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障がい者の結婚に関する意識調査


こんにちは。ゼネラルパートナーズです。

今回は、「障がい者の結婚に関する意識調査」のレポートをお届けします。


内閣府の発行している「平成25年度 障害者白書」によると、配偶者がいない割合(未婚率)は、身体障がい者が約35%、精神障がい者が約64%、知的障がい者が約97%と健常者の約26%と比較して突出して高い割合になっています。

世の中には結婚に関する調査は数多く存在していますが、障がい者に焦点を当てた調査はこれまでほとんど実施されてきませんでした。

本調査は、障がい者の結婚の実態やその意識について明らかにするために実施しました。


対象者:障がい者総合研究所アンケートモニター
実施方法:インターネット調査
アンケート期間:2017/6/9~2017/6/14(有効回答者数:478名)


健常者と障がい別の配偶者の有無

結婚1

※内閣府『平成 25 年度 障害者白書』、統計局『平成 27 年 国勢調査』を元に作成


【質問1】現在、ご結婚されていますか。

結婚2

結婚3


結婚の有無について聞いたところ、未婚者は74%となり、既婚者は26%に留まりました。

また、身体障がい者と精神障がい者で未婚の割合を比較したところ、精神障がい者は81%、身体障がい者は67%と精神障がい者は未婚の割合が身体障がい者に比べ、約1.2倍高い結果となりました。


【質問2】ご自身の一生を通じて考えた場合、あなたの結婚に対するお考えは次のうち、どちらに該当していますか。

結婚5


次に、未婚者に結婚願望の有無について質問しました。その結果、66%が「いずれ結婚するつもり」と回答し、34%は「一生結婚するつもりはない」と回答しました。

身体障がいと精神障がいで結婚願望の有無について比較を行いましたが、差は1%以内で障がいによる違いはみられませんでした。


【質問3】ご結婚を決断、または結婚生活を送る上で、あなたの障がいは何らかの支障になりましたか?もしくはなると思いますか?

<既婚者>

結婚6

結婚


<未婚者>

結婚7

結婚8


身体障がい
■聴覚障がいのためコミュニケーションが健常者と比べて劣る。聞き返すことが相手にとって苦痛になるのではないか(20代/男性)

■行動が制限されるため、私ではなく健常者の方とお付き合いしたほうが、相手の幸せになるのではないかと考え込んでしまう(30代/男性)

■子供を産めない(30 代/女性)
精神障がい
■空気が読めない。身なりを気にしないなどを容認してくれないと続けられないと思う(30 代/女性)

■発達障がいなので相手に理解されない。遺伝のことなども考えると相手や子孫にこの障がいを押し付けることが良いとは思えない(40 代/男性)

■自分は発達障がいでコミュニケーションに問題があり、知らず知らずのうちに相手を傷つける場合がある(30 代/男性)


結婚を決断、または結婚生活を送る上で、自身の障がいが支障になるか既婚者、未婚者に質問しました。

既婚者で「支障になった(なっている)」と回答した人は25%であったのに対して、未婚者では71%が「支障になる」と回答し、未婚者は既婚者に比べて約3倍多いことが分かりました。

また、障がい別で比較すると、既婚者、未婚者ともに精神障がい者が、「障がいが支障になる」と考えている割合が高いことが明らかになりました。


【質問4】ご結婚する際に障がい以外の点でハードルになると思うことは、ありましたか。


<既婚者>

結婚9

結婚11

<未婚者>

結婚10

結婚12


結婚する際に障がい以外でハードルとなることは、既婚者では、「職業や仕事上の問題」、「特にハードルがない」、「健康上のこと」が上位だったのに対して、未婚者では、「結婚資金」、「職業や仕事上の問題」、「健康上のこと」が上位となりました。

また、この結果は身体障がい者に比べて精神障がい者のほうがより顕著に現れました


【質問5】の恋愛と結婚に対するお考えは、次のうちどれですか。

結婚13

■恋愛は自立していなくてもできるし責任を伴わない。結婚は自立していくことが必要で、相手に対して責任が伴う(男性/30 代/身体障がい)

■恋愛はただ好きだけで何とかなる。結婚には生活すべてに責任がある(男性/40 代/身体障がい)

■恋愛はその時だけ楽しかったら良いという感覚。結婚は高齢になってからも付き合うので、ある程度責任が必要。障がい者に対してそこまで責任を持ってくれる人は中々いないと思う(女性/40 代/身体障がい)


恋愛と結婚の違いについては、「恋愛と結婚は違うと思う」と回答した方が約6割となりました。

この傾向は障がい別で比較しても1%以内の範囲内であり、障がいによる違いは見られませんでした。

「恋愛と結婚は違う」と考える主な理由としては、恋愛は感情的なものに対して、結婚は責任や障がいに対する理解が必要であるということが挙げられました。


まとめ


 結婚の有無に関して、未婚の割合は7割を上回り、障がい別の未婚者は精神障がい者が身体障がい者に比べ約1.2倍高い結果となった。
※障がい区分に関しては8ページ以降の回答者属性をご参照ください。


 結婚願望の有無については、66%が「いずれ結婚するつもり」と回答し、障がいによる違いはみられなかった。


 結婚を決断、もしくは結婚生活を営む上で、「障がいが支障になる」と考える未婚者は既婚者に比べ約3倍多く、既婚、未婚ともに精神障がい者が「障がいが支障になる」と考えている割合が高かった。


 障がい以外で結婚する際の障壁となることは、既婚者では「職業や仕事上の問題」、未婚者では「結婚資金」が高い割合となり、精神障がい者がその傾向は顕著であった。


 恋愛と結婚は「違う」と回答した人は約6割であった。理由として、恋愛は感情的なものに対して、結婚は責任や障がいに対する理解が必要であるという意見がみられた。


※調査の概要は、プレスリリースをダウンロードし、ご覧ください。



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