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【個人事業主向け】持続化給付金をもらうための具体的な準備について【最終更新日:4月25日】

(最終更新日:4月25日 内容をスクショで共有するのは控えて下さい。今後情報が追加・変更され、それに応じてnoteも上書きして更新していく予定だからです。もし共有してくださる際にはリンクでお願いします。)

Gパンパンダ星野です。税理士と公認会計士の資格を持っているお笑い芸人です。
世間がオンライン飲み会に興じている中、芸人仲間から毎日給付金に関する質問の電話が来るので、オンライン税務相談に興じています。特に、持続化給付金をもらうために具体的な申請の準備について、もうちょっと詳しく知りたいという方が多いですね。

持続化給付金っていうのは、個人事業主上限100万円、法人は上限200万円、といわれている給付金です。自分は該当するのかどうか、もらえる額の計算はどうなるかなどはこちらでまとめましたので、ご確認ください。

4月17日の首相の会見からすると、補正予算案は早くても4月29日の週の成立になりそうなので、申請受付開始は早くても5月に入ってからになりそうですね。ですがそれまでに出来る申請の準備をしておきたい、という方もいると思います。

現時点で公表されている「申請に必要な情報」は以下の通り。
(経済産業省 持続化給付金に関するお知らせ2ページ目抜粋)

持続化給付金の手続き2ページ目抜粋3

ふむふむ。普段からしっかり確定申告と帳簿付けをしていれば余裕ですね……と言いたいところですが、余裕じゃない方もいますよね。

法人にとってはほぼ負担無いのですが、個人事業主の中には、正直なところ確定申告とか帳簿とかよくわかんないという方もいるでしょう。(若手芸人のほとんどがそうです。)

そこで今回は個人事業主向けに、【2019年の確定申告書類の控え】と、【減収月の事業収入額を示した帳簿等】の準備について、ちょっと詳しくお伝えします。

【2019年の確定申告書類の控えの準備について】


1-1.確定申告書類の「控え」とは?

2019年の確定申告書類の「控え」を準備するようにと言われていますね。
確定申告書(及び青色申告決算書・収支内訳書等の提出書類)には、【提出用】と【控え用】があります。

確定申告を済ませるだけなら、【提出用】だけ書いて出せばいいんですけど、【提出用】は提出した後税務署側で保管されるので、自分の手元に戻ってこないんですね。

つまり、自分が収入いくら、所得いくら、所得税額いくらで申告していたのかは、一旦提出した後はパッと確認できなくなってしまう。そこで、【提出用】と同じ内容を書いて、自分の手元に保管しておくために【控え用】があるのです。宅配便の紙とかと同じイメージですね。

そして【控え用】にも、税務署側の「見たよー」っていうハンコ(収受印)を押してもらう必要がありますので、ハンコのもらい方書いておきますね↓

① 税務署に直接書類を持っていって提出する、という場合には、提出用・控え用ともに持って行って、窓口で両方に収受印を押してもらうようにしてください。そして、控え用だけ返されると思うので、それを捨てずに保管しておく。
② 郵送で提出する場合には、提出用・控え用共に封筒に入れるのですが、自宅に返送してもらうために、あて先と氏名を書いた返信用封筒も同封して送ります(切手もお忘れなく)。収受印が押された控え用が自宅に返送されるはずです。
③ e-Taxで提出する場合には、そもそも【控え用】が存在しません。しかしe-Taxソフトのメッセージボックスの受信通知から、申告したデータを確認できます。これが「控え」のかわりになります。
https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/yokuaru01/13.htm

1-2.まだ2019年の確定申告書類をしていない方へ

「2019年の確定申告」は、一番最近の確定申告ですね。2019年1月1日~12月31日の分の所得の申告をするものです。
(ごめん確定申告やってなかった…逮捕される?)と思った方もいるかもしれません。
今からでも大丈夫ですよ。あなたはまだ、日の当たる世界で暮らせます。

2019年分の確定申告は元々2020年3月15日が締め切りだったんですけど、コロナの影響を受けて一旦2020年4月16日まで期限が延びまして。さらになんと、4月6日の発表で、「4月16日を過ぎても柔軟に確定申告を受け付ける」という超異例中の異例の措置が取られています。https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-021_01.pdf

つまり、 (みんなコロナのせいでいろいろ大変だから、確定申告は遅れても許します)と国税庁が言ってくれているので、今からでもありがたく確定申告をしましょう。
確定申告のやり方がわからないよって人は、星野がこちらに書きまくってますので参考にしてください。そして、控えをなくさないようにしてくださいね。

1-3.2019年の確定申告をしたけど、控えはもらってない(もしくはなくした)という方へ

確定申告したのに控え持ってない…という方も、結論的には、そんなに心配いらないはずです。【控え用】は保管が義務付けられていた書類じゃないですから、確定申告の控えを持って無いから給付金あげない!ということはないと思います。
(安心材料としてお伝えすると、行政文書開示請求書を使って確定申告書の控えを再発行してもらうこともできますし、市区町村の役所で課税証明書を発行すれば過去の確定申告の状況を証明することもできます。)

経済産業省の人達も当然その点把握していると思うので、現状は「確定申告書類の控えを準備して」と言ってますが、今後もっとこの手続きを簡単にする方向でまとめるのでは?と思っています。なので今手元に控えが無くとも焦らず、正式な発表を待ちましょう。

【減収月の事業収入額を示した帳簿等について】

2-1.「帳簿」とは?

続いて「帳簿」です。
実際のところ「帳簿」と言われてもピンとこない方が多いでしょう。「ちょうぼ」と読みます。税理士的には、この帳簿管理について厳しく言うべきところなのですが、一旦それは後回しにして…
今回の持続化給付金をもらうにあたっては、今のところ「※帳簿の形式は問いません。」と注書きされています。そこで、 (帳簿って言う名前が嫌!難しいし!とにかく何を準備したらいいんだ…)という方は、

お小遣い帳みたいな感じで、
・取引日付・売上金額・相手先名・摘要(どんな内容の取引だったか、後で見たら思い返せるようにするメモ書き)を1つ1つ書いて、Excelなり紙なりに、まとめておきましょう。

もしかすると、追加でフォーマットが提示されたり、こんな書き方して下さいと言われたりするかもしれませんが、上記の情報さえ先にまとまっていれば、それを書き変えるだけで済むはずです。

【4月25日追記】帳簿は手書きでもOKというニュースが出始めていますね。公式な発表はまだですが、やはりだいぶ個人事業主の方にも優しい配慮がありそうです。上記のお小遣い帳を作っておいてください。正式な発表は近日中に出る見込みです。

2-2.「減収月の事業収入額を示す」帳簿等とは

2-1を踏まえたうえで改めて確認すると、国が準備するように言っているのは、「減収月の事業収入額を示した」帳簿等です。
「減収月の」というのは、以下の計算式にあてはめると、売上が去年の同月比50%以下になっている月(中でも一番売上が小さい月)ですね。

<計算式>
(前年の総売上[事業収入]) - (前年同月比50%を下回った月の売上×12か月) の金額を補てんする。
その上限が、個人事業者等なら100万円/法人なら200万円。

この月の取引に関して、「事業収入額を示した」帳簿等を準備するよう言われています。とりあえず経費の話とか、預金とかの話とかは置いておいて、売上の記録をまとめておいてください

ここで、例えば芸人の場合、「事業収入額」とはお笑い芸人としての仕事の売上のみを指します。バイト代での収入は、関係ありません。事業収入額の帳簿には、個人事業主としての仕事の部分のみ書いてください。

持続化給付金は、「自分でビジネスやってる人が、そのビジネスを続けられるようにするためのお金」です。なので、バイトの収入とごっちゃ混ぜにしないようにしてくださいね。

※帳簿管理について厳しく言うと…
あくまで、持続化給付金をもらうためにという話でここまで書きましたが、個人事業主も確定申告するのと共に、帳簿の保存が義務付けられています(これは売上の取引に限りません。また年間通して、です)。しっかりした帳簿のつけ方については、こちらをご覧ください。
『帳簿の記帳のしかた -事業所得者用-』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou03.pdf

3.まとめ

① 2019年の確定申告書類の控えについて
・確定申告してない人は、今からでも出来るのでやる。そして控えをもらって保管する。
・確定申告したけど控えをもらってない・なくしたという人は、焦る必要はないと思う。
 控え以外でも確定申告の状況を確認する方法はあるし、国もきっとその辺考慮して続報を出してくれるはずなので落ち着いて待ちましょう。

② 減収月の事業収入額を示した帳簿等について
帳簿として最低限、
・取引日付
・売上金額
・相手先名だったか、後で見たら思い返せるようにするメモ書き)
を取引ごとに記録する。お小遣い帳感覚でExcelなり紙なりに、まとめておきましょう。あくまで、「事業収入額」のみで大丈夫。経費の話とかは抜きにして売上について書く。

以上です。日々無償でnoteを書いてます。給付金もらってない中、投げ銭サポートして下さいとは勿論言わないので、ぜひお笑い活動を応援してほしいなあ…。ライブもなく、家から外出できない状況なので、インスタライブのコントを作って、相方とリモートで披露しました。ぜひ見てください!面白かったらシェアしてくださいね!https://www.youtube.com/watch?v=3Tp5_k6tWno

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僕、「海外の反応」みたいな顔してました。

投げ銭も事業所得に計上する所存です