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遠距離①
大好きな彼氏と遠距離になってからもうすぐ一ヶ月が経つ。
彼とは向こうの仕事の都合上、平日はスマホが没収されているため連絡が一切取れず、土日の限られた時間にスマホが返ってくる。そのひとときだけが2人の一週間のご褒美。
一週間待ちわびた上での電話は、まるでCMみたいに暑い中1日汗かいて働いたあと、安心するわが家に帰宅し泡が溢れるグラスをカンっと鳴らして乾杯するような、この上ない幸福と開放感に似ている。
そして、束の間のひとときを惜しむ間もなくまた月曜が巡ってくる。どれだけ週末愛し合っても、一週間でまたリセットされ、不安は募りまた週末になって彼の顔を見ると帳消しされて満たされる。
そんな日々の繰り返しが、これからあと5ヶ月続くのか。指折り数えるのも、もう疲れた。
彼の予定を最優先にスケジューリングをする。
依存というわけでなく、私自身彼との時間が何より大切で、生きる糧になっているからそうしているだけなんだけど、どうしても無理が生じてくる週もある。彼ベースのスケジューリングが本当にストレスで仕方ない。
だからと言って自分の都合を優先して彼と話せない週が生まれることで平日5日間乗り切るためのストックが無い、土日の彼とのやりとりという保険が得られないとなると、それはそれで物凄くストレスが溜まる。
でも、8月下旬。ついに私は最近大発見をした。
どれだけ泣いても、どれだけLINEで貰ってうれしかった言葉を見返しても、泣いても寂しがっても、彼が帰ってくるのは半年後。もう足掻きようのない事実がそこに横たわっているということ。
どちゃくそに当たり前すぎてnoteに起こすまでもないけど、それに「気づいたこと」は私にとって凄く大きい。諦めがつく、というのは良い意味で私を守ってくれることになる。
だから私は、自分がいかに穏やかな夜を迎えられるかに集中するのみなんだ。案ずるのは彼との未来でもなく明日の自分の不安でもない。私自身の平穏、心地良さ。今日何を感じ、その影響でどういう方向へ進んだのか。そこに向き合っているとあっという間に夜は更けて日はまたぐんだ。
今日はとても心が荒んだ一日だった。職場の品の無いノリ。同調したくもないのに、張り付いた作り笑いがどうしても外れなくて心を殺して無理に合わせていた。
だから私は明日、無印良品で1番気に入った香りのアロマオイルを買って、朝から起きれたらかぼちゃのポタージュをつくるの。
アロマオイルはあんなにちっさい容器なのに想像以上に高い。コスパが最悪。
でも好きな香りはかいでいるうちに自分の緊張が和らいでいったり、頭の中が整理されて空っぽになっていったりする感覚が掴めて好き。
かぼちゃのポタージュは工程が死ぬほどめんどくさくて、ながら調理なんて出来ない。煮詰めるときも焦がさないようにずっと傍でコトコトとかき混ぜてやりながら見てあげてなきゃならない。
でもその分余計なことを考えず、無心でただ目の前のかぼちゃと自分自身にだけに向き合えるから好き。
好きを集めよう。そうして沢山集めた好きを、彼に少しだけ教えてあげよう。
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