「アンパサンド株式会社」に社名変更したワケ
キュービックベンチャーズは2023年10月1日付で社名を「アンパサンド株式会社」へ変更することを発表しました。このnoteではプレスリリースでは説明しきれなかった社名変更への背景を書き留めたいと思います。
アンパサンドの歴史
アンパサンドはこれまでベンチャー投資を中心に行ってきました。特にシードステージのスタートアップに対してキュービックとのシナジーを生み出すことを念頭にプリンシパル(自己勘定)投資を実行しています。実際にいくつかのスタートアップとの業務提携も生まれてきています。
一方でキュービックではデジタルメディア以外の新規事業領域の立ち上げを強力に推進しています。ここ数年は社長室直下で独立した権限を持たせデジタルメディア事業での活躍人材を抜擢し新規事業立ち上げを強化してきました。その結果多くの新規サービスをローンチしましたが持続的かつ急激な成長を実現するには至りませんでした。
インキュベーション事業へのフォーカス
このような中で、独立した先行投資予算と意思決定できる組織及びキュービックの事業に影響されない集中できる環境が必要とであると判断し、2022年10月から新規事業開発のチームをアンパサンドに移管しスピンオフまでのプロセスをルール化して本格的にインキュベーション事業を展開することになりました。
さらには2023年4月に筆者がCEOに就任した後、「インキュベーター」というアイデンティティーを強く標榜し新たなるインキュベーション戦略としてEIR制度「Sand Hill Road」を強力に推進しています。これによりベンチャー投資事業の注力はせずにインキュベーション事業にフォーカスする「インキュベーター」をアイデンティティーにする意思決定を行いました。
イベントでの活動
今年に入りオフラインイベントが多くなったこともあり、スタートアップイベントにて多くのアントレプレナーやベンチャーキャピタリストに直接お会いしてアンパサンドのインキュベーションプロセスやEIR制度について説明させていただく機会を持たせてもらいました。
お会いする方々と名刺交換するたびに「キュービックベンチャーズ」という社名からCVCのイメージされ、新規事業インキュベーションの説明やEIRの説明の前に割と時間をかけてベンチャー投資事業の説明が必要となりました。
実際「〇〇ベンチャーズ」という名称は多くのベンチャーキャピタルやCVCの社名に冠されていることからインキュベーターとしてのアイデンティティーを主張するには新たなる社名が必要との思いが強くなったのが7月ごろです。その後社名変更の意思決定を行いました。
新社名の決定プロセス
その後いくつかの新社名のネーミング案が出た中で3つのネーミングに絞られました。
1 「4-dimension」
>4次元>3次元+1(キュービック+1)
2 「Matrix」
>マトリクス>母体>子宮>(インキュベーターとして)生み出す
3 Ampersand
>アンパサンド>&>And>アイデアをつなぐ
この案の中で最初は「4-dimension」が強い印象であり新社名候補として濃厚でしたが、名は体を表すという観点からは「アンパサンド」が筆者のイマジネーションを強く刺激してくれました。役員陣で議論を行い商号調査や商標調査を経て最終的には「アンパサンド株式会社」に決定しました。
敗者復活
実はこの「アンパサンド」のオリジナルアイデアは18年前に遡ります。2005年4月に筆者がネットエイジで設立したブログエンジン株式会社(その後フィードパス株式会社に商号変更)を起業する際に見事にボツとなった社名アイデアである「Ampersand Technologies」から持ってきました。当時のトレンドはWeb2.0で、Blogやブログというワードを社名に冠したほうがWeb2.0ベンチャーであるアイデンティティを主張できたのです。
次回はこの社名に込めた様々な想いを綴っていきたいと思います。