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リーダーのコミュニケーション

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問から、経営幹部のリーダーシップについて見ていきます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、「1.1経営幹部」(p7)で、経営幹部がどのように組織を導いているかについて、質問します。

3番目の質問(3)も見ておきます。
(3)経営幹部は、すべての働き手、主要なパートナー、および主要な顧客とどのようにコミュニケーションをとり、関わりを深めていますか?

 「働き手」は、社員や従業員、あるいは職員と読み替えても問題ありません。ボルドリッジでは「働き手」は、ボランティアも含め、組織によって積極的に監督され、組織の業務遂行に関与する全ての人々を指し、広い意味をもつので、一般的な言葉とは別の言葉を当てています。
 主要なパートナーや主要な顧客は、先に「組織プロフィール」の質問で確認しています。
 その、すべての働き手、主要なパートナー、主要な顧客とどのようにコミュニケーションをとっているか、また、どのように彼らと関わりを深めているか(engage)、その方法を尋ねています。
 業務の遂行をボランティアに大きく依存している組織は、ボランティアの働き手とコミュニケーションを取り、関わりを深めるための取り組みも含みます。

 コミュニケーションでは、フランクな双方向のコミュニケーションが求められます。これによって、組織の変革に関する主要な決定やその必要性を伝え理解されるようにします。
 現在では、双方向のコミュニケーションには、組織内部向けあるいは外部公開のWebサイト、ツイート、ブログ、顧客と従業員の電子フォーラムを介した定期的なメッセージの配信など、ソーシャルメディアの使用も有効な手段となっています。

 関わりを深める(engage)は、それによってエンゲージメントを高めることです。エンゲージメントは、ボルドリッジでは、相手の投資や献身(investment in or commitment to)と定義しています。
 エンゲージメントは相手にあるものでこちら(組織あるいは経営幹部、管理者)からコントロールできませんが、働き手、パートナー、顧客のいずれにも、組織のミッション、ビジョン、価値観に共感してもらうことが大前提となります。また、ボルドリッジの「核となる価値観と概念」の一つ「人を大切にする(Valuing people)」も重要な要因となります。組織のミッション、ビジョン、価値観を伝え、共感を増すこと、人を大切にすることは、リーダーとして取り組めることです。

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 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー(Baldrige Excellence Builder)は日本語で読むことができます。「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


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