ドサクサ日記 10/23-29 2023

23日。
喉以外の調子は随分と良くなった。喉についても、すっきり快調とは言えないが歌えるくらいには回復した。繁華街で病院の予約時間までの時間を潰すべく、喫茶店を調べる。「食べログ」の評価と俺の評価に差があることを頻繁に感じるので、こういうときはGoogle先生一択と決めている。私情がほとんど見えないところが良い。現在地と病院の真ん中くらいの店に行くことに決めた。しかし、平面上の目的地に喫茶店が見当たらない。Google先生は到着したと言い張っている。「こ、こんなところに喫茶店？」というマップ上の情報を現実に落とし込むのに厚労して、店を見つけるのに難儀した。看板もなく、亜空間と呼ぶべき中空にその店はあった。珈琲が出てきた頃には、予約まであと10分。急いで飲んだが美味しかった。

24日。
薬局に行くと薬剤師さんに「痛風ですか？」と聞かれた。尿酸値を下げる薬を飲んでいるから仕方がないが、痛風の発作は出ていない。おそらく俺との心理的距離を縮めるための言葉だったが、妙に恥ずかしい気持ちになって「数値が高いので飲んでいます。症状は出ていません」と即答してしまった。別に痛風は恥ずかしい病気ではない。というか、恥ずかしい病気というのはあるのだろうか。病気そのものが恥ずかしいというよりは、病状が出るまでの過程において疾しいことがあったり、原因が明らかに自分の行動にあったりすることが恥ずかしいのではなかろうかと思う。痛風というと、とにかく食べたいものを食べ、飲みたいものを飲みまくり、贅沢のかぎりを尽くして発症する、みたいなイメージが俺にもある。実際はそんなことはない。生活に改善点はあるとしても、体質の問題だろう。下がれ、尿酸値。

25日。
丸亀製麺の肉饂飩は、いい加減、店頭で肉を焼くのをやめたほうがいいんじゃないかと、ひとりのヘビーユーザーとして思う。店の忙しさによって焼き加減にムラがでる。別に毎度焼かなくても、寸胴とかで煮込んだ肉と玉ねぎをブチ混んでくれるだけで十分だと思う。店員のオペレーションも楽になるだろう。そうすると現場の従業員の顔も少しイキイキして、繁忙時の殺伐さが軽減される。気がする。

26日。
コンビニのドカ盛りの麺が異様に気になって、口までもがニンニク入りの豚骨のあの感じになって、絶対に買ってやる！と意気込んで入店するも、毎度のようにやっぱりやめておこうと思いとどまる。体調の問題もあるけれど、シールに印字された1000kcalを超える熱量を見ると尻込みしてしまう。ほとんどが腹回りに脂肪として収納されることを考えると恐ろしい。コーヒーとちっさいパンで十分。

27日。
帰りの道中のアパートの階段に、金髪と茶髪の間くらいの色合いの頭髪で、軽いリーゼントみたいな髪型のヤンキーが座っていた。むちゃくちゃこっちを見てくる。嫌だな、怖いなと思って静かに目の前を通り過ぎようとしたところ、元気のない婆さんだった。こんな夜更けにぽつねんとアパートの階段に座っている。シンナーを吸う以外の用事で座ることがなさそうな階段だったので、余計に心配になった。

28日。
特に用はないけれど図書館に出かけた。良い図書館のある町は信用できる。こういう施設を真っ先に無駄と判断するような議会があるような町が、市民教育や文化に理解がある可能性は低い。一生読みきれない本。料理の本だけでも、その数に圧倒される。勉強する人、調べものをする人、仕事をする人、俺のように用事もないのに来て適当な本を読む人、いろいろな人がいる。どういうわけか居心地がいい。

29日。
すっかり秋になった。割とタイトな身幅のジャケットにTシャツだと少し肌寒い瞬間がある。タンスを覗いたがフーディーが一着もない。リサイクル業者に寄付してしまったのか、保管クリーニングに出したままなのか。厚手の上着がもう少しすると必要になるのかもしれない。秋と春は洋服を選ぶのが楽しい時期だと思うけれど、最近は冬と夏だけがくっきりとしていて、春と秋があっという間に過ぎる。