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障がい者に対する差別・偏見に関する調査


こんにちは。ゼネラルパートナーズです。

今回は、「障がい者に対する差別・偏見に関する調査」をお届けします。


2016年4月1日に障害者差別解消法が施行され、障がい者への差別の禁止や、合理的配慮の提供が求められるようになりました。しかし、施行後に相模原障害者施設殺傷事件(以下、相模原事件)が生じていることからも、差別・偏見の解消や合理的配慮の普及に関しては、まだ多くの時間を要するといえます。

本調査では、障がい者が受けた差別や偏見の状況を明らかにし、障害者差別解消法の効果を検証すると同時に、相模原事件に対する障害者の意識についても調査しました。


対象者:障がい者総合研究所アンケートモニター
実施方法:インターネット調査
アンケート期間:2017/8/4~2017/8/10(有効回答者数:326名)


日常生活において、差別や偏見を受けたと感じる場面があるかお聞きしました。その結果、「頻繁に差別や偏見を受けたと感じている」、「ときどき差別や偏見を受けたと感じている」と回答した人は59%となりました。また、障がい別での差は、ほとんど見られませんでした。


【質問1】あなたは日常生活において、差別や偏見を受けたと感じる場面がありますか。

偏見1



<障がい別>

偏見2

※今回は回答数の多い身体障がい者と精神障がい者で比較を行いました。


日常生活において、差別や偏見を受けたと感じる場面があるかお聞きしました。その結果、「頻繁に差別や偏見を受けたと感じている」、「ときどき差別や偏見を受けたと感じている」と回答した人は59%となりました。また、障がい別での差は、ほとんど見られませんでした。


【質問2】あなたはどのような場所で差別・偏見を受けたと感じた経験がありますか。 (複数選択可)

偏見3


障がいのある方がどのような場所で差別や偏見を受けたと感じた経験があるか質問しました。その結果、最も多かったのは「職場」で半数を超える56%、次に「公共交通機関」で30%となりました。


■差別や偏見を受けたと感じた具体的内容について
<職場>
■LDを理解してもらえず、職場で帰れとか、死ねと言われた。(40代/女性/精神障がい)
■ケアレスミスが多いこと等が理由で、事務所での扱いが雑になり、最終的には解雇された。(20代/女性/精神障がい)

■以前の直属の上司から精神疾患を公開して雇用されているにも関わらず機嫌の悪い時に嫌味や契約更新時にも暴言モラハラを受けた。(60代以上/女性/精神障がい)

<公共交通機関>
■精神障碍者はJRの運賃割引がない。他の鉄道会社も同様。(50代/女性/精神障がい)

■電車で着座した時に、身体の悪い人は優先席に座れば良いのにと言われた。しかし視力障がいでどこが優先席かも判らず、大変悲しい思いをしました。(50代/男性/身体障がい)

■見た目では健康に見えるので、多目的トイレや優先座席を使うときに、変な目で見られたり、実際に「健康な人がここを使うな!!」と言われたことが何度もある。心の傷になり、それ以来毎回気になってしまう。(30代/女性/精神障がい)


【質問3】実際に差別や偏見を受けたと感じた際の相談先

偏見4


実際に差別や偏見を受けたと感じた際の相談先を聞きました。その結果、47%と約半数が「誰にも相談していない」ことがわかりました。相談先としては「家族・友人」が30%、「専門機関」が23%となりました。

■その他
・障がい者のサークル(40代/男性/精神障がい)
・本人に伝える(30代/男性/精神障がい)


障害者差別解消法(障がいを理由とする差別の解消の推進に関する法律)とは?

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2016年4月に施行された法律であり、国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者が、障がい者に対して正当な理由なく、障がいを理由として差別することを禁止したものです。また、この法律では、役所や事業者に対して、障がい者から社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること(事業者の場合は対応に努めること)が求められています。なお、「障害者差別解消法」は雇用以外に関するものを対象としており、雇用に関するものについては、同時期に施行された「改正障害者雇用促進法」にて規定されています。

【質問4】あなたは障害者差別解消法を知っていますか。

偏見5


障害者差別解消法の社会への浸透について、聞いたところ、92%が「浸透していない」と回答しました。また、障害者差別解消法について、「知っていて、内容も理解している」と回答した人は29%、「知っているが、内容までは理解していない」と回答した人が35%という結果になりました。このことから、障害者差別解消法を「知っている」人は6割を超えるものの、実際に内容まで理解している人は知っている人の中の半数に満たないことがわかりました。


【質問5】あなたは障害者差別解消法が社会に浸透していると考えていますか。

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障害者差別解消法の施行以降の変化について聞いたところ、差別や偏見については、施行以降も「改善していない」と回答した人が89%となりました。また、合理的配慮の受けやすさに関しても「受けやすくなったとは思わない」と回答した人が84%となりました。


【質問6】昨年の障害者差別解消法の施行(2016年4月1日)以降、あなたに対する差別や偏見は改善したと思いますか。

偏見7


【質問7】昨年の障害者差別解消法の施行(2016年4月1日)以降、合理的配慮を受けやすくなったと思いますか。

偏見8

相模原事件の関心の度合いについて質問しました。相模原事件は「とても関心をもってみていた」、「まあまあ関心をもってみていた」と回答した人の合計は86%に達し、障がい別の比較でも、ほとんど差はみられませんでした。また、最後に差別や偏見のない社会を実現するために、どのようなことが必要ですかという問いに対しても多くの方から回答をいただきました


【質問8】あなたは相模原事件をどのようにみていましたか。

偏見9

<障がい別>

偏見10

※今回は回答数の多い身体障がい者と精神障がい者で比較を行いました。

■「障がい者は必要ない」という容疑者の言葉に、匿名のネットユーザーの人たちが賛同していて胸が苦しく辛かった。 婚約者や友人、支援者のように温かい目で見守ってくれる人たちが、私たちにはまだまだ少ない気がして、悲しい気持ちでいっぱいになった(20代/女性/精神障がい)

■犯人の間違ったメッセージが垂れ流しのように報道され、それに感化される人が出るのが不安だった(50代/女性/精神障がい)

■同じ障がい者として許せない事件だと思いました。もしかしたら自分が、と思うだけでゾッとします(50代/女性/身体障がい)
あなたは差別や偏見のない社会を実現するために、どのようなことが必要だと思いますか。

■まったくわからなく、ただ、困っている時に少しでも助けてくれるような気持ちを持てる社会になれば(40代/女性/身体障がい)

■差別・偏見は絶対に無くならない。子供の頃から、障碍者と健常者が混ざって同じ生活をする。「こんな人・あんな人も居る」と大人が教えないと、子供の頃から偏見を持つと思う。(40代/女性/身体障がい)

■差別される側も、黙ってないで、声を上げるべきだと思います。(50代/女性/身体障がい)


まとめ



 日常生活において、「差別や偏見を受けた」と感じている人は59%
※障がいの区分に関しては11ページ以降の回答者属性をご参照ください。


差別・偏見を受けたと感じる場所で最も多いのは「職場」で56%


差別や偏見を受けたと感じた場合でも47%は「誰にも相談していない」
相談している人の相談先は、「家族・友人」が30%、「専門機関」が23%


障害者差別解消法が社会に「浸透していない」という回答が92%


 障害者差別解消法の施行以降も、差別・偏見が「改善していない」という回答が89%
施行以降も、合理的配慮を「受けやすくなったとは思わない」という回答が84%


相模原事件について、「関心をもってみていた」という方が86%


※調査の概要はプレスリリースをダウンロードし、ご覧ください。





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