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超考察:第1章「ラストシーン考察」&2章「生命の実と知恵の実の関係」・世界一深い「新劇場版エヴァンゲリオン考察」

以下ネタバレ大量に含まれます。

【ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序・破・Q】の3部作と、
【シン・エヴァンゲリオン劇場版】について、おそらく今、一番理解していると思われるシンゴリが解説します!

【前提】
基本的に、作中で描かれたこと以外は無視します。
絵コンテは【参考】にはします。
【次回予告】は基本的に無視します。

本記事は基本無料ですが、最後の超深い考察のある「超深考察」だけ有料(100円)です。
無料部分が面白いと思ったら缶コーヒー一杯おごると思ってご購入ください。
シンゴリは以下の内容を作成予定です。マガジンは300円ですのでお得ですが先行投資だと思ってご検討ください。


第1章 ラストシーン解説(無料のみ)
ー19歳の碇シンジと駅のホーム
ー「マリEND」なの?
ー最後のシーンは反復している
ー第3村は消えたのか?


第2章 新劇場版は旧作と似て、非なる世界
ー「旧劇場版」は生命の実VS知恵の実
ー「生命の実」VS「知恵の実」ではない新劇場版の世界
ー「渚カヲル」の円環と「旧劇場版」の仕組み解説
★超深考察「円環しているのは渚カヲルだけではない」

第3章 小ネタの館(無料のみ)
ー細かいネタ
 ・リツコのグリップシューズ
 ・マリの外国語
 ・ジェットアローンとは?
 ・アスカのぬいぐるみ
 ・ナディア38話のデジャヴ
ーシンジ復活の兆し
 鳩→綾波の目→月と綾波
ー都市伝説「ゲンドウ=渚カヲル説」を検証


第4章 そのインパクトで何が起きた?
ー「破」のニアサードインパクトとは何であったか?
ー「Q」のフォースイノパクト(未遂)とは何であったか?
ー「ニアサー」と「フォース(未遂)」の類似点
ー「ニアサー」と「フォース(未遂)」の相違点
ー「ニアサー」と「フォース(未遂)」からわかること
★超深考察「13番目」にカヲルが落とされた理由

第5章 さらに深く世界を知る
ー「新劇場版ぶら散歩」神/ゼーレ/人類-の技術
ー「リリス」実はとんでもなく強かった!
ー「パターン青」ーエンジェルブラッド
★超深考察:リリス考察
★超深考察「セカンドインパクトとサードインパクト」
★超深考察:「使徒」何故、第3新東京市を攻めてくるか?

第6章 実はヒーローだった「ゲンドウ」
ー碇ゲンドウがヒーローになるまでの歴史
ーもし、ゲンドウが「ネブカドネザルの鍵」を使わなかったら
ーゲンドウの回想
★超深記事:死海文書の契約(リリスの契約)って何?
★超深記事:「ゼーレ」と「ゲンドウ」から見た新劇場版

第7章 作品のテーマ性
ー「レイ・アスカ・マリ」3人の女性
ーATフィールドの時代だった平成
★超深記事:令和の時代はコア化とインフィニティ
★超深考察:綾波レイとは「究極の持たざるもの」




はじめに

1995年にテレビ放送された「新世紀エヴァンゲリオン」の「リビルド」として始まった「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズだが、「序」の時点では細かい点が異なるものの、概ねテレビシリーズと差異がない「見たことのあるエヴァンゲリオン」のように見えていた。
そして、「破」で真希波マリが出てきたり、参号機にアスカが乗ったり、「レイの食事会」というイベントが発生したり、最後にはシンジがインパクトを起こしたのを、早々に渚カヲルが舞い降りて止めたり、「見たこと無さそうなエヴァンゲリオン」が始まった。
そして、「Q」では予想しなかった「破、から14年後」という舞台設定の「見たことのないエヴァンゲリオン」が展開された。

そして、2021年、完結編である「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では、「見たかったエヴァンゲリオン」を観ることができ、本当の意味で終わった気がした。

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しかし、庵野監督は「シン・エヴァンゲリオン劇場版」でたくさんの謎解きを残してくれた。かく言うわたしも、その謎解きに取りつかれた一人だ。

この記事はその謎解きゲームに疲れた(憑かれた?)人の道しるべになりたいと思い、書くことにした。
セリフや時系列については、自分のメモや第三者のメモをベースにしているため、誤りがあるかもしれないが、複数回映画を見に行って確認しているので、解釈には間違いはないと思う。
念のため、これを書いている時点ではDVD等は出ていないため、ご容赦いただきたい。


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第1章 ラストシーン解説

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は大変気持ちの良い最後となったが、最後に、ちょっと待ってどうゆうこと?と大きな疑問をもった人が多いのがラストシーンだ。
ユイとゲンドウの支えもあって、全てのエヴァンゲリオンを葬り去った後の世界は何故か、「山口県宇部新川駅」へと舞台を移す。

この演出をわからなかった人のために、最後に何が起きたのかを説明する。

ー19歳の碇シンジと駅のホーム

あの駅のシーン、電車を待っているのは「19歳になった碇シンジ」だ。
エヴァンゲリオンがいなくなった世界ーつまり、2001年6月6日生まれのエヴァのパイロットにならなかった、エヴァンゲリオンのない世界の碇シンジである。

※19歳としたのは作品完成時の公開予定が2020年6月27日であったことから算出している。

ー「マリEND」なの?

アディショナルインパクトが始まってから、3DCGで描かれた綾波レイのようなもの(=エヴァンゲリオンイマジナリー)が描かれはじめる。
全ての虚構と現実がつながった世界では、その生命体の「確かさ」を次元の高さで表現している。

↑<確か>
実写:3次元で現実
3DCG:2次元より立体的で現実に近い表現。いわば、2.5次元のようなもの
現実:2次元アニメ絵、動きがある
精神のみの存在:線、無色、静止画
存在の消失:無
↓<不確か/無>

例えば、ユイに会うことを目標にしてきたゲンドウはそこにユイがいないことに気づく。すると、自問を繰り返すが、自分の存在意義が揺らぎ、【碇ゲンドウ】という存在自体が揺らぎ始める。すると、色もない線だけの状態で過去を振り返る。
こういった表現と心情のリンクは旧作26話で使用された技法だ。

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新世紀エヴァンゲリオン 26話 ©カラー

これは碇ゲンドウの存在が根底から揺らいでいるとともに、ゲンドウの中ですがってきた過去が不確かになってきていることを表している。

しかし、「それは自分で弱さを認めないからだろ」とシンジに詰められると、また、今までの現実と同じアニメ絵に戻る。

彼の「自分は弱い」というアイデンティティを取り戻し、辛うじて自分を取り戻すのだが逆に「自分は弱い」と認識するだけの自分に戻ってしまう。
そのとき、ゲンドウが「そこにいたのかユイ」と言ったのは、「弱いころの自分のそばにいつもユイがいた」ということを思い出した表れである。
そして、「弱くなったゲンドウ」は補完に耐え切れず、13号機をもう一人のパイロット「渚カヲルの魂」に譲るのである。


これと同様のことが、全てのエヴァンゲリオンを消したネオンジェネシスのあとにも起きている。

エヴァンゲリオンという存在理由を失い、たった一人になったシンジは誰にも認識されることなく、消えようとして最後は線だけになり、動きも失い始めている。

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新世紀エヴァンゲリオン 26話 ©カラー

しかし、まだ残っていたエヴァ8+9+10+11+12号機の登場でまた、「エヴァ世界の現実=アニメ」に戻る。
それはその空間がまた「エヴァのいる世界」に戻るからだ。

しかし、海に飛び込んだマリもプラグスーツから制服になり「普通の女の子」になりつつあり、最後のエヴァンゲリオンにお別れを言ったところで場面が変わる。

次のシーンは駅のホームで、明らかにエヴァの舞台ではないがまだアニメ絵のままだ。
駅にはエヴァンゲリオンがなかった世界の19歳の碇シンジが座っているが、まだ首にはエヴァンゲリオンとの関りを示すDSSチョーカーが付いている。

このシーンはまだ、アニメ絵だが、その舞台はギリギリエヴァと関りのある世界であり、まだ、シンジ以外にも、マリ、カヲル、レイ、アスカがいる。
エヴァンゲリオンの舞台である第3新東京市や第3村などではないが、「監督の出身地という辛うじて、エヴァとかかわりのある程度での山口県宇都新川駅」が舞台にっているのは、ほぼエヴァンゲリオンの世界を離れているからだ。

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©WEST JAPAN RAILWAY COMPANY all rights received

そこで、19歳の碇シンジの前に、まだ現実の年齢に戻っていない真希波マリが現れる。
そして、DSSチョーカーを外すと、そこは少しずつ「実写」になっていく。そして、実写の中にアニメーションの人間がいる状態から、次第に「実写だけ」になる。

つまり、「エヴァンゲリオン」は我々の世界から消え去ったのだ。


ー最後のシーンは反復している

これは「砂浜で存在が揺らぎながらもマリを待ち、エヴァに乗ったマリが助けに来る」というシチュエーションと、「駅で待つシンジをマリが迎えに来て、DSSチョーカーを外す」まではリフレインになっている。

それをぞれぞれが「エヴァというアニメ側」から見た内容と、現実世界側から見た内容ということで対比になっている。

以下のように対応している。

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おそらく、マリが実年齢(推定48歳)になる前に、アニメ画のマリは消えるはず 笑

ー第3村は消えたのか?

ここは人の捉え方によるが私は消えないと思う。
作中のメッセージ以下を尊重したい。
「0に一番近い数字は無限大」
「さよならは、また会うためのおまじない」

エヴァンゲリオンがいなくなった第3村は既にエヴァンゲリオンでないので、描かれようがないだが、「無」の中で「無限のストーリー」が待っている。そういう風に理解すべきだろう。


ー追加記事を書きました!

本記事執筆後、新しく気づいたことがあったので別記事を書きました!



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第2章 新劇場版は旧作と似て、非なる世界

まず、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ」が、「新世紀エヴァンゲリオン」と似て非なる世界であることを紹介しよう。

エヴァンゲリオンや使徒が出て来るが、この2つの世界は全く「ルール」が異なっている。


ー「旧劇場版」は生命の実VS知恵の実

新劇場版の設定についての話をする前に、まずは対比をするために、旧作(テレビ版新世紀エヴァンゲリオン及び関連映画)について復習しよう。

旧作のエヴァンゲリオンではテレビを見るだけではわからない設定が多い。そういった設定は公式設定集やゲーム作品などで補完されている。

簡単な設定はこうだ。

第一始祖民族と言う宇宙人がいた。その者たちは「神」に等しき力を持っていた。永遠の命の源<生命の実>と、高い認識能力と知能を持つ<知恵の実>の両方を持った存在だった。

第一始祖民族は、隕石に「アダム」という「生命の実」を持つ生命体を乗せて放った。彼は「白き月」という隕石に乗り、「地球」に飛来し、そこで自分の子となるいくつかの生命体を育てるはずであった。
生命の実を持つアダムは知恵を持たないが、永久に生き、無限のエネルギーを持つ生命体だった。そして「生命の実」とは生物的な永久機関だ。

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同じくして、第一始祖民族は「知恵の実」を持つ生命体「リリス」を地球とは異なる星に放った。しかし、生命の実を欲したリリスは、自身の乗る隕石「黒き月」をアダムと同じ地球へと向けた。

白き月のアダムは先に地球に到着していたが、後を追って黒き月が地球にも飛来した。黒き月が勢いよく追突するとその衝撃でアダムは大ダメージを受け自己修復すのため、長く眠ることになった。リリスも同時に永い眠りに入ったが、眠りに入る前に「リリン=人類」を生み落とし、死海文書という文章でこれから起こることを予言して、来るべき復活の時を待った。

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2014年、日本に飛来するアダムの子・使徒と、エヴァンゲリオンという兵器を使った人類が戦うというのが、旧作の設定だ。何故、お互いを攻撃し合うか、というと、「生命の実」と「知恵の実」を同時に得ることで、第一始祖民族と等しい「神の力」を得ることができるからだ。


ー「生命の実VS知恵の実」ではない新劇場版の世界

さて、この生命の実と知恵の実、劇場版ではほとんど登場しないのだが、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の中で、実は思っていた以上に設定が違うことがわかった。


旧作の設定は

<生命の実>は永久的なエネルギーを生物に与える。
<知恵の実>は知恵を与える。

両者は戦い、両方を得たものは<神>になる。

エヴァ構造

<知恵の実>と<生命の実>はそれぞれ神様の能力を半分ずつにしたものであった。



しかし、残念ながらこちらが新劇場版の設定だ。

<生命の実>を持つ生き物は永久的なエネルギーと永遠の命を持つ。
<知恵の実>を持つ生き物は知恵を持つが、いつか滅ぶだけ。
両方を同時に持つことは、神にしか許されない。

新劇の実

このように恐ろしい設定が待っていたのである。
この恐ろしい設定に気づけるかどうかで、ストーリーの見え方が全く違う。


この設定は「シン・」でゲンドウがサラっと語るだけであるため、聞き逃すとそれ以外に語られることがなかった。

そして、何よりも<知恵の実>を与えられた生命体が<生命の実>の生命体に打ち勝つ方法は1つしかなく、<ゼーレ>はこの唯一の方法を実現するために画策していた。

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この打ち勝つ方法が1つだけ残されている。
この<運命>を作っている「神」を殺すことだ。
それが「Q」でゲンドウの言っていた「諦観された神殺し」である。

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なぜ、使徒を全滅させただけではダメなのかについては、「超深考察」で説明しよう!



ー「渚カヲル」の円環と「旧劇場版」の仕組み解説

「序」の頃から本来は最後に出て来る「渚カヲル」が何度も出てきて、しかも「また、君は3番目とは」とか「今度こそ、君を幸せにしてみせるよ」とか何度も物語を繰り返してそうな発言が多々見受けられた。

下の写真の空いた棺と閉じた棺の境目で1人の渚カヲルが出て来る描写から「やり直す度、棺の中の渚カヲルが出てきてはやり直しているのは?」と、世間で言われていたが、その通りだったわけだ。

渚カヲルは、うまくいかないとこの棺の中から新しい渚カヲルとして生まれ、永遠に同じ物語を繰り返していたのだ。

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 ©カラー

こちらは最後に、渚カヲルから何度も「円環」をしていたことが告げられる。
最後は「エヴァンゲリオンイマジナリー」により、【全てのエヴァンゲリオン世界】が統合されるため、テレビ版でしか見られてなかった演出や、旧劇場版のアスカらしきものが登場するが、基本的にテレビ版や旧劇場版とは設定が異なっていることから、テレビ版・旧劇場版はこの「円環」の法則の適用外であるため、別の世界であり、「円環」には含まれていない。

それを図解にするとこうなる。

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なお、記憶があるだけで全く同じ時点に戻るのか、ある程度「ブレ」があるのかは判断が付かないが、「また、3番目」である世界もあればそうでない世界も体験していたと考えると、「ブレ」がありそうだと思うが、これは推測の域を出ない。

最終的には、碇ゲンドウが第13号機を「神=法則の元」へとシン化させてアディショナルインパクトを行うが、この「神」は「すべてのエヴァを消す」というシンジの「ガイウスの槍のインパクト」で倒される。

結果、「エヴァ」「生命の実」「知恵の実」を同時に失うので、「円環の運命」から逃れるというのがストーリーとなっている。

なお、旧劇のアスカとか、番組タイトルとかで出てきたじゃないか!という人は、「アディショナル・インパクト」が発動した後、正確に言うと黒いリリスの形をした「エヴァンゲリオンイマジナリーが出たところ」から以下の図のようになって、全ての「エヴァンゲリオンという概念」を持った世界がつながったためである。

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★超深考察「円環しているのは渚カヲルだけではない」

最後の章は衝撃的な内容になる。実は、ループしている登場キャラクターは複数存在する。渚カヲルは当然だ。

碇シンジも「生命の書」に名前を連ねているからそうだろう。
さて、問題はここから。

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