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【感想】『感性思考』~デザイン×ビジネスを実践する新しい思考法とは~

どんなセミナー?

5/28(木)にオンラインで開催された、グロービス主催の『感性思考』~デザイン×ビジネスを実践する新しい思考法とは~ を聴講しました。

Takramディレクター&ビジネスデザイナーの佐々木さんによる、彼の新著である 『感性思考』を題材とした特別セミナーでした。

【概 要】
日 時:5月28日(木)19:00~20:10
参加費:無料
【内 容】
■第一部:講演:佐々木 康裕氏 (30分)
■第二部:対談:佐々木 康裕氏 × 田久保 善彦氏 (20分)
■第三部:質疑応答 

何を期待した?

事前に本は拝読しており、私も「ビジネス×デザイン」の領域で感じる課題感や大事なマインドセットのことが書いてあり、大変共感していました。

「感性」を大切にする思考法である『感性思考』について解説いただきます。また第2部では、グロービス経営大学院 研究科長の田久保と共に、「ビジネス×デザイン」を実践する際のマインドセットや鍛えるべき能力についてなど様々な議論を行います

とありましたので、『感性思考』の本にあることを超えた深い内容や、「ビジネス×デザイン」とはどういうことか?という熱い議論を期待しました。

何を学んだ?

録画・撮影NGでしたので、スクショを貼ることはできないのですが、
第一部の内容は、本の内容というよりも、佐々木さんの経歴と、思考の成り立ちについて仰っていました。
商社→デザインスクール→デザインコンサルタントという経歴のなかで、「ビジネス×デザイン」とは何か?について深く考え、実践してこられたということが伝わてきました。

契機になった本は

『ハイ・コンセプト』だそうです。

本の中のにある「富を約束する6つの感性の磨き方」では、このようなことが書かれています。

時代背景の変化は、
「体力頼み」の農夫、工業労働者の時代から
「左脳勝負」の情報の時代(ナレッジワーカ)を経て、現代は
「右脳勝負」のコンセプトの時代(創造できる人、他人と共感できる人)
これから必要な能力「六つの感性(センス)」
1「機能」だけでなく「デザイン」
2「議論」よりも「物語」
3「個別」よりも「全体の調和(シンフォニー)」
4「論理」ではなく「共感」
5「まじめ」だけでなく「遊び心」
6「モノ」よりも「生きがい」

どうでしょう。
2006年に書かれた本ですが、驚きました。
2020年の現在、大変共感を持てる内容かと思います。

デザインスクールで学ばれた根本は

超多様性
・思考法を組合せて多様性を生み出す
創造性非依存の再現性あるアプローチ
・インスピレーションでなく規律的に創造する

とのこと。
ビジネスにおいては、まぐれ当たりではなく、一定の確率で当て続ける、打率の高さ=再現性をもとめられるのは同感です。

ともすれば、ひらめき や センス などと、偶然性や天賦の才能の賜物であるとして、デザインを魔法のようなものに閉じ込めるような、今の考え方には私も違和感を持っています。

そうではなく、創造性非依存の再現性あるアプローチ で、創造性のない組織にも創造性のようなものをあたえ、価値観を転換することがビジネスの領域では今もとめられていると思います。

"Creating new concepts depends a lot more on discipline than on creativity.You take the ten most creative people you can find anywhere.Give me a squad of ten marines and the right protocols,and I promise we’ll out-innovate you."
"新しいコンセプトをつくるのは創造性よりも規律性に依るものが大きい。正しいプロトコルをもつ10名の海兵隊員が生むアウトプットは、世界でもっとも創造的な10名のそれを上回る。"
ーLarry Keeley

上記は、ラリー・キーリーが著書の『ビジネスモデル・イノベーション』(原題:Ten Types of Innovation: The Discipline of Building Breakthroughs)で語っている内容です。
多様性だけでなく、規律性とは、それほどまでに大事なものだと思います。

イノベーションのイノベーション

一つのプロダクトに一つのイノベーションを組み込む時代は終わりました。一つのプロダクトに複数のイノベーションを組み込むことをイノベーションと呼ぶ時代がきています。
そのためには一分野のスペシャリティではなく、マルチな分野でのスペシャリティがもとめられると思います。

そしてそのスペシャリティは1から徒弟制度的に作り上げて行く必要はなく、先人たちの到達した結果を組み合わせることでできると思います。

○○思考を手法論としてではなく本質論として眺めると、すべて同じ一つの真理にたどり着くと、いろんな著者の本を見てますます感じています。やはりデザインとは神の追体験かと・・・

その意味では、すべての○○思考を組合せて思考できるし、そのような向き合い方が重要に思います。

そして○○思考が創造性を与えるのではなく、○○思考を使い倒した先のオリジナリティ=自分なりの美学が、創造性なのだと思います。

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