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懺悔録

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許されたい
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#中間小説

懺悔:何故私は表現活動を続けてしまうのか~巻ノ3~

「良いよ。久しぶりに会いたいし。でもまだやってたんやな」
「まだって何よ。私、ずっとやってたけど後藤君が見に来てくれへんかっただけやんか」
「やっぱりやってる時は見に行きたくない気持ちあるで。じゃあ、19時の部で1枚」
「ありがと~! 仕事大変やと思うけど頑張ってや」
「雛子も無理せんときや」
 声優専門学校時代の仲間が出演する舞台に私を誘う。普段全く連絡をよこさない奴らが舞台の時だけ声をかける。

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懺悔:何故私は表現活動を続けてしまうのか~巻ノ1~

 結局は空っぽで空虚なのだと感じています。空の容器に色の付いた空気を入れる。それは焚き火で温める事で蒸気となり数滴だけが容器に溜まる。

 色の付いた空気はあなたの「願い」です。

 焚き火はあなたの「意志力」です。

 私は声優として10数年活動した後にあまりにも食っていけないことや将来に広がる暗雲with光化学スモッグに季節の絶望を添えた何かに心が完全にやられて声優を辞めました。事務所を辞めて

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