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配信ライブをやってみて。

昨日、コロナ禍になってから初めての「配信ライブ」をやりました。見てくれた皆さんありがとうございます。目の前にお客さんがいないとはいえステージに立つのは半年ぶりでした。

ライブハウスで以前のようにライブができない今、配信ライブでどれだけリアルに近づけるか、もしくは配信は別物と割り切ってそのよさを追求していくかのどちらかを見ている人が多いなあと思います。

僕もやるにあたって「せっかくライブハウスでやるのだから家ではできないことをやろう」と考えていました。カメラの角度や臨場感にこだわったり、歌詞テロップを出してみたり、会場全体を使って演出をしてみたり。

だけど参考にいろんな配信を見る中で、弾き語りでお客さんが目の前にいないなら全部逆効果だと判断しました。臨場感や演出はバンドメンバーがいて動きがあったり音圧があるから相乗効果なわけで、弾き語りのライブ配信においては「今、自分に歌われてる」と感じられるかどうかが鍵なんじゃないかと思ったのです。

ライブ映像として販売できるクオリティーのものが作れるならそれもありですが、それなら映像購入するぞと。

映画でも家で見たらスマホを見てしまったり、洗い物を始めてしまったりします。「それだけに集中できない環境」で入り込んでもらって、リアルタイムの意味も持たせるには「1対1になる」こと。

なのでむしろ演出は全部無くして、真っ正面にカメラを1台おいて「あなたに向けて歌う」というシンプルな内容に着地しました。


正直それなら家でもできます。だけど実際やってみて家ではできないことも確かにありました。カメラをズームにするとか、音響を調整するとかそういうことではなく「そこに人がいること」です。

お客さんは会場にいないけど、AZYTATE(アジテイト)の店主のよっくんがライブ中何も言わなくてもそこにいてくれた。それだけで何だか楽しかったのです。カメラに近づいてふざけてみようというテンションになれたのもその影響だったと思います。

そして「一周年やから祝いに来てや」とその場所に呼んでくれたこと。やっていることは同じでも、どうしてやるのかが違います。セットリストも話したい言葉も変わります。昨日の配信ライブは確かにライブハウスでしかできないものでした。


この言い方だと配信を見ている人はそこにいないみたいじゃないかと感じますよね。コメントを見ながら楽しんでくれているのがわかりました。歌ってよかったなと思いました。だけどその分「あなたがここにいない」ことも強く感じてしまったというのは本音です。

歌い終わった後に拍手の音が聞こえない。拍手をしなくても息を止めてそこにいる感じや、曲の余韻が残っている空気がないのはどうしようもなく「あなたがいない」でした。もはやライブではお客さんの空気さえもアウトロなんだなと思いました。せめて見てくれている人の表情が僕にも見えればいいのですが、ZOOMみたいな感じになると歌に集中できないんだろうなあ。

分かってはいたことですが実際に体験してみると思ったよりも寂しかったです、その寂しさをよっくんがいることで分かち合えていたのがとても大きかったです。あそこにカメラ一台ポツンとあるだけだったらあんなに楽しめなかったかもしれない。

それでも、画面の向こうにいるあなたにできるだけ近くライブを届けたい。画面の向こうから届く気持ちをできるだけコメントから受け取りたい。そう思いながら歌っていたので、終わった後「よかった」と言ってもらえてホッとしました。その言葉があればやってよかったと心から思うことができます。

結果的に配信ライブを楽しくやることができました。そして配信はリアルの代わりにはならないという貴重な実感も得ることができました。


ここ最近はSNSや配信に疲れてきた人が多いんじゃないでしょうか。友達もいいねや視聴数が減ってると言ってますし僕もそう感じています。そして発信する側としてもリアクションが返ってこないのは辛いです。

実のところここ1ヶ月「僕が歌う意味なんてあるのか?」と自問自答することが増えて、配信ライブの前日も朝5時過ぎまで悩んで眠れませんでした。反応がなければしばらくシンガーソングライターとして歌うのはストップしようという選択肢もありました。(踏みとどまりました)

出した結論は、今までのように「知ってもらうために」「売れるために」とガッツリ外に向けた活動を一旦やめることです。ライブもできない、反応をもらうのも難しい中で評価ありきの動きをするのは僕にはできない、というかやりたくないと思いました。

音楽を始めたての頃は地元の駅前に行けば誰かが歌っていて、僕もゆずや19の楽譜を持って一緒にハモったりしていました。そういう音楽の遊び方が今でも僕は一番好きです。イベントなどでコラボ曲になるとはしゃいでしまいます。(大人数になるとキョドッて引っ込みがち)

こんな時だからこそ、一度あの頃みたいにただ楽しく歌ってみたいと思っています。音楽仲間と一緒に曲を作ったり、スタジオで好きな曲をセッションしてみたり。その楽しんでる空気を配信したりする方向で行きたいです。配信ワンマンライブをやってみて「あなたといる」ができるのはそこだなと感じました。


最後に改めて、昨日の配信ワンマンを見てくれたあなたと、AZYTATEのよっくんのおかげで難しい状況の中楽しく歌うことができました。元気が出ました。この時期を楽しく乗り切っていくべく心や考えを止めず暮らしていきたいと思います。


アーカイブが1週間ほど残っているのでよかったらご視聴ください。

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視聴数も投げ銭も結構いい結果だったみたいです!そのお陰で現金にも元気が出ました(笑)

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