『つる植物みそ』

 私には育てている植物がある。みそちゃん。種は有名な鶴瓶から出たウンコからできている。私はこのみそちゃんをとても可愛がっている。その理由は、みそちゃんは世界を支配する力を秘めているのだ。つる植物の生命力。その力の根源となるウンコの力によって、みそちゃんはただの植物に留まらず、人類同等かそれ以上の知性を持つ。そのことを知っているのは世界に私1人だけ……。
「ねえみそちゃん。今日は何して遊ぼうか。」
電気も通わないシェルターで、私は小さなみそちゃんにそっと話かける。
「みそはうんちをねじりとばすょ」
「素敵」
私は小さく笑った。
 その刹那、みそちゃんの顔がぱりりと音を立てて割れ、無数の針が飛び出す。銀の光が部屋を覆い尽くす。
「”ギフト”持ち….!なぜここがわかったの!?」
背後から声がする
「うんち君を」
「守るためさ」
振り返ると銀さん金さんがいた。
「銀さん金さん!?」
「この場を脱するには」
「みそちゃんを殺すのね」
そんなこと出来るわけない。みそちゃんがうんこ君を大切にしているように、私もみそちゃんのことを…。
ならば…
「うっ、ば、馬鹿な!」
「何故だ!?」
ぱシュッ、という軽快な音と共に、銀さん金さんの身体は地へ落ちた。
「……君だけは絶対に守るから。」
この選択も、自身の表情すら分からない。
みそちゃんが望むことは本当にこれであっていたのかな。
パタパタと血便にもにた血がしたたる。
どうやら、奴らを仕留めた時に流れ弾が当たったようだ。
「ねぇ、みそちゃん…」
私は「みそちゃん」に、最後の言葉を振り絞った。
「ぜんぶ、ぜんぶ最初から、」
「みそちゃんのせいだよ…。」
いつか、部屋には日が差し込んでいた。
みそちゃんの血も、私の血も混ざり、枝分けれして床に広がって。
乾いたそれが灰いろの上で鮮やかにそこにあった。





作者 ばちんこ/少年/人外/ケイマ

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