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ソムリエと職業定義

「あなたの職業は何ですか?」
「〇〇にあるXXというレストランで、ソムリエをしています。」

たぶん、ソムリエにとってこれらは一般的なやりとりだと思います。
しかし、これは職業定義として、正しいやりとりでしょうか?

私は現在、認知科学コーチングのプロコーチになるために学校で学んでおります。本業はニューヨークワインの輸入。日本ソムリエ協会の「ソムリエ」資格も持っております。

このnoteでは、認知科学コーチングの観点から「ソムリエとしての職業定義」について考えてみたいと思います。

なぜ職業定義としてソムリエはダメなのか?

ソムリエの定義

ソムリエとは、厚生労働省の職業分類表にも規定される立派な職業です。日本ソムリエ協会のHPによるソムリエの定義は以下の通り。

ソムリエとは飲食、酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関、酒類製造のいずれかの分類に属し、酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有するプロフェッショナルを言う。ソムリエの役割は、飲食店もしくは酒類・飲料を販売する施設におけるそれらの提供、ならびに商品の適切な紹介とサービスを中心に、啓蒙・普及・研究・教育を目的とした専門的なアドバイスや清潔で衛生的な食事環境の維持など広範に及ぶ。

日本ソムリエ協会 HPより

端的に言えば、ワイン業界に属し、ワインに関する専門的知識とテイスティング能力を有するプロ。主な役割は、その場に応じて、ワインの適切な紹介、提供、サービス、啓蒙を行うこと。

ソムリエは肩書き

一般的には、「ソムリエ」と言えば、レストランでワインをサービスするプロだと思います。しかし、「ソムリエ」というのは資格や肩書に過ぎません。

例えば、運転免許書を持っていれば誰もが「ドライバー」です。しかし、その種類は、F-1ドライバーからバスドライバー、トラックドライバー、通勤ドライバー、高齢者ドライバーと千差万別。これらのドライバーは皆、運転する目的が違います

同じように、「ソムリエ」と言っても働いているお店やその人の個性やスキルによって様々な目的や役割のあるので、そこをもっと明確にすべきだと思います。

コーチングにおける職業定義とは

社会への機能提供

コーチングにおける職業定義とは、「自分の機能を社会へ提供すること」

「あなたは何屋ですか?」という質問に対して、端的明快に答える必要があります。それに対して、「〇〇というレストランで、ワインをサーブしています。」というのでは残念ながらあなたの価値が伝わりません。

職業定義の見つけ方

自分の職業定義を見つけるには、以下の3つを知ることが重要です。

  • 自分のやりたいこと、大好きな業務(want to)

  • 自分の得意なこと、教えられなくても出来てしまうこと(能力の輪)

  • 人生を通底して行なっていること

例えば、「研究者」タイプの人なら、ワインのことをどんどん勉強して、いろんな知識を吸収するでしょう。学ぶこと自体がこのタイプの人たちにとっては報酬なので、どんどん新しい知識を入れて、それを周りの人たちやお客様に伝えれば良いです。

コミュニケーション」が得意な人は、お客様と徹底的にコミュニケーションを取り、お客様の要望やワインの知識レベルに合わせて、積極的に提案をすれば良いでしょう。

リサーチ」が好きな人なら、世の中に溢れる膨大なワイン情報の中から、今のトレンドを調べたり、面白いワインや生産者をどんどん調べて、情報発信したり、お客様に提供すれば、喜んでもらえるでしょう。

企画」が得意な人なら、お店で〇〇ワインフェア、ワイン会、セミナーなどをどんどん企画すればお客様にとっても面白いお店と思ってもらえるでしょう。

教育者」タイプなら、自分の持っている知識をどんどん人に教えて、ワインを好きな人を増やせば良いでしょう。そこにレベルは関係ありません。トップソムリエに教える人もいれば、ワインスクールで愛好家を増やす人もいる。そして、自宅で友達相手にワインの楽しさを教える人も立派なエデュケーターです。

あなたの職業定義

ソムリエならば、これらの役割を全て出来て当然と思う人もいるかもせれませんが、その必要はありません。もし全てをやっている人がいたら、それは「スーパーマン」か「何でも屋」のどちらかでしょう。

自分の職業定義をする時に、「ワイン」は関係ありません。
職業定義を考える際に、今の業種や業界、専門スキルにこだわり過ぎると視野が狭くなるので、抽象度を上げて考える必要があります。

自分がいま行っている業務の中で最も好きなこと、人や上司に言われなくても自ら率先的にやっていること、教わってもいないのに人よりも上手に出来てしまうこと、これまでの人生で何度もやっていること、などなど。

これらをきっちりと掘り下げた上で、「私は〇〇屋です」と言える職業が見つかればOK。自分の職業定義は必ず出来ます。これを明確に定義を出来たら、今の職場での活躍はもちろん、転職や業界を跨いでの活躍なども容易に出来るはず。

ちなみに、私の職業定義は「ビジネス・プロデューサー」でした。

新しい職業定義を持って何をしたいか?

ここからがスタート

ここからがコーチングの出番です。
コーチングにおいて、職業定義を明らかにすることは、やっとスタート地点に立てたに過ぎません。あなたの職業定義を明確にした上で、本当にやりたいことや自分の能力を活かして、社会に価値提供出来ることを考えます。

ゴール設定

コーチングのコア・コンセプトは「現状の外にゴールを設定すること」

ソムリエならば、ワインの知識や情熱を持って、どう社会の役に立てるか?
これを考える際に、いま置かれている環境や持っているスキルや能力は関係ありません。これらを全て取っ払って、あなたが本当にやりたいこと。お金を払ってでもやりたいことを考えます。

むしろ、ソムリエだからと言って、「ワイン」に拘るのではなく、抽象度を上げて考えます。その際に、「食」、「文化」、「旅行」、「コミュニケーションツール」など抽象度の上げ方は人それぞれで問題なし。

「〇〇の国との架け橋となる」、「ミシュラン三つ星を取る」、「自分のレストランを持つ」、「ワインツアーを企画する」、「ワインを通して、地元を活性化させる」、「日本から世界に通用するワインを造る」などなど、いろいろと考えられそうです。

職業定義を明確にして、本当に自分がやりたいゴールを設定出来たら、人生が劇的に変化していきます。私もコーチングを学びながら、それを同時進行で体験しております。

コーチングの技術を使って、より多くの人が高いゴールに向かって邁進し、活力のある社会づくりに貢献したいと思います。それが日本のため、子供たちの未来のためになると信じております。

最後に

このnoteは私がコーチングを学んでいる過程で、自分が学んだ知識を整理するために書いた文章です。決して偉そうに、ソムリエに対しての問題提起として書いた訳ではなく、自分のいる業界に当てはめて考えてみただけです。

もしこのnoteを読んで、「自分の職業定義をはっきりさせたい、さらにその先のゴール設定にも興味がある!」という方がいましたら、ご連絡ください。一緒に職業定義からゴール設定を見つけるお手伝いをさせて頂きます。

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