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お酒も木も生きもの。変化し続けるもの。

蔵元のある真庭市は古くから「木材のまち」として知られています。大小さまざまな製材所が点在し、現在はCLTなどバイオマスのまちとしても有名になってきた。

御前酒最高峰の酒「特等雄町2.2」を入れる木箱は、何としても地元の木材で、ふさわしい箱をゼロから作り上げたい。

そんな想いから、真庭市役所林業・バイオマス産業課の力をお借りして1年以上かけてオリジナルの什器を制作した。その名も

「総檜八角酒筒(そうひのきはっかくささづつ)」

手掛けるのは同じ真庭市の「木工房もものたね」の元井氏。

ゼロからの制作になるため、デザイナーのpivotoさん、地元の製材所、木工職人、色んな方々の力を借りてようやく制作にこぎつけた。

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通常は建築の柱などに使われる、一切「節(ふし)」の無い、「無節(むぶし)」の檜材を贅沢に使用し、八角形に加工。中をくり抜き筒状に仕上げた。

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2020年7月上旬元井さんの工房を訪ねると、家具職人であるご両親とともに出迎えて下さった。ご両親の手で建てられた木のぬくもりあふれるご自宅で、これまたご両親の手で作られたイスとテーブルを囲んでお話を聞くうちに、お酒とも共通する点の多い木の魅力にどんどん引き込まれていった。

原料の木の種類によって、加工の仕方や処理の仕方を変えている点。

完成した後も、湿度など置き場所によりどんどんと形を変えていく点。

既製品の多い世の中で、出荷された後も熟成したり、形を変えるのはお酒や木が生きているから。そんな当たり前の事も忘れがちな昨今、このお酒をこの木筒に入れて届けることができる意義を改めて感じることができた。

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弊社社長の同級生でもある元井さんとは、もう一つの夢がある。真庭産の木材で樽を制作し、その樽に御前酒を詰めること。ひいては木桶を制作して、それでお酒の仕込みをすること。

お酒を通して、地元の文化を醸す。ただお酒を造るだけはない、地元の文化をも醸成させる、蔵元の使命だと思っている。

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