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駐在について行くメリット・デメリット

今回は夫の駐在に同行して感じる、メリットとデメリットを記載します。
駐在地や家族構成、仕事の有無によって変わる点が多々あると思いますが、ご参考までに。

メリット1. 色々な人に出会える

何が1番よかったかと聞かれたら、真っ先にあげるのはこちらです。駐在地では、本当に色々な方に出会えます。もちろん現地の友人もできますが、ここで特筆したいのは、やはり関わる機会の多い日本人について。

駐在員含め様々な方がいらっしゃいますが、中でも結婚や仕事を機に移住し、現地に根を生やしている方は、自分とは分野の異なる人生を歩まれており、面白い経験をされている方が多い印象です。
今まで関わりのなかった世界の話を聞くのはとても楽しいし、人生の歩み方が違っても、お酒やお食事や、共通の趣味を通じて楽しいひと時を過ごせることも、とても嬉しい。

日本では、学校や職場等、似たような生活環境で、似たようなことに興味を持つ人の中で暮らしていたのだな、と実感しました。
類は友を呼んでいたのか、はたまた、自分が付き合いやすい人を知らず知らず選んでいたのかもしれません。

それに比べて駐在地にいると、それまで関わりのなかったような面白い方に出会える機会も多いのです。

メリット2. 家族との時間が増える

夫は駐在2ヵ国とも現地企業への出向だった為、働き方も一変しました。夏休みが2〜3週間取れたり、気軽に在宅勤務ができたり(コロナ禍も加勢)、仕事関連の飲み会が少なかったり、日本が業務時間外の金曜午後は比較的自由に過ごせたり・・・。
従って、東京にいた頃より、圧倒的に仕事の時間が少ない。故に、夫が仕事以外に費やせる時間が多い。

また、駐在地では家族ぐるみの友人が多いからか、どちらか1人で参加する飲み会が少ないです。日本では共通の友人が少なかったので、互いのコミュニティを優先すると、平日週2〜4回は外で飲んでおり(職場での接待や飲み会も含みます)、一緒に夕食を食べるのは週に数回程度。土日もお互いの友達とランチや旅行に忙しい毎日でした。一方現在は、平日はほぼ毎日一緒に食事をして、週末も大抵は一緒に過ごしています。

日本での過ごし方も楽しかったですが、やはり家族と過ごす時間が増えたことは非常に嬉しいです。四六時中ともに過ごし、老後のいい練習にもなりました。笑

ただし、家族の時間が増えるか否かは、駐在地及び勤務先によるので、一概には言えません。稀に日本よりも駐在地の方が忙しく、家族時間が減ったという方もいます。

メリット3. 現地の文化や価値観に触れことができる

否が応でもその国の文化の洗礼を受けることができます。全てが楽しい経験、というわけではないですが、有意義な経験であることに間違いありません。

ノルウェーでは、妊娠・出産・育児を通じて、日々日本とのギャップに驚きつつも、そんな面白い経験ができるもの、駐在地で生活するメリットだと感じます。

また、仕事=生活の中心ではなく、家族との時間や、自然を感じる時間、趣味の時間、そんな時間を人生の真ん中に据えるべきだ、と教えてくれたのもノルウェーでした。
こういった価値観に触れられたことに、非常に感謝しています。

メリット4. 自分自身と向き合う時間ができる

日本で仕事や育児をしていると、忙しくて自分自身について考える時間がほとんどないのではないでしょうか。
本当はちゃんと考えなくちゃ!と心の中で気づいていても、毎日が目まぐるしいので、真剣に考える機会もスルーできてしまうというか・・・(少なくとも私はそうでした)。

駐在に同行すると、否が応でも、とてつもなく暇になるので、おのずと今まで外に向いていた矢印が、内側に向くことが多くなります。
キャリアだったり、人間関係だったり、自分自身のアイデンティティだったり。このような時間が得られるのも、きっと駐在中の特権です。
悶々と考えた結果、必ずしもポジティブに捉えられない!というのもあるあるだと思いますが、この話はまた別の機会に。

メリット5. 旅行がしやすい

只今絶賛コロナ禍のため、全くメリットを享受できていないものの、NYにいた頃は月1で国内外旅行をしていました。
特に日本からアクセスしにくい南米やアメリカ東海岸の各都市は、本当に行っておいてよかったです。

駐在同行中は、他人にはわからないストレスがたくさんある!
→だから給与(手当)が高いのだ!!
→その給与は自分の好きなことに使うべきだ!!!
という思想のもと、1年半で数百万円旅行に注ぎ込みました。我ながらいいお金の使い方だったと思います。

旅行が好きならば、駐在中の地の利を生かして、疲れ果てるまで旅行することをオススメします。


デメリット1. キャリアが中断される

さて、ここからはやや不穏なお話です。
駐在に同行する際、私が1番悩んだのはこちらです。
この点については、こちらの記事で詳しく書いていますので、よければご覧ください。

デメリット2. 日本での人間関係(家族・友人)が変化する

想像に難くないですが、家族に気軽に会えません。
家族が皆、健康で問題がなければよいのです。私の場合は、親族の介護及び逝去が駐在期間に重なり、今日本にいてあげられたら・・・と思うことが度々ありました。
万が一のことがあっても、現地での仕事や子供の有無によっては、実際はそんなに簡単に帰国できないのが現状です。

また、日本を離れることによって、友人関係も間違いなく変化します。
親友レベルの友人付き合いは、数年やそこら同じ国に住まなくったって変わらないと思います。
けれども、多くの友達は、定期的に直接会って、近況報告をして、一緒に美味しいものを食べてこそ、同じ関係が継続するのです。
常に友人関係は変化するものだと思うので、必ずしも同じ関係が継続する必要もないのですが、それでもやっぱり、やや疎遠になる感は否めません。

デメリット3. 不便な環境に慣れる必要がある

NYにオスロと、駐在地としてはアタリな地域に住んでいますが、それでも日常的に不便だなと感じることは数知れず。

オスロでいうと、日本食が手に入らない、薄切り肉がない、お酒が高い、日曜日にどのお店もやっていない、配送事情がおわっている(Amazonがない!)、洗濯物がバリバリになる、バスタブがない、、、。
また、冬の日照時間の短さは、QOLに直結する由々しき問題です。うまく適応できなければ、冗談じゃなく鬱まっしぐらです。

きっと、駐在地によっては、これよりも遥かに過酷な環境で生活せざるを得ない方もいるでしょう。治安が悪い、英語が通じない、娯楽がない等はよく聞く話です。

デメリット4. 生活をイチから作り上げることへのストレスがある

駐在地では、生活環境も、人間関係も、ゼロから作り上げることになります。どこで何が買えるのか?というスーパーのリサーチから、気の合う友人を見つけられるまでのもどかしい期間、使い方のわからない不便な家電製品との格闘などなどなどなど。子供がいる方は、更に大変でしょう。

そして、生活に慣れ、ひと段落した頃にやってくる「何もやりたくない病」や「私は何をやっているんだ病」への対処。

考えてみてください。日本で築き上げてきた居心地の良い人間関係、やりがいのある仕事、落ち着くマイホーム、全てがゼロクリアです。
それら全てを、違う国で、違う環境で、イチから作り直すのです。
行く場所も行く時期も選べず、「はいっ、3ヶ月後から人生再構築頑張ってくださ〜い☆」と会社は言ってきます。
多少、というか、かなりストレスが溜まって当然です。

更に輪をかけるのは、生活を作りあげるために頑張る姿は、日本の家族や友人はあまり想像ができません。彼らは現地での楽しくキラキラした生活を想像しがちです。それもまたストレスです。


さて、つらつらと書き殴りましたが、メリットもデメリットも、どちらも貴重な経験になることは間違いありません。
駐在同行をお考えの方の参考になっていれば幸いです。


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