泣いちゃダメな夜
昨晩に突然の知らせがきた。参った。僕の人生もそれなりにいろいろあったけど上位にランキングする出来事だった。ライブを来週に控えてボーカルの離脱。本人の悔しさが分かるから切ない。普通ならキャンセル料金を払って辞退する。事情が事情なだけにメンバーは誰一人怒らないと思う。それでもボーカルから「ライブには出演して欲しい」と伝言を受けた。代役を引き受けられるのはこの人しかいないって方にちゃんと話までしてくれて。
先週の予行ライブはすごい盛り上がった。
本番で笑うためにみんなで本当に頑張ってきた。初めの頃はライブに出れるレベルに届くか不安だったけど。やり切れそうだった。本気だった。来週に向けて微調整するだけだったのに。すごく悔しいだろうな。
今日は代役の方とスタジオ入り。メンバーの中に女の子がいてドラムを担当している。このバンドのリーダーだ。一番歳下の彼女が僕たちをここまで引っ張ってきてくれた。ずっと涙を堪えてスティックをふり続けていた。代役の人に気を遣って泣くのを我慢している。それが痛いほど伝わってきた。
このライブ。僕たちは思いっきり楽しまなきゃダメだ。悲しむ訳にはいかない。やり切って飛びっきりの笑顔で帰りを待つんだ。必ず戻ってきて。絶対に成功させるから。ボーカルの彼にあらためて贈りたい言葉があります。
僕
な
ら
き
っ
と
力
に
な
れ
る
と
思
っ
て
る
ん
だ
け
ど
僕の大事なハモリパートです。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます
トチロー
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