退職する日、手提げ鞄に「大切なこと」を仕舞って夜のオフィス街を歩く
引き継ぎもようやく終わって、今日はひたすらに貸与品の返却処理だった。スマホも、メールデータも、フォルダに保存してきた雑多なファイルも。自分の痕跡を、隅々まで消去していく。会社でやる「消す」作業って、なんだかものすごく、ドキドキする。
この前の休日を利用して揃えた「お世話になりました」の品々たちが、順々に私の手元から離れていく。
朝、出社してまずひとつ。これは同じ部署で働いていた皆に、仕事のお供になるお菓子を。地元で有名なお菓子屋さんで買ったもの。これで息抜きしてください。