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軽度知的発達障害児が特別支援学校に居場所を見つけるまでの長すぎる軌跡〈12〉普通級から特別支援学級へ

普通学級最後の日

担任の力

前回のnoteは、2年生からの特別支援学級在籍に向けての支援会議についてでした。就学相談で特別支援学級適との判断が出ましたが、1年生の間、普通級で学んだことにより得たものがたくさんあったので悩んだ末に普通級を選択したことは大きな実りとなったのは間違いありません。また、特別支援学級適の子どもが普通学級を希望すると加配支援員は付かないという現実を乗り切れたのは、紛れもなく担任の先生の力と言っても過言ではないのではと思うくらいでした。

1年間担任を受け持ったのはベテランの先生でした。二人の男の子のお母さんらしく強さと温かさを兼ね備えている先生でした。1年生だからこそ必要なことはしっかり学ばせ、配慮はするけれど本人ができることは特別扱いしないそのバランスが本当に絶妙に保たれていたり、保護者とのコミュニケーションも頻繁だったおかげで最後まで安心してお任せすることができました。担任が3回変わった、他のクラスに在籍していたら同じようには過ごせていなかっただろうなとさえ思いました。

言葉の力

その先生が1年生最後の日まで本当に素晴らしいなと思うことがあったので、今回はそれを感じたエピソードをご紹介します。

1年生の3学期3月3日から一斉休校が始まり、本質的な1年生の学校生活はそこで終わりとなっていました。それを見越した当時の担任が、一斉休校になる前の学級活動の時間に、子どもたちに話したことを学級便りとして配布してくれました。学級便りは6枚にもわたるもので、担任の先生の子どもたちへの思いが随所にちりばめられていてとても読み応えのあるものでした。

その一部に2年生から特別支援学級で学ぶ息子のことが書いてありました。このことに関しては、支援会議終了後、担任より子どもたちに伝えても良いかとの打診があったのでタイミングの良い時に先生の判断で話をしていただくことをお願いてしてありました。

「2年生から、すーくん(息子)は、みんなと同じ2年〇組にはならないけど、同じ学校の〇〇学級(特別支援学級)で頑張ることになりました。みんなにとっては〇〇学級に、今までよりももっと仲良しの仲間ができて、交流で一緒に活動するときに楽しみがもっと増えますね。」

学級だよりには、転勤でお別れになる子は、本当におわかれになってしまうから短時間ではあったけれどクラスのみんなで手紙を書いたことも書いてありました。反対に同じ学校の中の特別支援学級にうつる息子に関してはお別れではないけれども、今いるクラスのみんなが一緒じゃないのは寂しい気持ちだねということも書いてありました、

そして、息子に関しては、支援学級に行くからこそ交流の時間に会える楽しみが増えるというポジティブな言い方を子どもたちにしたというのがさすがだなと思いました。

1年生の子どもたちは、いろんなことを理解している子もいればそうでない子もいます。下校の時に、「すーくんは、勉強できないから特別支援学級行くんだよね。でも、ま、近所だしよろしくね!」って屈託ない笑顔で話しかけてきてそのまま去って行ったり、「なんで〇〇学級に行っちゃうの?一緒でいいじゃん」と言われたこともあります。それでも担任の、違う学級でも仲間と言ってくれたからこそ子どもたちが話しかけてきたのではないでしょうか。

今でこそ特別支援学校に転校したので学校にはいないけれども、いまだに近所で同級生の保護者に会うと、「最近学校で会わないって子どもが言ってるけど来てる?元気にしてる?」と声をかけられることもあり、1年生の時にできた仲間意識が4年経った今でも続いていると感謝しています。

このようにして、1年生は幕を閉じました。そして、素敵な先生と出会えたからこそ、特別支援学級の先生たちはもっとプロフェッショナルなんだろうなという期待が膨らんでいったのでした。

春休みも終盤に入り4月になりました。いよいよ特別支援学級での2年生がスタートするはずでしたが、緊急事態宣言が出されたため、学校生活のスタートはイレギュラー尽くしとなりました。統廃合によって学校の場所がかわること、支援学級に在籍することは前々から伝えてありましたが、登校日の変更や時間帯もなかなか定まらないなどの、度重なる変更は我が家のような突然の変更に苦手な子でなくともストレスになったのではないかと思います。そんな中、上の子たちは春休みが長くなったことを大変喜んでいました。

特別支援学級最初の日

当初予定の始業式だった日に、登校日となり特別支援学級デビューの日となりました。30分だけの登校でしたが、新しい場所、新しい学級、新しい先生、新しい仲間に会い下校となりました。

担任の先生は、初めて担任を受け持つ男性。特別支援教育を学んできたということもあってこれからの支援学級生活にいろんな期待をしていました。教員経験が少なからずあるのに担任を経験したことがないということについては、クラスメイトの保護者から聞くまではその理由も考えたことがありませんでした。

始業式の時点で、すでにGW明けまで1か月の休校延期は案内されていましたが、翌日から学年ごとに希望者のみ時短登校の措置が取られるという案内も数日前に来ていたので、新しい環境に慣れるために早いうちからこうやって少しの時間でも学校に行くのはありがたいと思っていました。ところがそんな矢先に、この措置は2週間後より開始することになるとの手紙が配布されました。

毎日の生活リズムができず、30分だけの学校から帰ってきてから、緊張がほどけで感情を爆発させていた息子。入学前のように、ここの学校に通うよと見学に行ったりすることもできないまま、そして予定が毎日変わる環境に相当のストレスを抱えているようにみえました。

出来ていたことができなくなる

6月に入りやっと学校生活が開始した直後から、息子は学校生活で落ち着かなくなりました。1年生の時にできていたことができなくなりました。集団の中で座って授業を受けることができていたのに、立ち歩いたり、気持ちのコントロールができないと手が出るようになりました。

登校2日目ではまだ判断がつきませんでしたが、親としてはできていたことができなくなることが不思議でしたし、できていたんだからしっかりやらせてほしいという気持ちもありましたが、最初ということもあり見守っていましたが原因はなんだろうと自分の中で模索していました。

●新しい場所、長い休校明けから来る不安なのか
●30人クラスから4人クラスになり、自分を見てほしい状態なのか
●これをしたら怒られるか先生を見極めてる状態なのか
●担任の態度や声がけは適切か。距離感が近すぎるのではないか

休校中にかなりのストレスがかかっていたのは紛れもない事実であり、学校生活が始まったからと言ってすんなりなじめるような状態ではありませんでした。できていたことができなくなっていたり、今まで無かったいわゆる問題行動が急に出てきて、毎日のフィードバックを聞くと戸惑いを覚えたものでした。

もう少し様子を見ようとも思っていましたが、次の診察で服薬について医者と相談することにしました。


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