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第36回福島正実記念SF童話賞のオンライン贈呈式が開かれました。


通称「福島賞」は今回で36回目。

数回前から隔年開催になったため、計算が合わないと思いますが、わたしは第17回の受賞者で、デビューから22年目になりました。

コロナ禍で、今回も(前回もです)これまでのようなリアルな贈呈式を行なうことができませんでした。

贈呈式は、岩崎書店主催でオンラインで開催されました。

今回は大賞がなく、佳作のみなさんをお招きしました。

 『未来の種』 山世孝幸
 『ウサギ体験中!』 たなひろ乃
 『カエルのアーチ』 野川美保

選考についての詳しいことは、岩崎書店サイトをご覧ください。

https://www.iwasakishoten.co.jp/news/n46304.html

贈呈式では、プロミネンスの代表者として後藤が開会のご挨拶をさせていただき、その後、表彰状の「エア授与」や各受賞者の方のスピーチがありました。

みなさんのもとには事前にお花が送られており、どなたもお花とともに映っていらして、画面は華やかでした(リアルな贈呈式では「花束贈呈」があるのです)。

3名の受賞者のみなさんのスピーチは、どれもそれぞれの方の「人生」を感じられる素晴らしいもので、「ああ、みなさんと自由におしゃべりしたい、もっと聞きたい」と……改めて「これまでのような懇親会じゃないこと」を残念に思いました。

その内容を勝手にご紹介するわけにはまいりませんので、ここでは、後藤の開会のご挨拶(なんて呼ぶほどのものではありませんが)の草稿を整形して、ご紹介しようと思います。

だいたい、このようなことをいうつもりであったらしい、と感じていただければ幸いです。

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受賞者のみなさま、このたびは誠におめでとうございます。

もしかしたら、(大賞でないことを)残念だとか惜しいという気持ちがあるかもしれませんが、今日は120%、「おめでとうございます!」です。
唯一、残念に思うのは、直接お会いできなかったことですね。

あらためまして「はじめまして」。
ご紹介いただきました創作集団プロミネンスの代表、後藤と申します。
よろしくお願いします。

創作集団プロミネンスについては、公式サイトやtwitterなど検索していただけるとうれしいのですが、ざっくりと説明しますと「子どものための本を書いている、プロの作家や画家の親睦団体」です。

この福島賞やジュニア冒険小説大賞の発足に関わっておりまして、歴代の大賞受賞者の方が入会を誘われるということで、わたし自身もメンバーになりましたし、この何十年かの間に大半が福島賞かジュニア冒険の大賞経験者という感じになっています。

大賞の方しかお誘いできないのは、プロの親睦団体だからです……ですからプロミネンスの代表としては、近いうちに入会をお誘いできるよう、みなさんにまた書いて、応募していただけたらいいなと思っています。

ひとつだけ、わたしのちょっとはずかしい体験を申しますと、わたしは17回の福島賞を受賞して、「これでデビューするんだわ!」となったあと、「だから児童文学について勉強しなければ!」と思い、一生懸命、創作論や評論などを読んだりしたせいで、頭がカチカチになってしまって、1年近く、まともに作品が書けませんでした。

ですから、お願いといいますか、生意気にもご助言させていただけるなら、「気負わず、今回の受賞作を書かれたときと同じような楽しい気持ちで、そこにプラス、選考に勝つにはどうすればいいかということを考えていただけると良いのではないかな」と思います。

コロナ前のリアルな贈呈式ですと、プロミネンスのメンバーとの懇親会も兼ねていますので、連絡先を交換したりとか、そういうこともあるんですが、今回の場合、それができません。

もし、創作に関することなど、何か知りたいなということがありましたら遠慮なくメールしてください(アドレスについてなので略)。

創作は、ひとりですることです。誰も代わりに書いてくれないし、これでいいかなと思っても、形になる際の最終的なジャッジは選考委員がしたり、本にするときは出版社がしたりしますので、すごく自信がない状態で書くこともあります。
そこの部分は誰にも肩代わりすることができないのですが、孤独な者同士がつながるっていうのは、案外大事なことなんじゃないかなと思っています。
必ずしも創作の世界で友だちを作れというわけではないのですが、もし、ひとりで書いていて不安だなと思うことなどがありましたら、気軽に連絡してください。
いつかリアルで、またお会いできることを楽しみにしています。
本日はおめでとうございました。

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