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ドサクサ日記 8/28-9/3 2023

28日。
ミキシング作業。仕事を早めに片付けて、夕方からは湯治へ。じっくりと温泉に浸かって心身を癒す。温泉というか、お湯に浸かって身体を温めると肩の痛みが随分と楽になる。決して良いとは言えない状況だけれど、温泉は良い。あまりに良いのでいいよなおじさんと化す。入浴中に歯のない爺さんから「シャワーの止め方がわからない」と相談された。風呂場で急に話しかけれられるとびっくりする。

29日。
レコーディング。3曲の歌の録音。インディではよくあることとはいえ、なかなか痺れる行程。もう少しじっくり時間をかけて録音したいところでもあるけれど、それぞれ別の仕事をしているので(俺も然り)、なかなか集まる時間がない。貴重な時間を使ってみっちりと作業。終わってからは横浜の家系ラーメン。こってりラーメンにはホメオパシー的な効能がある気がする。身体に悪いが故のエナジー。

30日。
前日の作業を頑張ったので、この日はリハーサル後のレコーディングが休みになった。空いた時間で、気になっていた南インド料理屋に寄った。レコーディングでL.A.に長期滞在したとき、宿の隣にあったのが南インド料理のレストランで、そのときに食べたDOSAという料理がとても美味しかった。日本ではなかなか食べられるところがないけれど、店を見つけると無性に食べたくなってしまう。

31日。
テルスターの千葉さんの50歳の誕生日ライブ。渋谷クアトロにて。客演と録音ミックスで参加したSPACE WALKERの演奏時に呼び込まれたときには、アドレナリンによって千葉さんはバキバキにキマっていて、楽しすぎて変な絡み方をしてくるときの顔だった。誕生日だから仕方ない。いやむしろ、このような幸福でキマりあがった顔をしているのは素敵なことだと思う。演奏もとても良かった。ストリングスのゲストが入って、イベントは中盤なのに大団円的な雰囲気を作ったり、持ち時間を大幅にオーバーしてしゃべり倒したり、楽屋の弁当が体育会系の中学生しか喜ばないような感じだったり、やりたい放題だなと思ったけれど、そのどれもがテルスターの最高のライブで洗い流された。今まで観たテルスターのライブで一番良かったのではないかと思う。アジカンも懐かしい曲を演奏したり、短い持ち時間のなかでサーフの曲を3曲も演奏したり、とても楽しい夜だった。打ち上げは欠席。

https://open.spotify.com/intl-ja/track/5I88SwLvFI4qzSU6aOFUCv?si=a5047caefe5c42eb

https://music.apple.com/jp/album/spacewalker-feat-gotch-single/1700039642

1日。
肩のリハビリ。ストレッチをしていく過程で、原因のひとつと思しき筋の断裂が発覚する。切れているからショックというわけではなく、むしろ安堵する。肩の関節はとても複雑な成り立ちだけれど、痛みの原因がはっきりするのは嬉しい。漠然とした痛みに立ち向かうのではなく、解決に向けたアプローチというか、道筋が見えるようになるからだ。快調には程遠いが、いくらか気持ちが落ち着いてきた。

2日。
ツアーの準備を始める。まずは以前に作った譜面を歌詞カードに書き写す。ツアーのときは歌詞カードをクリアファイルに入れて、間違ったところをマークしながら身体に言葉を叩き込んでいく。演奏は考えなくても自然にできるように練習する。そうしないと言葉が身体に入ってこない。歌詞はどんなに間違えようとも、プロンプターは使わないようにしている。大変だけれど、自分の機能を信じたい。

3日。
WANIMAにお呼ばれしてワンチャンフェス。とても楽しかった。KREVAと久々に話せて嬉しかった。暑かったのでフル尺とはいかなかったが、すべてのバンド/アクトを袖で観た。それぞれの魅力が発露されていて眩しい。エルレとWANIMAは最初から最後まで観た。どちらも真っ直ぐにエネルギーを客席に放っていて、幸せな気持ちになる。こういうバイブスは誰にでも出せるものではないと思う。ステージの最後の最後に、「道が混むから」という理由でホテル行きのタクシーに乗せられた。後々になって確認すると、出演者が皆でステージから写真を撮影していた。ノーチャンスだった。その後は熊本市内で打ち上げ。会場の隅っこで静かに固まって、エルレのゆうちゃんやキヨサクと内容の薄い話をしていた。遠くでは若いバンドマンたちが楽しそうに盛り上がっていた。ノーチャンスであった。エルレから続くような眩しいロックの系譜。溌剌としたヤンキーと書くと荒れたり燃えたりするのかもしれないけれど、こういうサウンドはひとつのロックの花形で、何度も書くが熱くて眩しい。彼らが照らしている膨大な人々の人生を思うとグッとくる。ワンオクもウーバーもWANIMAも、どこまでも突き抜けてほしいなと思う。酒場の片隅で、自分は石ころのようだなと滅入ったが、自分らしく転がって行きたい。