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Japan's Wayって結局Why?

第1章 突然の解任、狂わされた監督解任の基準

2018年4月、別れは突然訪れた。「ハリルホジッチ監督解任」
私自身、彼のサッカーは好きだった。球際の激しい熱いプレーが好きで、バルサより、アトレティコ・マドリーやリヴァプールのサッカーが好きだという私の好みもあるが、勝負師の一面を持ち、絶対に負けられない試合を落とさない。ハリルホジッチだからこそ、W杯最終予選の初戦を落とし、「突破率0%」「W杯絶望的」と言われたW杯出場切符を獲得できたのではないかと思っている。

そんな彼がW杯2ヶ月前に突然の解任。

2017年11月に行われたvsブラジル、vsベルギーに結果、内容ともに力負け。12月に行われた東アジアカップ(国内組)韓国に1-4で敗退し、タイトルを逃す。2018年3月に行われたvsマリ、vsウクライナも未勝利で終わり、世論からは不安な眼差しが向けられた。

これらの結果から解任に関する会見で田嶋会長は「ワールドカップ出場決定後の国際親善試合などで成績が奮わなかったことや、選手とのコミュニケーション不足などもあり解任に至った」とお話しされた。

私の中では納得がいかなかった。ベスト16の壁を超えるために召集した監督を直前で解任する?理解ができない。更に2ヶ月間で監督は何が出来る。後任を務めた西野監督がJリーグや世代別代表監督で実績を残していることも重々承知しているが協会の技術委員長が監督に就任するという点で懐疑的な見方をしていた。

結果は皆さんもご存知のようにベスト16。西野監督は結果を残し、ロシアW杯は成功のイメージを国民は持たれている。
そして、ハリルホジッチ元監督の解任は当事者のみが知る。闇に包まれたのであった。

この大会で日本はスタッフ陣を全て日本人で構成し、「All Japan」を強調し、「Japan’s Way」を耳にするようになった。

あれから2年の月日が経過しようとしているが、「Japan’s Way」を明確に理解しているサッカーファミリーがどのくらいいるのか。
現状、森保監督がA代表、東京五輪U-23代表を兼任し、U-23はアジア最終予選で1勝も出来ず、開催国でなければオリンピックの出場は出来ないことを示している。
大会前に「優勝を目指す」と森保監督や選手から発言があったがあれは本気だったのか、言葉だけではなかったのか。

この大会は海外組をリーグ戦の関係で食野(ハート・オブ・ミドロシアンFC)しか招集せず、国内組で臨んだ。対し、同グループのサウジアラビア、シリア、カタールはこの最終予選に焦点を当て、万全の状態で日本に望んできた。

だから、「本番で勝てばいい」「海外組がいなかったから仕方ない」「日本は万全ではなかった」など意見が出ているが、正当化して良いのか。私は言い訳にしていいことではないと感じている。

タイでの過酷な試合日程、不服なアジアの笛、VARによるPK、納得のいかないレッドカード、数ある不満はあるが、選手のプレー、自分たちのミスからの失点、スタイルを感じないチーム、遅すぎる選手交代、ベンチワークに対する疑問、森保監督には不信感をより強く感じた試合であった。
ハリルホジッチ元監督を解任したのは2ヶ月前、オリンピックは半年後、解任するには十分な理由がある。

しかし、解任はしないだろう。私自身も望んではいない。
その理由は大きく3つ
⑴ 半年後に迫った東京開催のオリンピックを優勝するために後任が見つからない(実質、誰もやりたがらない)

⑵森保監督はA代表とU-23の兼任である。解任なら、どちらを辞めるのか
U-23を解任された監督にA代表を任せられるか?解任なら両方やめるしか道はない

⑶クラブの監督と違い代表監督は手元で選手を毎日育てられるわけではない。半年で、東京五輪を優勝するためのチームが作れるとは絶対思えない

大会後の取材記事で関塚技術委員長は「彼(森保監督)に今後のところを兼任でやっていってもらいながら。全体としてしっかり強化、選手の見極めから全体の方向性というところはしっかりできてきていると思っています」と述べ、田嶋会長は「基本的には(続投)」としながらも、「技術委員会がしっかりと話し合いをしてから、ということになります」と取材に応じたと複数のメディアが報じている。
続投を明言し、戦い方は間違っていない。これが協会の考えである。

では、今後「Japan’s Way」を継続するにあたり、Japan's Wayとは何か考えていきたい。


第2章 日本の良さを最大限に生かす

サッカーの指導者C級ライセンスを受講した際に「JFA指導指針2017」を頂いた。こちらはJFAが公認で発行しているテキストである。この中に「Japan’s Way」が明記されている。

結論を先に述べると、Japan’s Wayとは「日本の良さを最大限に活かすサッカー」のことである。世界に打って出るために世界基準に対し、足りないものは埋め、日本の武器はさらに伸ばすということである。

下記は一般的によく聞く日本の長所と短所を複数挙げててみたものである

【長所】
* 組織力
* アジリティ
* テクニック
* 協調性
【短所】
* 身体能力(身長、体重、ガタイ、スピード、足の長さ)
* 爆発的なパワー
* シュート技術、決定力
* ハングリー精神、球際

ここに疑問はないだろうか..
「本当に、組織力、アジリティ、テクニック、協調性は日本の長所なのか」

私には疑問的な見方に感じてしまう。

特に組織力とテクニックは本当に世界で誇れる日本のストロングポイントなのか..

「組織力」それは1つにまとまり、団結することで発揮される大きな力のことである。
そんな力が今の日本に本当にあるのか、選手が規律を守り、11人で堅い守備を行えるチームなのか、パスワークで崩し点が取れるのか、セカンドボールを拾い第2次攻撃、第3次攻撃と波状攻撃ができるチームなのか

テクニック、特に日本人は世界的に見てもボールの扱いが上手いと高い評価を受ける。海外に飛び立った攻撃的アタッカーのほとんどがその技術に高い評価を得ている。だが、しかし自分より身体能力が高い選手に対し、どれだけ対抗することが出来る。テクニックは上手くても体の使い方はどうだ、欧米や南米の圧倒的パワーを前に何人が対抗できている。

こんなお話を聞いたことはないだろうが「日本人はテクニックはある。それは世界の中で見てもトップレベルである。しかし、スキルではないので試合では発揮されない」試合では当然相手がいて、試合中状況は常に変化する。その中で状況を認知し、最良の判断を行える選手が何人いる。

Japan’s Wayとは「日本の良さを最大限に活かすサッカー」であり、長所を生かし、短所を引き上げるのは重要であるし、間違っていない。

しかし、我々はサッカーをしているのだ。

サッカーは相手より多く得点し、相手より失点しないことである。戦っているのは国と国のプライドをかけた戦いであり、勝利こそが何よりも重要視される。

サッカーの根本を間違ってはいけない。ボール保持率、シュート数、ボール技術、走行距離で試合が決まるのではない。


「サッカーで勝つための日本の良さを最大限に生かすこと」=Japan’s Way

ならば、温かく見守りたい。

結果が全ての世界。日本人として、森保JAPANを応援したい