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特別支援学級と特別支援学校の授業参観を経ての気付き

特別支援学級から特別支援学校に転校してから初めての授業参観がありました。転校前にも体験で何度か参観する機会はありましたが、二つの学校を経験したがゆえに気づいたことがたくさんありました。


授業参観の心構えの指導

支援学級在籍時は授業参観は、土曜日に学校公開という形で行われていましたが、それに合わせて授業が組み立てられていたように感じます。
発表であったりグループ活動のような、保護者に見てもらうための授業もありました。

支援学校の授業参観はどうでしょうか。平日に行われいつも通りの様子を見ることができました。
それでも、保護者が見にくるのはイレギュラーなこと、だからこその確認を朝の会でしていました。

  • お父さんお母さんの荷物を触らない(かばん、お財布、スマホ、体も)

  • 会いに行かない

  • お話しに行かない

  • 自分の席に座ってお勉強する

  • お父さんお母さんが来なくても泣かない

  • 帰る時も泣かない

このような内容を先生が板書されて一つずつ確認を行なっていました。なんと具体的でわかりやすいのだろうと親の目から見ても思いました。

支援学級の時は、このような説明ではなく、今日はお父さんお母さんが観に来る日です。緊張するかもしれないけどいつも通り頑張りましょうと言った声がけだったと思います。記録にも残っていないことを考えるとインパクトが無かったのかなと思ったりしました。

その確認のおかげか、支援学級在籍時は「ママ,見てこれ。来て来て!」など授業中に気になって頻繁に呼んだり立ち歩くこともありましたが、先生との約束を前もって確認したためか、最後まで距離を保ったまま参観することができました。年齢が上がったからかもしれませんが、私が観に行ってもそわそわ落ち着かなくなることも無かったことに成長を感じました。

体を動かすことから始まる一日

朝は毎日、体を動かすことから始まります。毎日1時間目は準備運動に五分間走があります。

この書籍には運動することの脳や行動に与える良い影響が下記のことが書かれています。

なぜ運動が、ADHDの傾向のあるなしにかかわらず集中力を改善するのか。

アンデシュ・ハンセン、運動脳、サンマーク出版 (2022/8/19)、P138

今では、運動をした直後にドーパミンの分泌量が増えることがわかっている。運動を終えた数分後には感覚が研ぎ澄まされ、集中力が高まり、心が穏やかになる。頭のなかがすっきりして、物事に難なく集中できるようになるそして唸りのような雑音も消えるのだ。

アンデシュ・ハンセン、運動脳、サンマーク出版 (2022/8/19)、P138

ドーパミンの量を増やすには、ウォーキングよりランニングのほうが適している。

アンデシュ・ハンセン、運動脳、サンマーク出版 (2022/8/19)、P138

たった4分(これは目の錯覚ではないので、ご安心を)の運動を一度するだけでも集中力と注意力が改善され、10歳の子どもが気を散らすことなく物事に取り組めることも立証された。

アンデシュ・ハンセン、運動脳、サンマーク出版 (2022/8/19)、P288

これだけ見ても、毎日の朝の運動は理にかなった活動なのです。特別支援学級ではそれが取り入れられていなかったのが不思議に思えるくらいでした。準備運動をした後に、5分間走が始まります。音楽が流れている間、校庭を周回しますが子どもたちはそれぞれのスピードで走ったり歩いたり一生懸命最後まで取り組んでいました。

支援学級の時は、午前中の2時間目に体育があることが多かったですが、週2.3回で、夏場はそれが水泳の授業に変わります。朝の運動はなく登校して着替えたらすぐに朝の会、そして1時間目が始まりました。

その頃うちの子は、先生のサポートがあっても体育の授業の最初のランニングは走りたく無いと校庭の端の方に行ってやらないことがよくありましたし、走っても2周ほどだったのが、今は先生と何やらにこやかに話しながら五分間走り続けていたことに驚きました。単純に計算しても1km以上走ってることになります。それだけ走って体力を使っているので、そのあとの授業に集中している子が多いのはこの運動が要になっているとも感じました。

手厚い支援とは

支援学校転校前は子ども1人あたりの先生や支援員の人数は、支援学級の時の方が多いかもしれないことや、転校したからといって手厚い支援が受けられるわけでは無いということをご理解くださいと支援学校に面談に行った時に言われました。

確かに子どものクラスは5人に対して担任の先生1人です。以前、支援学級にいたときは6人クラスで担任と支援員2人でした。そう考えると確かに手厚いのは支援学級のように感じます。

ただ、実際参観してみたらどうでしょう。一人の担任の先生と他のクラスのサポート先生の2名で5人くらすはしっかりまとまっていました。廊下で見学をしていたのですが、授業中に廊下に飛び出してくる子はいませんでした。クラスの扉に鍵がかけてあって飛び出しができないようになっているとは言え、集中して授業に取り組んでる子が多くいました。先生が説明をしているときには座ってじっと待つ、順番を待っなど、支援学級の時より待つ、動くのメリハリがあるのでじっとするのが苦手な子や突然立ち上がる子も、担任の声掛けですぐに自分の席に戻っていました。

転校前に言われていた手厚い支援が受けれるわけでは無いと言われたことも、専門知識や経験のある教員のもとだと、適切な声がけや、対応法であったり、絵シートのような徹底した視覚支援がすべての授業で用意されていて子どもたちの発達段階にあったサポートがされているのを考えると教員や支援員の数が多ければそれを手厚い支援と呼ぶわけではないということを身をもって感じました。

支援学級のときは、支援学校と比べると視覚支援が無くても口頭の指示のみでわかる子がほとんどのため、朝の会での確認は1日の流れ、給食の確認、がホワイトボードに書いてあって掲示されているくらいで、支援学校のような授業ごとの視覚支援はほとんどありませんでした。また知識や対応法を知らない支援員の数が豊富であったとしても、適切な支援がなされるわけではないということです。

3学期ということもあり、子どもたちは保護者が見学していても落ち着いて生活していることは非常に驚きでした。

教員のチームワーク

これは、目の当たりにするたびに前々から思わせられていたことなのですが、先生方がみんな気づく気づく。本当に小さなことに気づくので、学年団の先生同士は言葉にしなくても目で意思疎通しているのでは無いかと思ったほどでした。

誰かが不安定になったら、他のクラスの先生であろうとすかさずフォローに入ったり、出ていきそうになった子がいたら扉に一番近い先生が反応する。
自分の受け持ち学級の子どもという垣根を越えて先生方がチームで動いているのが見て取れました。

支援学級の時は、教員と支援員の間に見えない壁があるようでした。というのも支援員が契約上できることとできないことがあったり、担任の先生をたてるがゆえに、何かをする時は支援員が教員に許可を求めたり、確認する。そのため支援に入るまでの時間のロスも発生する。全員が教員である特別支援学校はその点で自分の判断で動ける。そして適切な支援をすぐにできるの支援学校の強みであると思いました。

担任だからこのクラスをまとめなければならない、それぞれの学級ごとが色く出ていた支援学級と違って、支援学校の場合は、学年の子どもを学年の先生みんなで育てようとしている、言い換えれば学年の先生が6人いたらその先生たちみんながその学年の子どもたちの担任のような感覚さえ覚えるほどです。

朝から下校までいたわけではありませんが、短い時間参観しただけでも、見えてくることがたくさんありました。何よりも嬉しかったのは、学校で子どもが本当に楽しそうにしていること、笑顔があふれていること、先生やお友達とのふれあいをにエンジョイしているのが伝わってきたことでした。

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