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スイスで妊娠出産準備リスト(バーゼル編)

数年前,日本人がスイスで妊娠・出産するときの,意外とやることの多いto doリストと役立ち情報をまとめていただき,私たちで何度か更新してきました.大使館への手続きなどはスイス全国共通ですが,生活情報などはバーゼルのものが中心です.お役に立てればと思い共有します.もし更新すべき情報があれば,ご連絡いただけるとありがたいです.

妊娠がわかったら

1. かかりつけの産婦人科医(Frauenarzt/ Gynäkologie)を決めて電話

以下の4択になります

①産婦人科医に通い、出産を病院または助産院で行う

②出産予定の病院の産婦人科に通う

③検診も出産も助産院に通う

④自宅出産

①は、妊娠中の状態をひとりの先生に一貫して見守ってもらえるため、信頼関係が築ければそれだけ安心感が増し、何かと相談もしやすいことがメリットですが、出産時にその先生が立ち会うことはほとんどありません(Bethesda Spitalと提携している一部の開業医を除く、または加入している保険がHalbprivatまたはPrivatの場合バーゼル大学病院でも同じ先生に立ち会ってもらえる)。

②③の場合、妊娠中の検診に度々通うことで、出産本番の舞台となる病院の施設や雰囲気に慣れることができるというメリットがある一方、

②の場合、大きな病院ですと待ち時間が長く、いつも同じ医師に診察してもらえるとは限らない(シフトがあり研修医もいるので指名できない。ただし加入している保険による)ことを不安に感じる方もいるようです。設備は最新。

③の場合、超音波検査などの助産師が行えない検査は助産院と提携している産婦人科へ通います。検診時と同じ助産師に赤ちゃんを取り出してもらえるので信頼感、安心感があります。

④は助産師が自宅まで来てくれるか助産院に検診に行き、出産は自宅で行う。

病院や助産院の見学説明会は定期的に行っているので不安な方は一度見てから決めると良いでしょう。

バーゼルシュタット、バーゼルラントの病院

· バーゼル大学病院 Universitätsspital Basel
· ベテスダ病院 Bethesda Spital
· バーゼルラント州立病院 Kantonsspital Baselland

助産院、自宅出産

· Geburtshausbasel
· Geburtshaus Matthea
· Haus der Geburt, Bethesda Basel
· Geburtshaus TagMond (Pratteln)
· Geburtshaus Ambra (Wittinsburg)
· Hausgeburtsteam ODALIS

(双子を妊娠している方の出産はバーゼル大学病院でのみ可能です。)

2. 産後の在宅ケア(Wochenbettbetreuung)のための助産師(Hebamme)を決める

 https://www.baslerhebamme.ch/hebammensuche/

ウェブサイトで選ぶか友人からのアドバイスをもらうなどして、直接助産師に連絡を取って予約します。
出産後、最高10回の家庭訪問が受けられます。ただし赤ちゃんが元気に育っていればほとんどの場合10回以下で終わることが多いです。(保険でカバーされ無料。)赤ちゃんの様子をチェックし、身長や体重などの計測、おっぱいの痛みや授乳の仕方など、様々なアドバイスをしてくれます。助産師によっては母親のお腹のマッサージなどをしてくれる方も。

3. 出産準備コース(Prenatal classes/ Geburtsvorbereitungskurse)の申し込みをする   

(助産師が行っているコースの場合、150フラン保険からカバーされる)

大学病院や民間で実施しています。大学病院の場合、ドイツ語のコースは頻繁に行われていましたが、英語のコースを希望の場合は頻度が少ない(数ヶ月に一度の開催)ので、早めに申し込みましょう。陣痛が来たときのマッサージや新生児のケアについて、また親としての心構えなど、母だけでなく父親候補生も学ぶことが多くあります。
準備コースは受ける必要ないという方はマタニティーヨガやマタニティスイミングも。

4. Tagesheime(保育園)またはTagesmutter(保育ママ)の申し込みをする

気が早いと思うかもしれませんが、保育園利用の申し込みをしてから実際に入園できるまで最低数か月はかかるので、共働きで早めに(3ヶ月からなど)仕事復帰を考えているお母さんは出産後では遅いのです。お仕事を持っている女性を中心に、出産前から複数の保育園に希望を出しておく人が多いため、結果としてだいたいどこの園でも長い空き待ちのリストができているという状況になっているようです。また、入園できた後も慣らし保育に最低でも1週間、長ければ1ヶ月以上かかり、その間は徐々に減っていきますが親の付き添いが必要です。このような事情から、出産後できるだけはやく保育園に預けたいと思っている方は、早めに申し込みに取り組まれるのがよいかと思います。

実際に見学してから候補を絞りたいとお考えの場合、随時見学可能な園もあれば毎月の見学日を決めている園もあるのでお早めに

公的支援を受けている園とそうでない園、Tagesmutterの場合は面接顔合わせ、両親の勤務(就学)状況に応じて決定される保育時間の上限など、知っておくべき情報が多くありますので、一度Vermittlungsstelle Tagesheime (Freie Strasse 35) に行って説明を聞くのが良いと思います。保育園の利用申込受付から決定などの手続きを一括して行っている窓口です。専業主婦の場合は、保育園利用に制限がありますので急ぐ必要はありません。

ちなみに、育児全般に関する相談・アドバイスなども無料で行うElternberatung Basel-Stadt と同じ場所にあります。助産師代わりのサービスを提供していて、身長・体重測定もやってくれます。ベビーマッサージなどの各種コースを開催しています。市内で開催されている様々な妊婦向けコースや幼児向けコースなどの資料も豊富です。

http://www.jfs.bs.ch/fuer-familien/tagesbetreuung/information-vermittlung.html

5. 出産申し込みのために戸籍謄本(戸籍全部証明書)を日本から取り寄せる

バーゼル大学病院で出産する場合、妊娠20週から申し込みが可能です。なお、「戸籍謄本」は発行から3ヶ月以内のものが有効だそうですので、うまく計算して取り寄せましょう。両親ともに日本国籍でかつ戸籍を同一にしている場合は、1通で足ります。スイス形式の出生証明書には自分の親の名前なども必要な項目となっているので、戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)ではなく、必ず戸籍謄本(戸籍全部証明書)を請求しましょう。国際結婚の場合も、日本の戸籍に子供を入れるために類似の手続きが必要と想像されますので、確認が必要です。

6. 戸籍謄本をもとに、スイス形式の「婚姻証明」と「出生証明」(ドイツ語)をベルンの日本大使館にて作成してもらう

依頼は郵送でできますが、受け取りは出頭が必須だそうです。
なお、領事班への申請時/受け取り時に、出産予定があることを報告すると、生まれた後に提出する「出生届」の様式や、新生児のパスポート申請に必要な書類を一式、更には日本の母子手帳ももらえます。
大使館ホームページなどでもこれら申請書類は入手できますが、窓口で直接もらうとついでに色々教えてもらえるので、そのほうが手続きの全体像がつかみやすいかもしれません。
ついでにこの時に、「在留届」をまだ出していない人は出しておきましょう。
その際にメールアドレスも記入しておくと、海外安全情報や出張領事サービスのお知らせなどをメールで受け取ることができます。

7. 「婚姻証明書」「出生証明書」などの必要書類を病院に提出

両親ともに日本人の場合、あとパスポートのコピーが必要。
2人目出産の場合、1人目の時すでにバーゼルで婚姻証明と出生証明を提出している方はデータが残っているそうなので、パスポートのコピーだけで大丈夫です。

8. 健康保険会社に出産予定日を連絡し子どもの保険を契約

「出産前に申し込むとメリットはあれどデメリットはない」との意見がありましたので、そうするのが良いと思います。保険会社によっては生後1ヶ月は医療費無料などいくつかサービスオプションがあったりします。風邪などで受診することは多々あるので、Franchise(年間自己負担額)は0にしておくことをオススメします。

9. 小児科医(Kinderarzt)を決める

保険会社・オプションによっては選択肢が限られるかもしれないので、問い合わせましょう。
上記ウェブサイトで言語や場所を絞って検索できます。会社の同僚や周りの友人からの意見も参考になるでしょう。
最初の訪問は1ヶ月検診なので、出産後なるべく早く電話で予約を入れましょう。
しばし先の話になりますが、予防接種について勉強しておくこともお勧めします。予防接種に関してはスイス連邦の推奨がありますが、異論のある親はそれを拒否できます。また日本では必須のBCGはこちらでは基本セットに入っていません(申し出れば任意のものとして受けることができます)。
日本では必須になっているがスイスでは任意あるいは受けられない予防接種もあります。(日本脳炎など)基本的にスイスやEU圏などで育てる場合は必要ないかもしれませんが、将来日本を含むアジア圏へ引越す可能性のあるご家族は考慮すべきかと思います。

10. スイスの基本保険(Grundversicherung)でカバーされる内容

妊娠出産の場合、Franchise(年間自己負担額)に関わらず妊娠13週から以下がカバーされます。それ以前の検診は病気扱いとなり自己負担となります。

· 7回の産前検診(医師が追加の検診も必要と判断した場合は7回以上でもカバー、大学病院だと7回以上になるケースが多いようです)
· 2回の超音波検査(上記と同様、医師が追加判断した場合カバー)
· 妊娠13週目から産後8週目までの病気(妊娠糖尿病など)はカバーされる
· Physiotherapie(理学療法)も医師が判断した場合カバーされる
· 出産準備コース(助産師によるコースで150フランがカバー)
· 助産師の家庭訪問(出産後56日以内10回まで)
· 産婦人科で出産後の検診(出産後6〜10週の間)
· 3回の授乳指導

11. 日本の保険を利用する場合

日本からの派遣でこちらに滞在している場合は、会社の健康保険から出産一時金などをもらえるかもしれませんし、緊急帝王切開による出産の場合は手術費用を日本で加入している生命保険に請求できるケースもあると思います(実際のところスイスでは自己負担は無いのですが)。いずれの場合も病院側に記入・署名をしてもらう書類が発生すると思われますので、できれば事前に申請用書類などを渡しておきましょう。その際、書式が日本語版しかなくて英(独)語版を自分で用意しなければならないという状況もあり得るので、事前に日本側と相談すると良いと思います。

入院,出産

12. 入院セットの準備

36週目くらいまでには入院時のパジャマ、スリッパ、洗面道具、赤ちゃんの帰宅用の服、カメラ、軽食などをバッグに詰めて、いつでも持ち出せるようにしておきましょう。持ち物リストは病院からもらえたり、あるいは巷に出回っている出産本などに詳しいです。大学病院ではミネラルウオーターが常時支給。陣痛の合間に摂る軽食は父親用にも何か持っていくと良いです。長丁場の場合お腹が空きます。

13. 出産

へその緒の切断は(儀式的なものですが)父親がします。する・しないは自由ですが、お父さんは気持ちの準備をしておきましょう。スイスでは日本のようにへその緒の一部を取っておくという習慣がないので、ほしい方は産後在宅ケアに来た助産師に伝えましょう。
また、後産で胎盤がでたら見せてくれ、寄付する・しないも聞かれます(事前に書式にて表明も可能)。もちろん自宅へ持ち帰って庭に埋めたりすることも可能。
無痛分娩や水中分娩なども事前に希望できますが、分娩の進み具合や当日何人が分娩室を利用しているかなどの状況に左右されますので、すべて叶うとは限りません。
大学病院の場合、分娩室7部屋中3部屋に水中出産の設備(ジャグジープールのようなもの)がありますが、その部屋にあたるかどうかは当日までわからないので、事前に書面にて希望を出してあったとしても、再度その場で口頭で意思表明しましょう。
一般的にスイスは帝王切開率が高いようなので、自然分娩を希望する場合は、帝王切開を進められてもその旨を伝えましょう。医学的に絶対必須でない場合は考慮してもらえるようです。
出産直後、大学病院でもカンガルーケアが推奨されており、出産後は5分としないうちに赤ちゃんを抱かせてもらえます(最初は母親のみ)。その際に、赤ちゃんの顔をおっぱいに近づけ、できるだけ吸うように助産師さんが補助してくれます。その後しばらくしてからはじめて赤ちゃんの体を洗って、体重・身長計測などの検査をしてくれます。その時に母もシャワーを進められますが、貧血などにより立ち上がって歩行するのが困難な場合は無理をしないでおきましょう。
希望すれば父親も上半身裸でしばらく赤ちゃんを抱っこして肌に触れることができます。
病院の混み合い具合や出産時刻にもよると思いますが、分娩室から病室に移動するのはそれからです。

助産院の場合、自分自身、パートナーそして助産師の3人だけで出産が行えます。無痛分娩はできないので、自然に産みたい方、静かに集中したい空間を求める方には合っていると思います。

14. 子どもの名前を役所に通知する。病院が役所への届出を代行してくれる

出産登録の時点で子の名前を記入する紙を渡されるので、人によっては出産前に記入を終えた紙を持参して、あるいは事前に提出して出産に臨みます。
顔を見てから最終的な決断をしたいなどの理由によりまだ決めていない場合も、法律では出産後3日までに提出するということになっていますので、出産後でも大丈夫です。入院も普通分娩の場合3日間なので、退院前に病院に報告すれば大丈夫ということになります。しかし、名前が決まらないまま3日も過ぎ、さらに退院してしまったら、役所には自分で直接名前を報告することになります。そういった場合でも人道的判断?で出生届と希望した名前は受け付けてもらえます。
名前に関しては下記の補足を参照ください。

15. 入院

保険のオプションで、個室か共同部屋(バーゼル大学病院の場合2人部屋)かに別れます。共同部屋で他の赤ちゃんやお世話の様子を見るのも参考になります。双子以上の出産の場合は、保険の種類にかかわらず自動的に個室になるようです。
大学病院では面談時間は夜20時までですが、父親が時間を越えて滞在するのは比較的大目に見てくれました。ただ同室の方が居る場合は、ひとこと声をかけるのが良いかもしれません。
病院の食事は家族の分も注文できます(後からしっかり請求がきます)。大学病院の食事は、日本の病院食のイメージとはまったく異なり、複数あるセットメニューから選択できるようになっています。ボリュームもあっておいしいですよ。日本人の調理師(副料理長)もいるんですよね。メニューに和食はないようですが。
普通分娩の場合、出産日を含めて3日目朝に退院となります(大学病院の場合)。病院によって多少違いがあるかもしれません。出産が早朝でも夜でも 1日目にカウントされるので、夜だった場合は入院時間が少し短くなります。ただ、帝王切開など出産に困難が伴った場合は、それよりも長い入院となります。また病院滞在中は母体の回復(睡眠)を主眼において、赤ちゃんは夜間は看護師に預けることも可能です。その他、入院中はできるだけ看護師、助産師を積極的に呼び出し、授乳の姿勢、オムツの替え方や沐浴の仕方など、プロのやり方を見て学んでおきましょう。
退院時に車を使用する場合、新生児であっても交通法規でベビーシートの使用が義務付けられています。タクシー利用の場合も自分のベビーシートを持参すれば乗れますが、そうでなければベビーシートを載せている車を確保するために、半日ほど前に予約したほうが無難です。

助産院の場合、入院施設はないので体調にもよりますが、出産後5、6時間後に家に帰ります。その後自宅まで助産師が赤ちゃんの様子を見にきてくれ、次の日には小児科医も家庭訪問して、診察してくれます。入院無しですぐに家に帰れるのは助産院で産むメリットです。もちろん自宅出産という選択肢も。
最近では産後のケアも含めて滞在できる助産院が増えており、Geburtshaus Matthea, Haus der Geburt Bethesdaの2つがあるようです。例えば病院で出産し、その後助産院で数日産後ケアの滞在をするというケースも増えてきました。

出産後

16. 健康保険会社に名前と誕生日を連絡

17. 大使館に出生届を提出

しばらくすると子どもの出生通知(Geburtsmitteilung)が役所から送られてきます。待たされる時間が長くなってきたようで、誕生から1ヶ月も経ってから届いたケースもあるようです。(2018年時点)
大使館に提出するのは出生証明(Geburtsurkunde)なので、手紙かFaxかオンラインで役所に申し込みをします。

他の必要書類は在スイス日本大使館のサイトを参照ください。
ちなみに外国在住の場合は出生日を含め3ヶ月以内に出生届を出す必要があり、登録手続きに1ヶ月程度かかります。
お急ぎの方は大使館を通さず、戸籍のある市区町村に直接問い合わせをして手続きすることも可能です。

18. 約1ヶ月後、子どもが記載された戸籍謄本を取り寄せ

戸籍への登録手続きが完了した(子どもが戸籍に入った)かどうかは、市区町村役所に地道に問い合わせて確認するしかないようです。

19. 産婦人科で出産後の検診(産後6〜10週の間)

出産後身体が元に戻っているかのチェックです、予約をして必ず行きましょう。
子宮やおっぱいのチェック、今後の子作り計画、避妊方法なども相談できます。
保険でカバーされます。

20. ベルン日本大使館で子どものパスポート申請

書類は郵送可能、受け取りは本人確認のために子どもも連れて行かなくてはなりません(申請か受け取りかどちらか一方だけで良い)。また遠隔地に住んでいる方のために1日で発行してくれる制度ができました。事前予約してぜひ利用しましょう。また、タイミングが合うなら年2回のバーゼルへの領事出張サービスを利用するのも、ベルンまで行く手間を省く一案です。

21. 滞在許可証(Aufenthaltstitel)を申請−ようやくオフィシャルにスイス滞在が可能

滞在許可証を作って下さいというレターが役所から早々に届いているはずなので、そのレターと、出来上がったばかりのパスポートを持って移民局(Migrationsamt)へ申請しに行きます。ここのタイミングで、パスポートに記載された名前とレターに記載された名前が一致していないと面倒なことになると思われますので、パスポート記載の名前表記は出産した病院で通知した名前表記と一致するほうが無難でしょう。申請に行きましたら、その場で滞在許可証用の写真を撮影することになりますので必ず子ども同伴で。まもなくして許可証が郵送で届きます。
届く前に緊急の用事で出国しなければならない時は、Migrationsamtに相談すれば、「滞在許可証発行手続き中」という内容のレターを出してくれるはずで、それを代わりに持って出国することになります。

22. 産後体操コース(Rückbildungskurs)に通う

お金はかかりますが(保険の種類によっては一部カバー)とてもオススメです。普通分娩の場合は産後6〜8週以降、帝王切開の場合は10週以降に始めましょう。骨盤を鍛えてお腹の筋肉を引き締めます。赤ちゃんあり、なしのコースがありますが、赤ちゃんなしのコースを強くオススメします。集中してしっかり鍛えられ、また自分のためだけに時間が使えるというのも貴重です。

23. 出産一時金申請について

日本の勤務先から派遣されてバーゼルにいる場合や、日本の住民票と国民健康保険を残したままスイスで出産された場合、健康保険制度から出産一時金がもらえます。 給付金額は子ども1人につき 40~42 万円(法定の上限は 42 円)。
出産した国で発行された出生証明の原本・和訳とパスポートコピーを提出することになるようです。

補足

· 妊娠34週目から亜麻仁(Leinsamen)
1日大さじ1杯そして必ず一緒に水分もたっぷり取ってください。ヨーグルトなどに入れても。便秘予防、産道の滑りをよくします。MigrosやCoopで手に入ります。 

· 同じく34週目から会陰マッサージ(Dammmassage)
出来れば毎日ですが、痛みがある人は自分のペースで。しっかり行うことで会陰切開を避けられ、回復が早いです。使うオイルはWeledaにDammmassage用のものが発売されていますが、ホホバオイルやオリーブオイルでも代用可です。

· 妊娠37週目からラズベリーリーフティ(Himbeerblättertee)
飲み方は、37週は1日1杯、38週はお休み、39週は1日4杯、40週はお休み。子宮と骨盤の筋肉を緩めお産を楽にします、陣痛を促す効果も。それ以前に飲むとお産が早くなる可能性があるので注意してください。薬局やDrogerieで手に入ります。

· La Leche League
授乳に関しての相談事はこちらへ。授乳集会(Stilltreff)というのを定期的に開催していて悩みを持つお母さん同士で意見交換できる貴重な場です。
ドイツ語
http://www.lalecheleaguebasel.ch/p/stilltreffen.html 
英語の方はこちらへ 。毎月1回開催しています。http://en.lalecheleaguebasel.ch/p/stilltreffen.html

· こどもを連れて、日本のパスポートでドイツやフランスへ買い物、あるいは日本へ一時帰国など、スイスを出国できるようになるのは、最速でも生後3ヶ月以降と思っておいたほうが良いかもしれません(スイスや近隣諸国の国籍を持つお相手と結婚されている場合は、もっと早く日本のではないパスポートを取得できて国外へ出られると思います)。

· 滞在許可がCの方は税金の確定申告にて子供がいるにチェックすることになります。1年後のことですが、税金が若干安くなります。

· 日本への一時帰国など長距離フライトに乗るなら、ひとりでは動けずベッドの中に収まっていてくれる生後6ー12ヶ月の間にするのが楽だと思います。バシネットの体重制限に関しては、日系航空会社は 10キロ前後なのに対しルフトハンザが14キロと大きいのでオススメです。

また、ある程度生活リズムがついた子どもにとっては、昼間よりも夜間のフライトのほうが断然寝つきやすく、親も子どもも体力的に楽です。
例えばスイス航空の13時発成田行きは直行便で楽な反面、乗っている時間の半分以上は子どもは自由に動けず子も親もストレスを溜めてしまいますが、例えばフランクフルトで20時過ぎ発羽田行きのルフトハンザやANA 便に乗り継ぐと、スイスでの就寝時間とほぼ重ねることができ、乗っている時間の大半を寝てくれる可能性が大になります。ハイハイできるようになった子を連れて乗る場合には特にオススメです。

· 日本の戸籍にある名前の表示は日本語表記(人名用漢字あるいはひらがな・カタカナ)のみで、読み(ふりがな)は記載されません。他方、パスポートは名前のアルファベット表記のみで、漢字は記載されません。極端に乖離していると大使館側から指摘・質問されたりするでしょうが、基本的には別個のものです。「パスポート上の氏名は、原則として戸籍上の氏名をヘボン式ローマ字で表記したもの」であると、日本の外務省は言っています。
しかし、スイスを含め外国で申請すると、子どもの名前が外国名そのものであったり、外国風の名が多いからでしょうか、非ヘボン式表記も簡単に認めてもらえます。
例えば、「りさ」が Risa ではなくLisa、「じょうじ」が Joji ではなくGeorge など。「一般旅券発給申請書」には、ヘボン式アルファベット表記(例 Joji)を記入しなくてはいけない欄がありますが、裏面にパスポートへの記載を希望する非ヘボン式の表記(例 George)を書く場所があります。申請書を入手する段階で非ヘボン式表記を希望と申し出たら、領事館の方も付箋をつけて留意してくれましたので、申し出ておくと間違いないですね。
他方、名前の日本語表記が求められるのは、大使館に提出する出生証明書の時点でとなります。日本の戸籍は、今のところアルファベットによる記載はできませんので、外国名の場合でも日本語表記が要求されます。例えば Reto という名前にした場合には、日本の戸籍用にレト、れと、蓮人、礼斗などとしなくてはなりません。
ミドルネームを日本の戸籍に入れたい場合、繋がって表記されます。ハイジ花子のように。(大使館の記入例参照)パスポートは離して記載してくれます。例 Heidi Hanako

· スイスで生まれたというだけではスイス国籍はもらえません。スイス国籍は、日本国籍の場合と同様に、親のどちらかがスイス国籍をもっていることが条件です。
アメリカ、アイルランド、ブラジルは、国土上で生まれたというだけで国籍をプレゼントしてくれるようですが、それは少数の例外です。アメリカの場合は、国籍を一度取得してしまうと、国土内に住んでいなくても国民税が請求され、さらに簡単に国籍返上を認めてくれないなど、税収政策などとも結びついているまったく異なった国籍の概念となっています。
国籍が異なる両親から生まれたお子さんは、二重国籍についても考える必要がありますね。日本は二重国籍、多重国籍を禁止している数少ない国のひとつだそうですが、重国籍者として生まれた人は、22歳までにいずれか一つの国籍を選択しなければならないとされています。しかし、結婚などで成人してから日本国籍を取得した人にも、外国籍の放棄を推奨しつつもそれほど厳しくはなく、事実上、そのまま二重国籍維持という例が多いようです。一方、スイスは多重国籍を認めています。ドイツは 2007 年に緩和し認めるようになりました。

また、日本人でもスイスに10年滞在すると、スイス国籍取得の申請ができるようになります。申請時5年内に3年以上スイスに居住していること、バーゼルシュタットに申請する場合はそこでの居住年数が2年。スイスで生まれた日本人の子どもは、もう少し短い滞在期間で申請できるようです。
2017年の国民投票では在スイス 3 世にはより簡単に国籍取得できるよう法律を緩和する議案が話題になりましたね。実際にスイス国籍を取得する場合、日本人ですと、約2000フランの費用と 2 年くらいの期間を要するようです。しかし上記のように日本の法律は多重国籍を禁止しているので、バレると日本国籍の返上を迫られるということにもなり得るようです。
このテーマに関心ある方は、インターネットで検索したりしてみて下さい。そのほか、法務省の国際結婚,海外での出生等に関する戸籍Q&Aも参考になります。

フリマ情報 / 赤ちゃんが遊べる場所

Kinder Artikel Börse :Robi-Spiel-Aktionen Basel

年に何回か子供用品のフリマを開催しています。場所はKannenfeldparkやSchützenmattparkなどの公園で、毎回大盛況です。子供用椅子やベビーカーから玩具、服、靴など安く手に入ります。何点か一緒に買って値切るとけっこう成功します。出店する場合は事前予約不要(ただし早朝から場所取りする人もあり)、当日主催者が参加費を回収しに来ます。最小出店面積 2㎡で 8 フランだそうですが、そのくらいはわけなく回収できるはずです。出店していて、お金はいいからとにかく処分したいと思う物はGratis(無料)と表示しておけば、あっという間に消えていきます。会場内にはフリマの時限定のコーヒースタンドも登場します。

Kiddy Buy and Sell Basel :Facebook の非公開グループ(英語)

加入の申請をして主催者に承認をしてもらったら、晴れて参加可能になります。ここはセカンドハンドも未使用新品もどちらもあり。お手頃なお値段で色々なものが取引されています。服やおもちゃ以外にも、フリマには持っていけない大きめの家具系も色々出ています。写真付きで紹介されている商品を見て、欲しいと思ったら希望を表明するとともに出品者に個別に連絡をし、大抵は質問をするなど何度かやりとりをした後で売買が成立します。出品者の住所まで取りに行くというケースが多いです。

Kinderkleiderbörse Riehen

トラム 6 番「Riehen Dorf」停留所近くのビル2 階にある Brockenstube。
その一角が子供グッズ専用になっています。洋服はサイズ別に整理されて見やすく、おもちゃや家具、電化製品も売っています。不要品も引き取ってくれます。

Quartiertreffpunkte Basel

地域ごとに子ども連れのお母さんお父さんが集まれる場所を提供しています。また育児全般の相談や体重、身長測定を無料で行うElternberatungも各場所で開催しています。
各種イベント、フリマを開催してる場所もあり。
バーゼルの中で15ヶ所もあるので、お住いの近くにきっと見つかるはず。
それぞれに予約なしでオープンに集まれる日が決まっていて、その日にふらっと行けるのでありがたいです。
赤ちゃんから小さいお子さんまで遊べる玩具が揃っています。お子さん用シロップ、カフェやケーキなどを提供している場所もあります。

BCT (Basel Children’s Trust)

英語でのバーゼルでの妊娠から子どもの情報が載っています。定期的に赤ちゃんのグループで集まったり、森へ行ったりとイベントもやっているようです。

Markthalle

駅近くの大きなホールで各国の食が楽しめます。日本人の女性がやっているアイス屋も、時期によって抹茶やゴマ味もありとても美味しい。ゆったりしたソファも多く、広いので多少うるさくても気になりません。授乳もしやすい。子どもの遊ぶスペース、滑り台もあります。子ども服、玩具のフリマも不定期に開催。幼児向け音楽のイベントなども。          

Jukibu

50言語以上の絵本を扱っている図書館です。日本語の絵本も大変充実しています。日本語のDVDもあり。定期的にお話し会、紙芝居も開催しています。


出生後の手続きの流れ

(スイス国籍を持たない場合)

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