見出し画像

『あらゆる人にやさしい宿』詳細

有馬の湯は古来より、訪れる人々の心身を癒して来ました。
私たちの宿は、訪れる人にやすらぎを、去り行く人に幸せを提供したいと考えています。

はじめに

本願寺中興の祖、蓮如上人は文明15年8月22日(1483年9月23日)山科本願寺を完成、建立しました。その少し前の、5月29日最愛の長男 順如が病死しました。
その心労を癒したのが有馬の湯です。
文明15年8月29日から9月17日まで御所坊に逗留されました。

今までの取り組み

地球の恵み“温泉”を甘受して生業を行ってきましたが、1995年1月17日5時46分 阪神淡路大震災が起こりました。
改めて地球の力を見せつけられましたが、地球環境を考えるきっかけになりました。

ホテル花小宿

震災後廃業した宿を借り受け、御所坊では受け入れしにくかったお客様にも対応できるような宿をつくる事にしました。
テーマは「人と地球にやさしい宿」

(1)バリアフリー
・新型ロンドンタクシーを日本で最初に導入しました。これで車椅子や目の不自由な方、お子様など幅広いお客様を送迎する事が出来るようになりました。

・玄関に至る坂の段差をなくしました。

・たたきから廊下までの段差を解消するために、特別に昇降機をつくりました。(私たちはサンダーバードと呼んでいます)

・車椅子用の共用トイレをつくりました。

・バリアフリールームは、高さや角度が変えることができ、手すりも備えたベットを用意しました。
洗面所も車椅子の型が使用しやすい洗面器設備を備えています。
便座に昇降装置を設けました。(一般の人から不評の為に現在は撤去しています。)

・貸切浴場の整備
浴場を貸切制にすることで、介護の為の方も便利にしています。
専用の車いすを備え、脱衣場から浴場まではスロープを設けました。
浴場内には手すりなどの設備を設けています。

・一階の廊下
廊下の真ん中に黄色系の畳を敷いています。この事で視力の弱い方にも安心してご利用頂けます。

・レストラン
レストラン内にも車椅子で入店できますし、専用の場所を設けています。

(2)人にやさしい取組
・働きやすいシステム構築
日本旅館で先駆けて、寝具をベットにしました。旅館業務の見直しを行い、宿泊者にも好評です。

・脱ハラスメント
オープンキッチンにする事で、働いている様子がお客様に見えるようになりました。その事で職場内でのパワハラ等が出来ない環境をつくり、自然とハラスメントがない環境を作り出してきました。

・過ちを犯した人も立ち直る事が出来る取組み
社長は2008年から協力雇用主会の会長を務めております。
罪を償った人を社会が受け入れると、再犯率が下がるという事で、社会復帰の取組の応援を行っています。

陶泉 御所坊

御所坊は登録有形文化財に指定されている昭和初期の木造三階建ての宿です。また階段状の土地に建っている為に、玄関階から最上階までは4階分の階段を上がって頂く必要があります。

エレベーターを設ける事ができないので、階段を利用して頂くしかありません。各階段と階段の間には少し休んで頂くスペースを設けています。

かつて木造建築は段差があることがステータスでした。しかし、各部屋内の段差は極力解消しています。

(1)4世代が過ごせる部屋
コロナ期間中に6室の部屋を使用して、2室の特別室をつくりました。
3世代、4世代のお客様に対応した部屋です。

温泉付きスイートルームの501号室は、4世代のお客様をお迎えする事ができます。4世代の一番年上の方は90歳前後のお年を召されていると思います。

室内に入室の際には、必要であれば金の湯の方から回って頂ければ、地上一階になります。裏玄関からスタッフが少しお手伝いさせて頂ければ、室内に容易に入ることが可能です。入室すればすべてバリアフリーとなっています。

(2)有馬の源泉を御家族で
有馬の源泉をかけ流しでお部屋で入浴できるのは、有馬唯一だと思います。
有馬の温泉は濁り湯です。
足元が不安な方でも安心して入浴して頂ける設備を整えています。

浴槽内の木の扉を外すとステンレスのパイプが現れます。
そして入浴用の椅子が現れてきます。
この椅子がスライドして、座ったまま浴槽に入ることができます。
後は、お子様やお孫さん、そして曾孫のお子様まで一緒に温泉を楽しむことができます。その為の十分な広さのある浴槽です。

(3)超長期滞在も可能です。
お気に召せば、超長期のご滞在も可能な設備を設けています。
例えば、真夜中でもお食事をして頂けるように、ミニキッチンを備え、洗濯も可能なように設備を設けています。

そしてご希望であれば、備えているベットではなく介護用のベットなどを手配することが可能なようにつくっています。

有馬玩具博物館ホテル・アルゴ

(1)おもちゃ博物館のホテル
小さなお子様は、どうしても珍しい所に来ると動き回られます。
御所坊や花小宿は古い木造の建物ですので、他のお客様の迷惑になることもあります。
そこで有馬玩具博物館の1フロアーに4室の客室を設けました。
そして2つの客室をコネクティング・ルームとして使用できますので、2組のご家族や親御様と利用されるのに良いようにつくっております。

館内は客室はもとよりバリアフリーです。

今後の取り組み


ホテル花小宿は先駆的にバリアフリー化に取り組みましたが、御所坊は構造上階段が多く、一般的なバリアフリー化は望めません。
しかし“心のバリアフリー”化は可能です。スタッフがお手伝いする事で、ほとんどのバリアフリーは可能だと考えています。

現在、多くの海外のお客様を受け入れています。
それに伴い色々な国の人達もスタッフとして働いています。

株式会社御所坊は、心のバリアフリーをモットーに、多様性を重んじています。

2030年に向けて

・四世代宿泊プラン
・バリアフリープラン
・多様な食に対応するプラン
2030年に向けた指標
・全宿泊の20%

重点的な取組
・プランの調査・立案
・先進施設の視察(従業員)
・従業員への勉強会や教育実施


この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?