的継続的改善は異なる概念ですが、どちらか一方でよいというわけではありません。成功する組織は、両方のアプローチを使用してパフォーマンスを改善します。
(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークより引用。翻訳筆者)


追記
経済作業ビジネススクール ’時代’セミナー「二水会」は、2020年9月から、毎月第二水曜日午前にリアル&オンラインで開催されています。
興味のある方は、主催の特定非営利活動法人 内部統制評価機構のホームページ(https://www.icao.or.jp/)をご確認ください。
(下方、お知らせ欄に紹介があります。)

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