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【経験】新卒採用の面接官 その2

この記事は前回からの続きになります。

前回は以下になります。

一次面接の面接官としての経験を書いています。


【経験】新卒採用の面接官 その2は合格にした学生の話を書いていきます。


前回の記事で面接を受ける前のESで、
半分くらい合否を付けているという話を書きました。

学生は主に以下の4つに分類しています。

●会わずに合格
●合格のつもりで面接する
●合否意識せず面接する
●会わずに不合格

今回の記事では
「会わずに合格」
「合格のつもりで面接する」
の2つの分類の学生の話を書いていきます。



●会わずに合格(Aさん)

ESの論理レベルが高く、何も考えずにどういう人物なのか、
文章を読むだけで想像ができました。

特にESでは自分の研究にのみフォーカスを当てて記載されていたのですが、
自分だけの能力と人との関わりの中で発揮してきた能力を「研究」というものを軸に上手く書いておられました。

以下のような感じです。
・頑張ったこと:研究
→論文発表前は色んな人に助けてもらったし、後日助けてもらった人の発表の手伝いをすることで、次の論文発表に活かせた

・辛かったこと:研究
→研究で結果が出なかった。でもアプローチの仕方を変えるなど、粘り強く研究することで結果を出せた


ESを誰かに添削してもらっている可能性はありますが、
細かな表現など、これまでの論文の実績などから文章を書き慣れていると感じました。


文章のまとめ方や表現などから頭の良さが見て取れました。


論文発表や研究の実績などから、
1次面接くらいスルーしても良いかなと思えるESでした。



また面接で研究以外の部分を聞くと、
趣味でも色んなものづくりを楽しんでおり、
ネットで交流をすることで、
その精度を高めているとのことでした。

また志望動機について、
当社の事業とAさんの研究に少し違いがあり、そこについて聞きました。

すると、趣味の話を出され、自分が好きな分野なら、
のめり込めることは研究で分かっているし、趣味でも同じ考えで行動できている、だから少し違ったとしてものめり込むことができると思うという回答でした。


事前に色んなパターンの質問に対する回答も準備してきているのも伝わりましたし、何より自分を分析して一貫した考えとして出力していることに優秀さを感じました。


そのため応募者の評価を書く評価シートの点数は満点を付け、
コメントに2次面接は不要なのでは?他社に取られるなら損失だくらいの勢いで書きました。


またAさん自身は就活で止まっている研究を早く再開したい意思があり、早く内定が欲しいと言っていました。
それもあり、シートには人事が計画している面接日程にこだわらずに内定まで出さないと他社に取られるよと書きました。


私の意見を人事が参考にしたのか分かりませんが、
結果、Aさんの内定まではかなり早かったです。


Aさんはその後内定を承諾されました。


入社後は新入社員代表にも選ばれて、
入社式で所信表明もされていました。
新入社員は確か200名くらいいました。



でも正直、1次面接で落とそうとも思いました。

私は自分のいる会社のものづくりの低さに気づいていましたし、
企業風土もイマイチ良くなかったので、
この能力のある若者はもっと別の会社に行った方が社会の利益になるのでは?と思ったからです。


ただ、結局合格にしたのは、それを決めるのも本人かと思い、通過させました。




●合格のつもりで面接する(Bさん)

ESの論理レベルは高く、読みやすい文章でした。
ただ、1点内容に関して気になることがありました。

自分の好きな英語の能力を上げるために
色んな場に赴き色んな人とのコミュニケーションを取っているとのことでしたが、
その動機が自分のためという側面が強かったので、
自分以外の人間に対して思うことを面接で聞いてみました。


面接での話ではコミュニケーションの不慣れさを自覚しており、
そのために強制的に色んな場に出ているとのことでした。


英語が好きという確固たる意思を動力に、
自己分析で分かった苦手な部分にチャレンジしていくというやり方は合理的と思いました。
その考え方に成長性を感じ、面接を通しました。

また1次面接は集団面接だったのですが、
Bさんは隣にいる学生が話しているときには
応募者の方向に顔を向けて聞いている姿が印象的でした。

ほとんどの人は少し耳を傾けるくらいだと思うのですが、
おそらくこれもコミュニケーションの不慣れさのために、
人の話はちゃんと聞くというバイアスが働いているんだと思いました。


ただ、緊張のためか終始表情が硬く、
面接とは関係ないところの話でしか、
表情が緩むことはありませんでした。

そのせいで何かメンタルが弱そうという印象がありました。


表層的な面接官であれば落とそうとするだろうなと思ったので、
面接後の評価シートには
表情が常に硬いが緊張しているだけで、
将来性は十分にあるぞということを念入りに書きました。



結果、Bさんは2次面接で落とされました。



何がポイントとなったのか分かりません。


Bさんには申し訳なかったですが、
「内定が出なかったとしても気になさらないで下さい。
私がいた会社(当時)のものづくりのレベルは低く、
企業風土もイマイチなので、別の会社の方がより良いと思います」っと言いたいです。



私は面接を10人しましたが、
その中で合格にしたのは上記2名だけです。



「その3」につづく

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