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ノルウェー オスロでの出産記録(入院編)

ノルウェー オスロでの出産記録です。

私が出産したのは2021年の1月。オスロ市内にある Ullevål sykehusにて出産しました。1月はオスロもロックダウンされ、まさに世間は新型コロナウイルスに振り回されている真っ只中。出産も影響受けまくりでした。

スパルタな入院生活

日本の出産事情を詳しく知らないのですが、ノルウェーでの出産を一言で表すなら、それは「スパルタ」。

手厚くケアしてくれる日本の病院を想像していると、少し面食らうかもしれません。友人から事前にオスロでの出産話を聞いていましたが、実際スパルタ過ぎてドン引きしました。


まず、産まれてすぐに赤ちゃんをお腹に乗せられ、助産師さんに初乳を絞りとられながら、授乳(その間下半身はチクチクと会陰縫合中)。

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それが終わると、トイレに行ってシャワーを浴び、ちゃんと尿が出るか確認してくださいとのこと。出産後で足腰はもうフラフラ。

その後、「元気をつける為に何か固形物を食べて!」と言われ、分娩室でミートボールにパスタの夕食。

食べ終わると、一息つく間もなく、その後宿泊する部屋へ案内されました。

私が出産したUllevål病院では、出産後はパートナーと一緒に病院併設のホテルで48時間宿泊できます。ホテルといっても、階毎にナースが常駐しているので安心。母体の診察や、赤ちゃんの聴覚テスト等はナースが部屋で実施してくれます。

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部屋は一般的なホテルの設備とほぼ同等と考えて頂ければいいと思います。

2人用のベットに、机、イス、ソファ、テレビ、冷蔵庫。バスタブはなく、シャワーのみ。

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赤ちゃんのオムツ、脱脂綿(赤ちゃんのお尻は脱脂綿をお湯で濡らして拭くように指導されます)、ママのオムツとナプキン等、入院生活に必要な物は無料で頂けます。ミルクやママの痛み止めも必要に応じて支給してくれます。妊婦検診の際に助産師さんが「必要なものは大抵ホテルに揃っているよ〜!」と言っていたのは本当でした。

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さて、いよいよホテルの部屋での生活が始まります。カードキーを受け取り入室後、担当のナースが食事の時間やホテルの設備ついて一通り説明してくれます。が、その後は基本放置。たまにふら〜っと、「調子どう?何か問題ある?」みたいなノリで覗きにきてはくれます。

各部屋にはナース室に繋がる電話があり、何か用事のある時はそこから電話し、担当ナースに来てもらうことができます。

た だ し!!!

時間帯によっては、電話をかけてもかけても繋がらない、そしてナースが来ない。ナースは3〜4人常駐しているものの、担当ナースが決まっているので、担当ナース不在時は、ナース室に伝言が託される仕組み。

従って、これから授乳するから指導してほしい!というタイミングで電話をかけても、その際担当ナースが別の部屋に出払っていればすぐに来てくれず、小1時間後に、遅くなってごめんね〜!と現れる始末。とっくに授乳終わりましたけど、、、っていう。また、夜間はナースの数が減る為、「〇〇が心配だから見に来て欲しい」と電話しても、「その場合は〇〇してね〜。それでもダメならまた電話して〜。」と、まさかの電話対応で完結。

おむつ替えや沐浴の指導もないので、あとはご自由にがんばってねスタイル。

そしてもちろん、夜間に赤ちゃんを預かってくれるサービスもなし。産まれた瞬間からずっと一緒、完全母子同室。

出産がスムーズでかなり体力が温存できた私でさえも、出産した当日が1番元気で、日が経つにつれ徐々に疲弊していく、、、という謎の体験をしました。ちなみに部屋から見えた景色は墓地。1月で日照時間が非常に短い季節だったこともあり、1日中薄暗く雪吹きすさぶ墓地を眺めながらの滞在で、体力だけでなく精神面も厳しかったです。

日本では出産後に病院でゆっくり身体を休められる、といった認識があると思いますが(少なくとも私はそういった認識でした)、ノルウェーの場合は、間違いなく産んでからが勝負です、きっと。

私の場合は旦那が一緒に泊まってくれたので、授乳以外は一緒にやってくれましたが、この環境で1人で過ごすのは相当きついのではなかろうか。

食事事情

お食事は、ホテルの1階にあるレストランまで赤ちゃんをベビーベットごとガラガラ連れて、自分で食べに行く方式です。(写真上は朝食、下は夕食です)

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主菜は決まっているものの、副菜とデザートはビュッフェのようになっているので、各自好きなものを食べたいだけ取るスタイル。全て洋食ですが、ノルウェーにしては野菜が多めで嬉しい献立。

時間内ならば好きな時間に食べられる一方、提供時間は限られているので、疲れてウトウトしている間に食事の提供時間が終わってしまい、食べっぱぐれることも。

そんな時はホテル内の24時間営業の売店を利用できますが、サラダやサンドイッチ、マフィンにプロテインバーといったコンビニ程度の品揃えなので、食指が動くものは少ないです。と言いつつ夜中にお腹が減りまくり、深夜にお菓子を買い漁りました。

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本来ならば、病院の敷地内のカフェやスーパーが利用可能なのですが、コロナによってホテルから一旦出ると再入館できないという制限があり、入院中は本当に缶詰め状態でした。

入院費用

ノルウェーでは、入院中の食事や赤ちゃんのオムツを含め、出産費用は無料です。入院中に赤ちゃんを包むお洋服や帽子、ママ用のパジャマも貸与してくれます。

母子の入院費用は無料ですが、同伴者のホテル滞在料金は1日あたり460nok(約6000円)、昼食・夕食料金は各178〜214nok(約2200〜2700円)かかります。

従って、日本だったらナースコール後1時間してナースが現れたらクレームものではと思いますが、全て無料と思えば仕方ない部分ですね。

それ以外にも、無料の妊婦健診、産休育休中の給与補償、働いていないママへの出産一時金支給、児童手当等、子供関連の手当は本当に充実してしている国です。子どもを産む毎に年金支給額が加算されたり、子を産み育てる親にもしっかりとメリットがある制度設計になっています。

国の在り方も人口も違うので一概には言えませんが、ノルウェーに住んでいると、日本もこうしたら少子化問題解決するのでは、、、と思うことが沢山あります。両国の子育て環境の違いについては、またどこかで記録できたらと思っているので、それはその時に。

次回への教訓

今回の経験を生かし、もしまたノルウェーで出産することがあるならば、

そしてもし、この記事をお読みになっている方でオスロで出産予定の方がいらっしゃるならば、

・入院中ナースに頼りまくれ!不安なことは何でも聞いてみよ!!

・入院生活を快適にするための準備を万端にせよ!!

と声を大にして言いたい。

ナースの皆さんはなかなか忙しく、すぐに来てくれないことも多いですが、聞けば何でも親身に教えてくれます(逆に聞かなければ教えてくれません)。

特に初産で授乳経験のない方は、慣れるまで授乳の際はほぼ毎回呼んで見てもらうことを強くおすすめします。

忙しそうだから・・・とか、夜間に申し訳ないから・・・と遠慮していると、結局授乳できているかわからないまま退院、なんてことになりかねません(それは私)。

また、母乳が足りていないようだから追加でミルクをあげたい、胸が張って痛いので搾乳機を使いたい等、要望があればじゃんじゃん相談した方がよいと思います。 


そして、慣れない産後の入院期間、できるだけ快適に過ごせるよう、可能な限り事前準備をしっかりとしておくことをおすすめします。たった48時間、されど48時間。

私は赤ちゃんの事情で2日延泊を余儀なくされ、計96時間の滞在になりましたが、もう最後の方は家に帰りたくて泣けてくるくらい精神的に参っていました。

準備については、事前の情報収集といった心の準備もさることながら、入院生活を快適にする為に病院に何を持っていくか、というモノの準備も非常に大切だと痛感しました。

次回もしオスロで出産する時の為の「入院生活を快適にする持ち物リスト」を作成したので、それはまた別の記事でご紹介できたらと思います。


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