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SVB破綻で考える 短期投資戦術のヒント

昨日、SVB経営破綻による今後の影響について見解を述べました。

今日も、SVB関連の新たなニュースをチェックしましたが、週末にも関わらず、次々に新たな動きが出てきています。

このように、問題はスタートアップ企業の資金繰りに関心が移っているように思われます。
SVBに資金を預けていたスタートアップは、大量の資金を引き出すことができません。当面の給与払い、外部委託先への支払い、など、資金繰りの問題が発生し、連鎖的に倒産や個人破産などに波及するリスクも考えられなくはありません。
※できるだけ政府やFRBの迅速な施策により、混乱ないことを祈っています。

当面、マーケットは神経質になるでしょう。
普段であれば、気にもしないような小さなニュースに対しても敏感になるかもしれません。また、この2〜3週間で予想もしないようなニュースが出る可能性もあります。

直近の1ヶ月程度で予定されている重要イベント

そんな中、予定されている重要指標の発表のイベントは、次の通りです。

3月14日 米国 2月消費者物価指数(CPI)
3月15日 米国 2月卸売物価指数(PPI)
3月16日 欧州中銀政策金利
3月23日 FOMC政策金利

想定されるシナリオとしては、「CPIは引き続き強い」「PPIも引き続き強い」です。
金融政策は、とてもパワフルな効果があるものの、その効果が現れるまでにはタイムラグがあると、パウエル議長も発言しています。
1年程度は効果が出るまでに掛かるとみた方が良いかもしれないです。

昨年の米国政策金利は、
2月 0.25(+0.25)
3月 0.5(+0.25)
5月 1.0(+0.5 )
6月 1.75(+0.75)
7月 2.5(+0.75)
9月 3.25(+0.75)
というように、丁度1年前に利上げを開始したばかりであり、その政策効果が出るには、まだ時間的に難しいかもしれません。

また一方で、米国は、インフラ投資法案など、大規模な財政出動政策もあり、金利上昇でブレーキを掛けつつ、一方でアクセル踏むという矛盾した経済政策状況になっています。簡単に、雇用情勢や経済状況が悪化するとは考えにくいのではないでしょうか。

恐らく発表されたデータによって、FRBは更に頭を悩まされることでしょう。

”SVBの経営破綻で、こんな時に更に金利を上げるのか?”
という見方と、
”この頑固なインフレを放置して良いのか?”
という意見が交錯する中で、強いCPIが出た場合には短期的にマーケットは大きく崩れたり、売られ過ぎからの買い戻しで、大きく戻したり、と波乱の展開になる可能性が考えられます。

短期的な投資戦術をどう考えるべきか?

マーケットが動揺し、急激に変動する場合には、VIX指数が高くなります。
VIX指数はETFとして売買可能となっています。
VIX関連の商品で短期的なマーケットの動揺を吸収するというのは一つのアイディアです。

また、米国株などに投資している場合には、米国のベアファンド(S&P等が値下がりすると、株価が上昇するファンド)などで、ヘッジするのも1案です。自信を持てれば、3倍ベア、5倍ベアなどのレバレッジをかけた商品もあります。

ただし、当然、短期的に買い戻しされてS&P全体が上昇すると、大きな損失を被りますので、タイミングや自身のポートフォリオを見ながら慎重な判断が必要になります。

国内においては、地銀が米国債を多く保有していることは知られています。
実態として、国内地銀の預金者は個人が多く、預金引き出しの動きは考えにくいことから、実質的な影響はないと考えられますが、「米国債保有による金融機関破綻」という連想から、短期的に売り込まれる可能性があります。
マーケットの状況次第では、地銀銘柄に関して短期的に空売りなどでヘッジするのは一つのアイディアではないでしょうか。

ディスクレーマー

この記事は、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券やその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりするものではありません。

分析は広く入手可能な開示資料のみにもとづいて行われております。
このため、本noteでの見解や情報について、完全性や正確性、信頼性を保証するものではありません。

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