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"君たちはどう生きるか"

⚠︎︎ この文章は「君たちはどう生きるか」のネタバレを多大に含んだ感想文になります。まだ観ていらっしゃらない方は出来れば一度、何も目に入れずご鑑賞することをお勧めします。ご自衛ください。


2023年7月17日(月) 海の日
遂に、遂に、宮﨑駿の新作を観た。君たちはどう生きるか。

実はこの"君たちはどう生きるか"はタイトルじゃなくてキャッチコピーなんじゃないかとか、この鳥は鳥ではなく人間が着ぐるみを纏っている姿だとか、それはもう色々な憶測が世の中を飛び交っていた。映画に関する情報をここまで知らされないことも、自分から意識して遮断するのも、初めての事だった。だから尚更、ドキドキしてた。ドキドキなんてもんじゃない、心臓が口から飛び出そうだった。でもそれとは別に、映画のチケットを発券しても尚、これからわたしはジブリの新作を観るのだという実感がなかった。

どうしよう、わたしが期待している宮崎駿の絵柄じゃなかったら。もう歳だし、デジタルな感じの絵に移行してもおかしくは無いよな…でも宮崎さんはそんなことしないはず、大丈夫大丈夫。数年前に買った原作小説は途中で挫折しちゃって結局ほぼ未読のまま本棚に眠っているし、あの感じだったらどうしよう…ポスターを見てもなんの事やら分からないし、えぇ…本当に何も分からない。信じてるよ、宮崎さん。そんな感じだった、観る前のわたしの気持ち。

すべて、本当にすべて、杞憂に終わった。

至る所に宮崎駿が詰まってた。というか、宮崎駿詰め合わせボックスだった。一番始めのシーンからもう、涙が溢れて。あぁ良かった、わたしがみたくてみたくて堪らなかったジブリの世界が広がっている。そうそうコレ、コレだよ!コレが見たくてずっとずっと待ち望んでいたの!うわぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!と、胸の内で大さわぎ。その気持ちがすべて涙となってこぼれ落ちるもんだから、持ってきた魔女宅柄のハンカチは開始10分で涙びたしになった。

冒険活劇ファンタジー、正にその通り。
ナヨっとした雰囲気は全く無く、キリリとした眼差しと、人として大切なあたたかさを持ち合わせた勇敢な主人公。
これぞジブリ、と拍手を送りたくなる、ユニークだけれど どこか懐かしさを覚えるキャラクター達。
宮崎駿の空、宮崎駿の雲、宮崎駿の海。
艶々していて本当に美味しそうな食べ物(と、それを美味しそうにかぶりつく主人公)、魔女の家にしか存在しないような鍋、ずっしりとした扉、目の前に突然現れる光の道、不気味な生き物、崩れる階段、ちぎれる蔦。
本当に、てんこ盛り。出血大サービス。特大ギフト。
幼い頃からジブリ作品を愛している身として、これ以上ない贈り物だった。結局これが観たくてわたしは、映画館に赴いたのだ。いくらお礼を伝えても到底足りない程、感動した。

そして思った、82歳宮崎駿、元気すぎないか?
勿論身体はそれなりに衰えてきているのだろうが、あの枯れ果てぬエネルギーは一体なんなんだ。恐ろしすぎる。
すごく酷なことを本気で言うけれど、ずっとずっとずっと死なずに描きつづけていて欲しいと願ってしまう。
……きっと彼は、死ぬ直前まで手を動かしつづける人間なのだろうな。そういう星の元に生まれたのでしょう。
82歳がこんなにもエネルギッシュに生きているのに、23歳が負けてたまるか、と思った。底知れぬエネルギーをいただいた。この作品を世に送り出した今、彼は何を思い、何を創っているだろう。

なんだか今回思った。私は勿論スタジオジブリの創り出す作品が大好きで、今までたくさんのメッセージや感動を受け取ってきたけれど、何よりも宮崎駿のえがく世界観が大好きなのだ。宮崎駿が作品を創る時に必ず余白として残してくれるあたたかでやさしい希望が、わたしにとってとても大きな救いなのだ。だからきっとこの歳になっても、こんな世の中になっても、世界を信じたくなる。希望を捨てられないし、捨てたくない。それは自分の中に確かに存在する核の部分であり、これからも変わらないのだろうなと。明確にこんなことを思うのは初めてで、新鮮だけれど。そう思いました。


結局というかやっぱりというか、エンドロールでも涙が止まらなくて。

久方振りの、待ち侘びていた

" 監督   宮﨑 駿 "

という文字。見た瞬間無事に涙腺ダムが決壊した。
ありがとうございます、チーン(昇天)

はぁ〜〜〜、映画でこんなにベショベショに泣いたの久しぶりだったし、こんなに満足した気持ちで帰るのも久しぶり。宮崎駿の新作が公開されるという情報が公式から伝えられてから約6年。気がついたら相当高めなハードルになっていたにも関わらず、全く失望しなかった。そしてこんなに止まらない濁流のような感想文を綴るのも久しぶり。やっぱりわたしは死ぬまでジブリを愛し続ける星の元に生まれた人間だったみたい。分かってたけどね、改めて。

ありがとう、宮﨑駿さん。
ありがとう、スタジオジブリ。
23歳という年齢で今日という日を迎えられたこと、本当に幸せです。
上映期間がどうか地平線のように長くつづくことを祈りながら、観れるだけ観ようと思います。全国のジブリオタクたち、経済の回し時が来たよ!!!!!!!!ぶんまわそうな!!!!!!!!

…という訳で、今回は初めてnoteで感想文を投稿してみました。ここまで読んでくださり大感謝です。ありがとうございます。

君たちはどう生きるか
私たちはどう生きるか


p.s. 映画終わりに、一緒に観てくれたジブリ友達とお気に入りのカフェに行き、シベリアを食べました。最高じゃない?

お友達が撮ってくれた、にっこにこな私



                               お  わ  り

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