見出し画像

第五話 幼い頃の嫌な思い出!

皆様こんばんは。本日のお話は、Gの幼い頃の嫌な思い出についてお話をします。


暑い夏も過ぎ去り、初秋に入ったある日の朝、外は雨であった。私と熊五郎は、施設では誰とも交わる事はなく常に孤立していた。唯一一人だけ熊五郎に近づいてくる道子と言う女の子がいており、道子は施設の中では、一番可愛い女の子で、私は密かに道子の隠れファンであった。道子は私にはまったく興味はなく熊五郎に興味を持つと言うか、おそらく熊五郎の事が好きではないかと私は思っていた。


雨が降る中、私と熊五郎と道子の三人は、傘をさしながら長靴を履き、学校に向かって歩いていたが、私達が生活する施設は決して新しい物は与えてもらえず、必ず寄付として送られて来た衣類やその他の物を使いながら生活をしており、この様な理由もありこの日は、私はピンクの長靴を履き、熊五郎と道子はブルーの長靴を履いていた。


学校が終わって外は雨が降っていた。



私達三人は校門を出て歩いていると、後ろからガキ大将の国光が泥で作った団子を私達に投げて来た。
気の弱い私はなんの反撃すら出来ず、国光がなげてくる泥団子を体で受け止める事しか出来ず、国光は私にむかって
『お前はピンクの長靴か』
とバカにしながら立ち去って行った。


ちなみにこの国光と言うガキは、後に私が三回殴り合いの喧嘩をし二回負け、最後の一回は引き分けになった。
私の過去動画に登場するあの男の事で、また国光も渡世の世界に足を踏み入れ、今現在はある二次団体の組織で舎弟頭を務めている男である。


この日は道子が居ていた為、私は長屋によるかどうするか迷った。


だが道子のファンの一人として、どうしても道子にチェルシーの飴を食べさせたかった私は、やはり長屋に寄る事にした。

すると長屋にはおっさん以外に、もう一人ヤクザ者が居ていた。二人は仲良く将棋をしており、私はおっさんに
『チェルシーの飴をくれ』
と言うとおっさんは
『今日は飴はない!奥の冷蔵庫の中にオレンジジュースがある!それを飲んで来い!』
と言った。


私と熊五郎は長靴を脱ぎ、長屋に入ったが、道子は長屋に入ろうとしなかった。

道子が履く長靴の先は、穴が空き道子の足は濡れていた!

これを見た私と熊五郎は再度長靴を履き、おっさんにむかって
『今日は帰る!また明日来る!』
と言って長屋から出ようとしたら、将棋をしていたヤクザ者が
『お前ら何処の子や?』
と聞いて来た!

おっさんはこのヤクザに
『兄弟よ!コイツらはひまわり学園で生活をしてる子や!』
と言った。

おっさんの言葉を聞いたヤクザ者は
『おぅそうか!ええとこに住んどんなぁ!』
と言った。

おっさんは兄弟分に
『おぅ兄弟!その小さい方のガキは、生まれもって声が出せん!』
と言った。

兄弟は熊五郎に向かって
『そうかそれは良かったな!大人の世界では口は災いの元と言う言葉がある!お前は喋れんだけにこの先、生きていく中で苦労する事はあるが、下手を打つ事はないやろ!おい坊主よ、神さんに感謝せいよ!』
と言った。


そしてこのヤクザ者は、後に起こった山一抗争で一和会の者に殺められたが、このヤクザ者も当然ながら一和会の者を殺めていた!

要は、相討ちであった。




本日も購読ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?