無印の空っぽさ

こんにちは。僕です。

またもや読むの面倒くさいコンテンツです。

もうどうにでもなれっていうテンションで書いてます。深夜です。

前回?前の記事?で(何ていえばいいのだろう)「空」について書きました。inliving.を好きになるきっかけになった考えです。

そしてそれは必然的にinliving.と無印良品がつながることになるんです。

ちょっと飛躍してしまうので、説明します。(ここからが超長い)

まず、僕が「空」の概念をどこから知ったのかというところから入ります。(これが大きかった)

それは「原研哉」さんの存在です。

建築設計にはデザインの分野も大きくかかわってくるので、デザインの本は度々読んでいました。原さんは「デザインのデザイン」という有名な本を出されている方で、その本きっかけでこの人を知りました。この本が面白かったので、この人の他の著作を読もうと思って、次は「白」という本を読みました。

この「白」が僕の考えや価値観にとても大きな影響を与えます。

この本は全4章から構成されていて、第3章が「空白 エンプティネス」という題で、ここで「空」についての説明、解説、原さんの持論などが展開されていて、非常に興味をそそられました。

そしてこの原研哉さん、無印のボードメンバーをされています。つまり、無印のデザイナーの一人なんです。

無印でも「空」の考えを反映させていて、無印良品について、

シンプルというより空っぽなんです。(中略)水盤に桜の花びらを数枚浮かばせれば、満開の桜の樹の下のイメージになる。何もないところに架空のイメージを呼び込みながら、主客互いのイメージを交換していく。無印良品もやはり本質的なところは日本の美意識に依っている
無印良品はすべての人々の思いを入れられる偉大な空っぽの器である。
無印良品の広告表現では多くを語らず、見る側がそこにイメージや感情を移入できるような「空(うつ)」なる表現を用いている。
無印良品では「これでいい」を目指している。ここで言う「で」は、不満足やあきらめを含んだものではなく、自信をもってこれでいい、と言えるようなものである。

と話されています。

この人の無印良品のポスターが象徴的です。

画像1

まさに「エンプティネス」です。

これによって、無印良品とinliving.は「空」によって間接的につながりました。

ですが、これだけでは多くの人は、「お前の中だけだろ」と思うと思います。たしかにこれだけではある種のこじつけのように感じるかもしれません。ですが、これは多くの人が忘れかけていることに目を向けると、そうは言いきれなくなると思います。


「空」とは「日本的美意識」のひとつなんです。

これについては先ほど引用した原さんの文章の中にも出てきます。そして、日本的美意識は時代とともに急速に失われて行っていると思います。最も大きなきっかけは明治維新です。(実際は応仁の乱が最も大きい要因のひとつですが、今回の内容には則さないので無視します。)

明治維新による近代化の流れによって、急速に西洋文化が取り入れられていきました。それによって反比例的に日本文化が失われていくことになります。そこに第二次世界大戦の敗戦が拍車をかけました。ある意味合いにおいては、西洋文化は新しくて面白くて、日本文化は古くてつまらないという風潮があったと思いますし、それは今にも受け継がれているようにも感じます。

そのような歴史的背景があって、現代人で日本的美意識を持っている人はそうとう少数になってしまっているように感じます。どの時代においても、日本文化が失われていくことに危機感を覚え、行動に出る人々はいましたが、その運動がメインコンテンツになるようなことはありませんでした。

そんな時代が長く続きましたが、ここ10年くらいで時代が変化し始めます。「価値観の過渡期」とでもいえばいいでしょうか。

日本は世界第2位の経済大国になり、中国に抜かれながらも、世界的に見れば明らかな先進国です。その中で、今の社会を引っ張っている40~50代の層は物心ついた時から日本は先進国だったわけです。つまり、成長していく日本ではなく、緩やかに後退していく日本を見て育ちました。高度経済成長をけん引した年代はその多くが現役を引退し、老後を迎えています。

この層の入れ替えが起こったのは大きいことで、成長期にいた人々はより新しいものを求めて、外へ外へと関心をむけますが、衰退していく日本を長く見続けていた人々の関心は内側へと向いていきました。

そうして、「日本的美意識」の再発見が始まります。それをけん引したのが、原研哉をはじめとするデザイナーたちだったわけです。

なので、無印良品には多くの「日本的美意識」が組み込まれています。

対するinliving.はどうかと言えば、りりかさんは前述した、「日本的美意識を持っている少数」なのだと思います。

それは前の記事の「空」もそうですし、ぬか漬けやお味噌汁への愛情などにも表れていると思います。また、重要なのが、おそらく意識せずに日本的美意識を持っているということです。過ごしてきた家庭環境に起因するのだと思いますが、そういった観点からすると、りりかさんが無印良品に囲まれているのは全く不思議ではなく、むしろ「だろうな」というような感じでした。

そしておそらく僕らがりりかさんのライフスタイルにあこがれを持つのは、我々も無意識的に、潜在的に、日本的美意識を持っているからなのだと思います。まだわずかに我々の中に残っていた日本的美意識を呼び起こしてくれるのが、inliving.というコンテンツなのだと思います。


こんな文章を長々と呼んでくださった方、ありがとうございます。(こんなところまで読んだ人は果たしているのか)

読み返してみると、まぁ読みづらいですね。文章を書く練習も兼ねているので許してください。

では、また。僕でした。




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