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人に会うってこういうことだったんだ

シンガーソングライター、作詞・作曲家の後藤大です。

昨日は有観客ライブで「人に会うってこういうことだったんだ」と強烈に感じさせられ、本当に幸せだったことをつらつらと書きます。

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左から後藤大、呼んでくれたmiyabiさん、小西直人さん、後藤タカヒロ

リハが終わって会場までの間にみんなでワイワイと話していました。30代を過ぎてもドラゴンボールやスラムダンクで盛り上がり仲良くなってしまう。男ってこうだよなあと笑い合って始まる前からとてもいい空気でした。

小西さんの腕に黒い龍の刺青が掘ってあって「炎殺黒竜波や!」とステージでもいじらせてもらいました。タカヒロが「言ってくれたら包帯買ってきたのに!」と悪乗りしてまた笑ったり。こういう小さなことも楽しかった。

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お客さんもみんな「ライブを楽しむぞ」と主体的に思ってここに来たんだというのが伝わってきました。マスク越しだと表情が見えないと思っていたんですけど、あんなにニコニコしてくれたり、目を潤ませてくれていたらマスクをしていてもどんな気持ちでいてくれるのか分かるんですね。

それに影響を受けて僕も楽しくなったり、泣きそうになったり、歌に熱がこもったりしました。ギターを思ったより激しくジャカジャカしている自分もいました。

機材トラブルで音がバリバリと割れてしまう時間もあったのですが、スタッフさんが一生懸命直そうとしてくれて、ステージ裏でタカヒロが自分のギターと交換できるように待っていてくれて、お客さんもあたたかく見守ってくれました。

MCでも言った通り、miyabiさんは僕に「才能がある」と言ってくれるけど、もしあったとしてもそれを使って誰も笑顔にできなかったら意味がなくて、めっちゃいいメロディーかけても僕が嫌なやつだったら誰も助けてくれてなかったと思うんです。

才能の話とは逆にトラブルも使い方によっては笑顔につなぐことができる。それはステージに立っている自分の役目。トラブルさえも「今僕は人と会って気持ちを交わしているんだ」と思う材料にできていい思い出になりました。


終演後はお客さんが歌の感想を話してくれたり、タカヒロと同い年の悩みやこれからのことを真剣に語って、同世代っていいよなと思ったり、その横で笑ったらケツバット大会が開かれたりしていてカオスな空間でした。

この「同じ場所にいるのに違うことをしていて、気がついたらくっついたり離れたりしている」のもオンラインではできなかったよなとハッとしました。miyabiさんがケツをバシバシされてるのを見ながら。

最後はゲーム音楽のことで熱くなっているところを「そろそろ店閉めます」とたしなめられて名残惜しくも解散。イベントは21時に終わったのに気がつけば深夜の2時前でした。


一人で歌うのとステージで人前で歌うのはウォーキングとランニングぐらいの違いがあって、30分のステージでもクタクタになります。でもそれは歌だけではありませんでした。

自分という人間を丸出しに人と対面して、反応に影響を受けて心を開いたり閉ざしたくなったり、思いもよらぬ感情が溢れ出してきたり、無意識に五感でも何かを知覚する。つまり「人と会うこと」で僕はこんなにも膨大なエネルギーを使っていたのだと思い知りました。

今日起きたら身体が痛いし重いしで起きられませんでした。でも心が満たされていて生きている気がしたのです。息は吐き切らないと吸えないように、感情というエネルギーも思い切り消費しないと心って枯れていくんですね。

それは物理的には人と会っていても心を動かしていない時も同じ。会っているけど会っていない、やっているけどやっていない、そんな時間がたくさんあったこともずっと停滞したり歌えていなかった時期があったからこそ自覚しました。

僕は音楽活動で何がしたいのだろう、何が好きなんだろう、その答えを見つけてから初めての有観客ライブでしたが、肉体でも間違っていなかったと思えました。

人に会って心のやり取りができたとき、抱えていた寂しさを忘れられる。その時間が嬉しくて、大切で、愛おしいから僕はステージで歌いたかった。それが前提にあるからステージを降りても笑い合うことができた。


SNSでは書かなかったけれど今回僕は動員の面で応えることができなくて、そこは悔しさとしてちゃんと持ち帰りました。今の現状を伝えて、それでも好きだから出てほしいと言ってくれたmiyabiさんの胸を借りて笑うことができました。

大きな感謝ができました。時間はかかるかもしれないけどこれから後藤大を好きになってライブに来てくれる人にもっと出会って、返したいと強く思っています。

そして今回は来れなかったけど、行きたかったと言ってくれるファンのみなさんもいてくれます。僕のやっていることはゼロじゃない。悔しいときほど少し遠くを見て歌っていきます。

改めてこんな1日を作ってくれたみなさんと、そこに呼んでくれたmiyabiさんに心から感謝です。ありがとうございました。またライブや、配信でも一緒に音楽ができるのを楽しみにしています。

今日の配信もそんな気持ちを語っていました。リアルの変わりにはならないけれど、配信なりの「会っている感じ」を見つけていきたいな。





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