キャロットケーキのあの子

今まで見てきた髪型で1番似合ってるよと
久しぶりに会ったあの子が沢山褒めてくれた記録

前にいた環境で唯一仲良くなった同い年のあの子

話しかけてくれた時の喜びは昨日のことのように思い出せる
もうこの環境にいる限り、まとめて1日5分程度しかコミュニケーションがないのだろうと孤独を感じ始めた頃の事
同じフロアのすれ違う程度だった可愛い栗色の髪色がよく似合うあの子が突然、おいくつですか?と話しかけてくれた

同じ立場同じ空間にいたけれど少し離れた場所にいたからタイミングが合えば一緒に帰るようになった
同じ境遇が多くてあの居心地の悪い感覚やもどかしさをお互いに分かち合える存在になった

“仕事中は私の業務内容的に全然人と話さないからこの時間がすごく嬉しい”
と帰り道に言ってもらえたことがあって思わず目頭が熱くなった日があった

離れるまでの経緯、最終日に私がやったこと、今の環境になるまでの経緯を全部話した

“私は衣ちゃんのそういうところが好きなんだよね”
と繰り返してくれた

その言葉に私は驚いてしまった
私にとってはなんてことのない行動が見る人によっては刺激になるなんて思ってもいなかった
加えてそれを好きだといってくれるなんて嬉しくて仕方ない
自己肯定感が低すぎるあまりまだまだと思っていること足りないと思っていることが、誰かの心を動かすようなことだなんて信じられない
滅多にない褒め言葉に対してその場で喜び方が下手で直した方が良いことは自覚している
来年は喜怒哀楽の表現を幅広く豊かに過ごしたい

嬉しいことは嬉しい、凄いと思ったことは褒める、腹痛も我慢せずに痛いと彼女ははっきり言う
私の今の日々によかったねとおめでとうと喜んでくれてちゃんと言葉にしてくれた
違うものは違うと誤解を招くことなく否定していた
皆が出来ることではない不得意な人も多いだろう
そんな素直な彼女が好きだし、私も素直でいていいんだなと前向きで肯定的な気持ちになってくる

伝え方が上手くない代わりに人より多く言葉を発していくことで、いろんなものを補ってきた
それでもまだ足りないし失敗もする
寧ろ後者ばかりだ
知らない言葉も感情も沢山ある
これから出会っていく言葉や感情は想像を遥かに超えていくのだろう
テレパシーが使えたら早いけど、現状そんな力を持ち合わせずに生まれてきてしまった
でもこの先ずっと言葉と向き合って自分と向き合って表現を怠ることをしたくない
言葉をもっと巧みに、時に凛々しく豊かに表現したいから、文章を読んで音楽を聴いてクリエイティブなことに触れて、こうして文字という形に残している

それがその一つ一つが意味を持って
いずれ私の証になっていくのだと思う

認められなくていい
私を知ってもらえた先に待つ、その先の事を沢山受け入れたい

今、私の周りには優しくて尊敬できる人たちがいる
どんな些細な会話でも私を巻き込んで楽しいや凄いを共有してくれる
毎日そんな一瞬一瞬から得るものが沢山ある
そしてこうしてご褒美になる言葉をかけてくれる友人がいて有り難さを実感する
また目頭が熱くなってきたな
毎日の時間が足りないと思う事、いつぶりだったっけ

キャロットケーキを美味しいと優しい笑顔で呟きながら食べるあの子の姿
優しさのある心強い言葉たち
忘れたくない日の記録

泣きたくなるほど嬉しい日々は今だよね

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