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おかえりなさいませ。

カウンターお一人様を快く受け入れてくれる店。

ひと皿注文しては量が多いであろう舞茸の天ぷら・鶏の唐揚げを半分での注文を受けてくれた。

カウンターから眺めるNHKは久しぶりに、この世の情勢をのんびりと知ることができた。

いい湯加減の芋の湯割り。

おばあちゃんちで食べたような〆の炊き込みご飯。

一日の疲れ、、、いや1週間の疲れを一気にまろやかにしてくれた1時間。

コロナ対策として、最初に全部注文するスタイルを貫きつつ、あとはひたすら無言で会釈のみ。

お一人様の時間は過ぎてゆく。

会計を済ませると、

「美味しそうに食べてくれてありがとう」

母と同じ歳くらいの店主のマスク越しでもよく分かる笑顔が見送ってくれた。


ホテルに帰ると、

「おかえりなさいませ、お疲れ様でした。」

の一言。

コーヒーを片手にエレベーターに乗り込むと

「おやすみなさいませ」

と、重低音の温かい響きが聞こえた。

たったそれだけで笑顔になった。


シャワーを浴び、

コーヒーを飲みながら明日の準備。

部屋ではBGM代わりにこの世の情勢を聞き流す。


いつもより1時間遅い就寝。

目を閉じて、ここ1週間を思い出す。

色々あった。

疲弊・辛い・怒り・苦しみ・・・。


でも、今日の終わりはとても穏やかで、

また明日からも頑張れるような気さえしてくる。


そんな何気ない一言と触れ合いで、

私は十分満たされる。


まだまだ大丈夫だ。



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