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思い立ってさよならを言いに行く

9月1回目の3連休。
最初の2日間は人と接して楽しい気分だったけど、3日目の午後は、なぜか気分が暗かった。
部屋の片づけも、読書もしたくない。ノートを広げてもなにも書けない。

家にいるのがいやになり、外にでる。
少し歩いて停留所に留まっているバスに飛び乗る。
ふとLINEを観ると、学生時代によく行ったスーパーが9月末で閉店するとのこと。
よくよく考えると、このバスの行き先はそのスーパーに近い。
行ってみようと思ったとき、バスは発車した。

普段バスに乗らないので、たまに乗ると、窓の風景が新鮮に見える。
こんなところにこんな店があるんだ、と思っているうちに終点(目的地の最寄り)に着く。

さっそく目的のスーパーに向けて歩く。
入り口近くに行くと「閉店」の文字がはっきり見えてきた。
営業期間は46年間とあるので、私が生まれる前に開店したのだと知り、驚く。

思わず入り口にカメラを向ける。
周りを観ると、私と同じようにスマホやカメラを向けている人が何人かいた。
入り口に向かう途中、すれ違った人が同行している人に「この店は自分の学生時代の象徴」と言っていたのを聞いた。
そんな思いを抱く人も多いだろう。

入り口にはメッセージボードがあり、付箋にメッセージを書いて貼れるようになっていた。
私も付箋を手にとって、メッセージを書く。
店には入らず静かに立ち去る。


千葉県のイトーヨーカドーがどんどん消えて寂しい。

この店だけでなく、周囲の店も大きく変わっていた。
よく洋服を見に行っていたパルコはなくなり、丸井もなくなった。
パルコは建物の半分は完全に取り壊され、もの凄く視界が広がり、戸惑った。

暗い気分を引きずりそうなので、駅近くのカフェに行く。
どこも混んでいるのか、先に席を確保してください、といわれる。
1席だけテーブル席が空いていたので、確保して注文。
ミルクティとアップルパイを持って席へ。


ノートを広げつつお茶を

ノートを広げても、なかなか思いつかず、頭に思いついたことを書き付けるだけ。
さっき行ったスーパーのことも、思いついたことをぽつぽつ書く。

すべてを食べ終えても、まとまりのないことしか浮かばなかった。
でも家を出る前よりは気持ちは落ち着いていた。

すべての物は変わるし、終わりがくる。
でも変わらない物もあると思いたい。


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