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駐在について来た理由

配偶者が海外駐在になった場合、同行するかしないか、悩まれる方も多いのでは。今回は私がついて行くことを選んだ理由を書いてみようと思います。

ノルウェー駐在までの経緯

旦那の最初の駐在地であるニューヨークへの辞令が出たのは、2017年の12月。なんと結婚式をあげて1ヶ月も経たない頃。入籍後、約1年の時でした。

旦那の勤務先の関係上、いつかの海外駐在は想定内だったものの、当時は全く寝耳に水。あと2〜3年は子供も作らず、お互い東京で働きながら、2人の時間を楽しもうと思っていた矢先でした。

勤務中に駐在決定の連絡があり、「嘘でしょ冗談やめてよ〜」と言った覚えと、その夜は動揺して、会社の先輩と酒をあおった記憶があります。仕事を辞めたくなかったので、当初はついて行くつもりはありませんでした。

けれども数ヶ月間悩んで悩んで、NYへの同行を決め、2018年夏に4年半勤めた企業を退職し、NYへ飛びました。
その後アメリカでの労働許可(EAD)を取得し、日系金融機関に正社員フルタイムで就職。1年半弱勤めたのち、今度は旦那がノルウェーに異動となったため、2020年春に再び退職してノルウェー駐在に同行。
ノルウェーに引っ越した時点で妊娠していたこともあり、今は仕事はせず、育児に専念中です。

人生の優先順位の中で、家族が第一だった

2ヶ国にわたる海外駐在について行った1番の理由は、まさに、タイトルの通り。

人生の優先順位って、人によって様々だと思います。
家族、仕事、健康、趣味、お金、自己成長・・・。

私の場合、家族が1番大事。これは、今でも変わっていない価値観です。
結局、同行するか否かは、人生の中で何が大切なのか、という優先順位の問題だと思います。
子供がいると少し事情は異なるはずですが、その場合でも、
「(日本での)子供にとっての環境」と「家族が一緒にいること」のどちらをより優先させますか、という質問になるのかなと。

NYは、駐在地としては間違いなくアタリです。
でも当時は「アジアが好きだから同じ駐在ならアジアが良かったし、NYなんて全然興味ない」と本気で思っていました(後にその思いは180度覆ります)。

従って、「家族が1番大切で、一緒にいることを優先させたいから」というのが、NYへ同行した
ほぼほぼ唯一の理由です。
現在でもその価値観は変わっておらず、ついて来たことに後悔はありません。

1番のネックは仕事を辞めること

当時、駐在同行にあたり1番悩んだのは、仕事を辞めることでした。

その頃はバリバリ仕事をしていて、4年近く勤めた企業で、3場所目にしてようやく希望の仕事ができる部署に配属された直後。
その企業や仕事内容が大好きだったわけではないけど、やっと希望の部署に移れたし、能力以上の仕事を任され四苦八苦していたので、「このまま辞めたら逃げたようで嫌だ」という思いもありました。

年功序列を地でいくような企業だったので、年次があがるに連れ、仕事も確実におもしろくなる、給与もあがる。
このまま働けば様々な経験を積めるけど、一度辞めてしまえば、その企業でのキャリアはパー。

同じチームの女性の先輩がNY駐在になったりと、海外で働くチャンスも多い部署だったので、あわよくば私もNY駐在になって旦那と2人でアメリカで働けたら・・・と考えたことも。
とはいえ、次の異動は2〜3年後。必ずNYに行ける確証もなく、“2人で駐在案”はボツ。

「こうなったら子供を産んで、産休・育休を取ってついて行く!!!」と無謀な計画も立てました。速攻婦人科に通い始め妊活をするも、旦那赴任までの3ヶ月間で子供は授からず、彼は先にNYへ。

その後退職を決心し、報告した上司には
「一度辞めたら、今のキャリアに戻ることはできない。君は95%後悔する。」と言われ、悔しくて泣きました。
家族が大事だから辞めるけど、私だって辞めたくて辞めるわけじゃないんだよ!!!キャリアがパーになることは承知の上だよ!!!お世辞でも君ならNYでも仕事が見つかるよくらい言いやがれコノヤロウ!!!と心の中で絶叫。今でもその方のお顔は忘れません、はい。

実際に仕事を辞めてみて思うこと

仕事を辞めてみて思ったのは、「自分が迷い悩んだ程、仕事を辞めるという行為は、さほど大した話ではない」ということ。

学生が新卒で入社して、良くも悪くも、企業の色に染まり育てられる文化がある日本。そんな文化のせいか、知らず知らずのうちに「私にはこの会社しかない」と思い込んでいたと気づきました。

NYでもビザ的に問題なく働けて、運良くいい企業に巡り会い就職できたから言えることかもしれません。

だけど、仕事を辞めて、視野が広がりました。
新卒で入社した企業にしがみつかずとも、日本だって海外だって、いくらでも転職できる。仕事内容ややりがいや給与は、必ずしも前職を超えられるとは限らない。
でも、自分があれほど大きな決断だと思っていた「勤めていた企業を退職する」行為は、今思うと、ぜんっぜん大したことなかった。

とはいえ、尽きぬ悩みと、また働きたいという欲求

駐在同行という選択に後悔はない。それでも、悩むことはあります。現在は仕事もなく暇なので、悩む時間だけはたっぷりあります。笑

NYでは現地で就職できましたが、今はノルウェーで子育て中。仕事はしていません。子供を保育園に預けられたら仕事を探す予定ですが、ノルウェー語も習得未済なので、どうなることやら。

そんな中、時々入ってくる「前職の〇〇が△△部へ異動になった、□□は海外駐在になった」といった話。聞く度に、もう戻れないと理解しながらも、あのまま働いていたらこんな仕事をしていたかも〜、自分も海外駐在できていたかも〜、これぐらいの給与もらえてたかも〜、というタラレバ妄想大会が開催されます。

調子がよければ、「よし!私も負けないようにノルウェーでがんばろうっ!」と思える。けれど調子が悪いと、「なんて生産性のない日々を過ごしているんだろう・・・みんなキラキラ活躍してるなぁ・・・」と負のスパイラルへ突入。

ノルウェーでも働きたい。でも今までのキャリアに関係のない、興味もない仕事しかなかったらどうしようとか、そういった不安もあります。

一方で、働くことが好きだと気づけたのは、仕事を辞めたからこそわかった収穫物。経済的に自立することの気楽さや、職場という自分のコミュニティがある安心感、新しい知識を得る楽しさ等、働くことで得られる幸せに気づくことができました。

子供が保育園に入る1年後には、noteで「ノルウェーでの就職について」という記事を書くことを夢見て、今日も明日も、悔いなく過ごしたいと思います。結局、駐在に同行してもしなくても、楽しくて充実した生活を送れるかどうかって、自分の行動と心の持ちよう次第だからね。




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