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回文集「くるくる・えぶりでい」9/25

きょう9月25日は、「藤ノ木古墳記念日」です。1985(昭和60)年のこの日、奈良県斑鳩町の藤ノ木古墳が発掘されたことから制定されました。直径約50メートル、高さ約9メートルの円墳で、6世紀後半に作られたものと推定されています。場所は法隆寺西院伽藍の西方約350メートルに位置し、現在は寺周辺の観光スポットになっています。正岡子規の「柿食へば鐘が~」の句を用いて、それでは回文を。


 柿食らひ日、鐘の音。
 発掘は、遠の願ひ、開く気か。

[かきくらひひ かねのおと はっくつは とおのねがひ ひらくきか]


発掘の開始から、3年後。日本国内の発掘調査史上初となるファイバースコープを使った石棺の内部調査が行なわれ、やがて2人の被葬者が見つかりました。発掘に携わった人たちもまた、俳句を詠んだ子規と同じように柿を食べ、法隆寺の鐘の音を聞きながら作業を行なったのでしょうか。安らかに永遠の眠りをという古の人たちの願いを、開いてしまったのでしょうか。


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