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業績予想_PR TIMES[3922] 2022年2月期3Q

PR TIMESの3回目の業績予想記事になります。先日のアクシージアの売上予測は下値を推計するコンセプトでやりましたが、こちらのコンセプトはピタリ賞狙いです。それからこの記事を公開するうえで隠す気もさらさらありませんが、2020年4月以来の長期株主が書いています。

今回は新しい試みとして、売上予測のあとに営業利益も予想してみました。


1. 過去の業績予想

過去、PR TIMESの売上を予想してきた結果は、以下の通り。
21年2月期1Q ◎ 公開記事
予想805-817百万円→実際818百万円

21年2月期3Q △ 公開記事
予想:3Q単体売上1,091百万円、1-3Q累計は2,832百万円(YonY 130.8%)
実際:3Q単体売上1,027百万円、1-3Q累計は2,769百万円(YonY 127.9%)

記事にはしていないけど22年2月期2Q 〇
予想:2Q単体売上1,197百万円、1-2Q累計は2,324百万円(YonY 133.5%)
実際:2Q単体売上1,169百万円、1-2Q累計は2,296百万円(YonY 131.9%)
でした。
以下は当時の決算発表前のチャット(2Q決算は10/14発表)
粗利率と販管費を予想してみたら、粗利率は0.5%ズレ、販管費は2千万円のズレで割と予想通りだったので、それならとばかりに、今回は粗利と販管費を同じように予想し、営業利益も予想してみます。


2. 2022年2月期3Qの売上予測

3Qは9-11月ですが、9月と10月は頑張れば誰でもできる手法で、11月は追い求めたイノベイティブサステナブルモデルを実装しての予測となりました。
更に過去の予測と実績との乖離を踏まえてPDCAをクルクルしており、具体的には、従量課金(1回のリリースで3万円)ではない定額プラン(7~8万円/月)利用企業の割合増加を見込んだ予測としました。過去2回、少し高めに予測してしまった原因がそこにあると思っています。

その計算によると、3Qの売上は以下の通り。

3Q単体1,337百万円(YonY 130.2%)、1-3Q累計は3,633百万円(YonY 131.3%)

これは多少計算より下ブレようが、3Q単体の前年同期比が2Q(126.8%)よりも確実によくなるという予測です。
もしそうならなかったら、もう金輪際この会社の業績予想をやめます。

会社の下期計画が前年比123.5%であることもわかっていますが、3Q単体はその計画を上回る好業績であると確信しています。

売上予測(黄色が今回の予測)

※上記の数値から乖離が生じる可能性について
影響は小さいですけどリスク要因として書いておきます。
これは毎度のことなのですが、JootoやTayoriの有料登録や、その他のサービスによる売上が、これまで通り会社全体の売上の一定の割合を占めている想定で予想しています。それらの小さい事業の売上が急激に伸びていたり、一転減っていたりすると乖離が生じます。
月額契約や半年契約、年間契約している会社の割合が増えると、プレスリリース件数の伸びに対して、売り上げの伸びが鈍化するというビジネスモデルなので、最近高まっていると思われるこれらサブスク比率が私の想定以上に増えていると乖離が大きくなります。
いずれのケースでも生じる乖離の程度は軽微ですが、こうした予測不可の部分があるのを踏まえての予想値となります。


3. 2022年2月期3Qの営業利益の予想

次に営業利益です。2Qのときと同じように粗利と販管費を予想し、売上からそれらを引いて営業利益を予想してみます。こちらは科学的根拠とまでは言えないので、予測ではなく予想レベルです。

3-1. 粗利率の予想

理解しておくべきは2021年5月から料金改定があったということ。この影響で、粗利率は今年度増加傾向にあり、1Q(3-5月)は四半期の1/3だけ寄与、2Q(6-8月)で初めてフルに寄与しました。
3Qの粗利率は2Qと同程度の89%と想定しています。

粗利の予想(黄色が今回の予想)


3-2. 販管費の予想

企業の活動は継続して見ていますが、3Q期間において大きな投資はなかったと思います。以下、細かく見ていきます。

1Qの販管費は膨れ上がっていたのですが、決算説明資料によるとその理由は、「人件費、サーバーやシステム関連など先行投資の結果として大幅に増加」と説明されていました。販管費については、2Qと同じで、1Qで特別に発生したこのシステム関連投資が3Qにおいてはないだろう、という考え方がまずあります。
3Q(9-11月)の活動を振り返ると、9/22に詳報があった、不正アクセス関連の調査というものがありました。この調査を社内でやったのが、外注を入れたのか不明ですが、もし外注を使ってシステムの脆弱性検査をしていた場合は、数百万円程度の費用が発生している可能性があります。ですが、その程度であれば影響は軽微です。
また、広告宣伝活動に関しては、3QはForbes JAPAN12 月号への企業広告出稿があった程度でした。広告宣伝費は昨年の3Qと代り映えしないと思いますので、結局3Qの販管費トータルは、2Q並みの530百万円前後に落ち着くいう予想です。

販管費の予想(黄色が今回の予想)

これは前年同期比で販管費が約1億円増加しているというということになりますが、その主要因は人件費であると考えています。1年で社員数が1.5倍(2020年2月末 96名⇒2021年2月末 152名)に増えていて、採用活動費や推定年収に思いを巡らせると、3か月で1億弱くらいあって不思議ではないです。この考え方は2Qのときと同じです。


3-3. 営業利益の予想

ここまでで売上と粗利率と販管費を予想してきました。
それぞれの数値から計算される、3Qの営業利益は以下の通り。

3Q単体660百万円(YonY 141.3%)、1-3Q累計は1,557百万円(YonY 150.5%)
営業利益の進捗率が89%。

営業利益予想(黄色が今回の予想)

3Qは毎年売り上げが最も高くなる四半期であり、宣伝費が少ないと利益に関しても最も高くなる四半期なので、今回は非常に見栄えの良い決算になりそうです。


4. 「40%ルール」(売上高成長率+営業利益率)

見栄えの良い決算に関連して、これはおまけです。

PR TIMESの主力事業であるプレスリリース配信サービスは、SaaSビジネスではないですが、前回の決算資料では優良なSaaS企業かどうかを判断する「40%ルール」を意識したスライドがありました。売上高成長率+営業利益率は、40%どころかそれをはるかに上回る70%水準で推移しています。
ここに今回の予測値がどう加わるかを見てみます。

売上高成長率と営業利益率(2Q決算資料)

本記事で示した予測値は、
3Q単体の売上高成長率=+30.2%
3Q単体の営業利益率=49.4%
売上高成長率+営業利益率=79.6% と過去最高値になります。

PR TIMES社は前回の決算から英文の決算短信の同時開示を始めましたが、このスライドも、もし外国人投資家を意識したものであるならば、決算説明資料の英語化も頑張ってほしいところです。


最後に感情が入ってしまいましたが、以上、PR TIMESの業績予想でした。株価に関しては、いつもの通りノーコメントです。


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本記事はあくまで情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄への投資を勧誘するものではありません。投資にかかる最終決定はご自身の判断にてお願いいたします。皆様自身の意思決定に基づいて行われた投資により生じた損失等について、当方は一切の責任を負いません。

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